2020/07/28LROニュース(7)

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  • 2020.07.28 UP
    2020/07/28LROニュース(7)
    • 【1】 国連:イエメン沖の原油貯蔵タンカーからの大規模油濁防止作業が必要
      • 【1】1974年に超大型タンカーとして日本で建造され、その後イエメン政府がフダイダ港の沖合で洋上の原油貯蔵施設として使用しているタンカー「SAFER」は、2015年以降反政府組織フーシ派の支配下にあり、5年以上続く内戦の影響により保守作業が実施されておらず老朽化が進んでいる。国連環境計画(UNEP)によれば、既にSAFERの機関室内では浸水が始まっており、早急に技術的な調査や応急修理を実施しなければ、船体の破損により積載している114万8千バレルもの原油が紅海に流出するおそれがある。先週フーシ派は国連に対してSAFERでの活動の受け入れを表明し、今後数週間のうちに国連による活動が開始されると思われるが、2019年に同様の動きがあった際には直前でフーシ派が国連による活動の受入れを撤回している。UNEPは、長期的な対応として積載している原油を荷揚げしたうえで調査や解体を実施するために安全な海域までSAFERを曳航することが最善策であるとしており、仮に搭載する原油が流出すれば、紅海における生態系や紅海及びその沿岸部で生計を立てている2千8百万人もの人々の生活に壊滅的な被害をもたらすと警告している。
      • 原文 July 15, 2020, 国連(若林健一)
    • 【2】米下院気候変動特別委員会が気候変動対策行動計画報告書を発表
      • 【2】米下院の気候変動特別委員会(Select Committee on the Climate Crisis)は第116議会でペロシ下院議長によって創設され、2年間にわたって公聴会などにより関係者の意見を聴取し、このほど同特別委員会の民主党議員により、広範な気候変動対策に関する議会としての行動計画をまとめた報告書が発表された。特別委員会の性格上同報告書の内容には法的拘束力はないが、2035年までにすべての自動車を電動にすること、電力事業者の炭素中立を2040年までに実現すること、全ての経済活動について2050年までの炭素中立化を実現することなどが盛り込まれている。民主党内改革派は、2035年までの炭素中立という野心的な目標を掲げているが、2050年までという目標は、経済的・政治的にも達成可能な目標として民主党多数派の支持を得ている。秋の大統領選挙や議員選挙によって民主党が躍進しない限り、第117議会中の包括的な気候変動対策法の議会通過は難しいが、今回発表された行動計画は今後の民主・共和両党間の交渉のたたき台となり得る漸進的で達成可能な内容となっており、いくつかの勧告については今後超党派で推進される可能性がある。
      • 原文 July 16, 2020, Holland & Knight(長谷部正道)
    • 【3】WEF: 富裕層の過剰消費行動や資本主義自体の「偉大な見直し」が必要
      • 【3】豪New South Wales大学の研究者達がNature Communicationsに発表した論文によると、世界にとって最大の脅威はコロナウィルスではなく「富(affluence)」であり、真に持続可能な社会を実現するには、資源の有効活用ではなく、富裕層を中心とした人類の生活様式を改め、過剰消費を減らす構造的な改革が必要であると警告した。世界経済フォーラム(WEF)の「2020年世界のリスク報告書」によると、技術革新によってもたらされる環境的な利益は、消費の過剰な拡大によって食い潰されており、需要と供給に関する考え方を見直す必要がある。資本主義の理念に従えば、消費は経済成長の原動力であるが、同時に環境汚染の源泉でもあり、WEF創始者であるSchwab教授は、世界環境の日を前に、税制・法規制・財政政策を見直して、全ての市場参加者に公平な成果がもたらされるよう「資本主義の偉大な見直し(Great Reset of Capitalism)」をコロナ復興の柱とすることを提唱し、この考えは英国のチャールズ皇太子をはじめ世界中の多くの有力者から支持されている。
      • 原文 July 21, 2020, World Economic Forum(植木エミリ)
    • 【4】AMSA: コンテナの固縛方法について集中検査キャンペーンを実施
