2020/07/27LROニュース(7)

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  • 2020.07.27 UP
    2020/07/27LROニュース(7)
    • 【1】ARX: 週間海上保安報告書
      • 【1】ARX MOULDINGSは週間海上保安報告書を発表したがその概要は以下のとおり。①6月30日午後10時20分、ガーナのタコラディ錨地に錨泊中の貨物船で当直中の乗組員が船首楼甲板にいる3人の賊を発見したが、警報が作動したことから賊は同船の備品数点を盗み逃走した。②7月9日、イエメンのサリフ港から南方約3.2海里の海上でサウジアラビア主導の有志連合軍が、爆発物を搭載し遠隔操縦された2隻の無人艇を破壊した。2隻の無人艇はフーシ派所属であったとされている。③7月12日、シンガポール海峡を東航中の貨物船の機関室で、刃物で武装した3人の賊が目撃されたが、警報が作動したことから賊は船の予備品数点を盗み逃走した。④7月10日、インドネシアのバタム島沖合でインドネシア当局が拿捕した2隻の中国漁船のうち1隻の冷凍庫内から20歳のインドネシア人船員の遺体が発見された。死亡した船員は、先月死亡するまで船長や他の乗組員から虐待を受けていたとの情報もあり、当局が当該漁船を拿捕し捜査を続けている。
      • 原文 July 20, 2020, ARX(若林健一)
    • 【2】2019年において単位当たり海上コンテナ輸送から排出されるCO₂が減少
      • 【2】世界的なコンテナ海運活動による環境への影響を抑制し、「責任ある海運」を促すためのbusiness-to-business leadership initiativeであるClean Cargo(CC)には、マースク・CMA CGM・MSC・ONE等世界のコンテナ海運輸送量の8割以上を占める17の大手海運会社をはじめ、荷主企業・コンテナ海運会社・フォーワーダーが75社以上参加している。17社は、CCが開発し、米国環境保護庁(EPA)や世界物流排気審議会(GLEC)でも採用されるなど世界的な業界標準となった「CO₂排気計算法」に則って、運航する3500隻以上の船舶の運航に関する情報をCC事業を運営するBusiness for Social Responsibilityに(BSR)に報告しており、BSRはその情報を集計して毎年発表している。7月21日発表された2019年の実績報告書によると、コンテナ一個を1km輸送するために排出されたCO₂の平均値は、対前年比で通常の(dry)コンテナで5.6%、冷蔵・冷凍コンテナで2.5%それぞれ減少した。CC参加メンバーは、コンテナ海運の脱炭素化を促進するため、Best Practicesを共有し、物流チェーン全体にわたる新たな傾向や変革について議論し、協力して新たな施策や試験事業を計画している。
      • 原文 July, 2020, Clean Cargo(植木エミリ)
    • 【3】米空軍:新たな北極戦略を発表
      • 【3】7月21日米空軍省は、国家防衛戦略を後押しするために北極海における空軍省独自の役割や空軍及び宇宙軍の能力の最適化について要点を記した北極海戦略を発表した。この戦略は、北極海における政府横断的なアプローチに必要な能力や警戒体制を強化するために空軍と宇宙軍が取り組む事項として、以下4項目を挙げている。①「すべての領域における警戒」:米国防総省の最優先事項は本土防衛であり、空軍及び宇宙軍は空域、宇宙及びサイバースペースを含むあらゆる領域において潜在的な脅威の監視を行うことでこれに貢献する。②「戦力投射」:アラスカ州の空軍基地には給油機や第5世代の戦闘機を配備し、ニューヨーク州の第109空輸航空団は氷上での離着陸が可能な輸送機を備えており、こうした基地や装備を統合的に活用し戦力投射を行う。③「同盟国との連携」:いずれの国も自国のみで作戦を遂行するために十分なインフラや能力を備えていない北極海では同盟国との連携が重要であり、地域レベルを含めて相互運用性の拡充に努める。④「作戦遂行のための準備」:北極海の厳しい気候の中で作戦遂行能力を維持し緊急事態に対応するために、人員及び装備の両面において特別な訓練を実施し、環境への順化を図る。
      • 原文 July 21, 2020, US Air Force(若林健一)
    • 【4】南シナ海:ベトナムの資源開発への圧力を高める中国
      • 【4】中国は、南シナ海において資源開発を進めたい周辺国が中国を唯一の共同開発のパートナーとするよう、他国の石油開発企業を南シナ海から排除する動きに出ている。ベトナム政府は中国からの圧力を受け、国営石油企業ペトロ・ベトナムに対して、ベトナムの沖で資源開発を進める同社と露との合弁企業ロスネフチ・ベトナムが英国企業と結んでいる半潜水型掘削リグの使用に関する契約を打ち切るように指示したと見られている。ロスネフチ・ベトナムが2018年以降開発を進める海域は、中国が主張する九段線の内側に位置する。米国務省は、昨年中国は南シナ海で2.5兆ドルに相当する資源開発を阻止したと見積もっており、中国による圧力は、ベトナムのガス生産、発電、歳入及び基本的な主権に対して打撃を与えてきただけでなく、中国の侵略的な振る舞いが国民のナショナリズムを高めることにより国内の情勢を不安定化させてきた。今年に入り中国は、南シナ海においてフィリピンやベトナムの漁船を沈没させた一方で、マレーシアが行っている資源探査活動に対しても圧力を加える行動に出ている。
      • 原文 July 22, 2020, Asia Times(若林健一)
    • 【5】インド洋における日・米・印合同海軍演習に豪も参加へ
      • 【5】1992年に米・印で開始し2015年からは日本も参加して毎年実施している合同海上演習「マラバール演習」について、印が豪を招待するとの見方が濃厚となっている。豪は2007年にシンガポールと共にマラバール演習に参加し、以後も参加の意向を示していたが、中国からの圧力により