      • 【4】豪では2018年にニューカッスル沖で81個、2020年の5月にウロンゴン沖で50個、同6月にルーイン岬沖で3個のコンテナが、コンテナ船から海中に崩落し、その結果、重大な環境汚染が発生し、漁民の生活や安全が脅かされた。豪海事安全庁(AMSA)による事故調査の結果、不適切なコンテナの積み付けや固縛方法、固縛機器の不適切な保守管理が事故原因と考えられる。AMSAは8月から10月まで、PSCの一環として、PSCの対象とならない船舶については単独の検査として、コンテナがSOLAS条約第VI章の規定に従って、正しく固縛されているか集中検査を実施するので、同時期に豪の港湾に入港する船舶の船主と船長は当該検査に備え、承認された貨物固縛マニュアルやSOLAS条約第VI章の国内実施規則であるMarine order 42に習熟して、これらの規則に従った固縛方法を実施する必要がある。
      • 原文 July 22, 2020, AMSA(長谷部正道)
    • 【5】中国の港湾における荷役待ち滞船が記録的なレベルに
      • 【5】輸入貨物の増大・悪天候・コロナ防疫対策によって、中国の港湾で荷役待ちをしている船舶数が記録的水準に近付いている。7月26日の段階で、中国の港湾において、荷役待ちのケープサイズの貨物船の数は、71隻(1400万dwt)で、昨年7月比4倍の船舶が、荷役待ちで滞船している。平均荷役待ち日数も昨年同期は約1.5日だったのが、現在は平均で約4日となっている。滞船している船舶の数は、全世界で稼働しているケープサイズの貨物船の約4%にあたるため、ケープサイズの用船価格も通常より高い水準に高止まりしている。中国南部を襲った例年より2割程度多い豪雨も、もう数日続く見込みで、長江河口周辺の港湾に悪影響を与えている。タンカーについても、割安な原油を積極的に輸入しているため、7月23日時点で、1億2千万バレルの原油を積載したタンカーが港湾の沖合で荷揚げを待っており、通常は1週間程度の荷揚げ待ちが、現在では青島・日照地区で約3-4週間、寧波・象山地区で約2週間の待機が必要となっている。
      • 原文 July 27, 2020, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【6】マースク・マイクロソフト等が炭素中立を目指す企業連合を結成
      • 【6】7月21日、マイクロソフト・ダノン・ナイキ・ユニリーバ・スターバックス・メルセデスベンツ等の大規模な多国籍企業が協力して、ビジネス界が炭素中立に転換するのを促進し、炭素中立実現に必要な資源や戦略を共有するための新たなフォーラム、Transform to Net Zero を発足した。当該フォーラムには、上記企業のほかにマースク・インドのIT企業のWippo・ブラジルの美容企業のNatura & Coが参加し、各企業が地球の気温上昇を産業革命以前と比べて1.5℃以下に抑制する目標に従い、CO₂排出削減のために共同で研究し、ガイダンスとロードマップを作成する。また世界中の企業に対し製品が製造・輸送・販売・廃棄されるまでの全ての過程(full value chain)からもたらされる環境に対する影響を科学的に分析して、気候変動対策を設定することを2025年まで奨励していく。参加企業はGHG削減技術への投資に関する情報を共有するとともに、各国政府等に対し、炭素中立を加速化するための政策を実施するよう協力して要請していく。
      • 原文 July 21, 2020, Business Green(植木エミリ)
    • 【7】英国政府:スペインからの入国者に対する検疫隔離を再導入
      • 【7】英国政府は、入国者に対して課していた2週間の隔離措置について7月10日から日本を含む50カ国以上を適用除外としているが、スペイン国内で新規感染者数が急増していることを踏まえ、急遽7月25日にスペインを適用除外の対象から外す決定を発表した。政府は国内での感染拡大を防ぐために必要な措置であると述べているが、すでに多くの観光客が休暇を過ごすためにスペインに入国し、または今後渡航を予定しており、政府の発表を巡って混乱と批判が生じている。また、政府はフランスやドイツなどの他国についても今後必要が生じれば同様の措置を講じるとしている。

        ※7/26の英国の感染者数:747人(日本809人の0.9倍、緊急事態解除基準47人の16倍)
        ※7/26の英国の死者数:14人(日本3人の5倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 July 27, 2020, Evening Standard(若林健一)
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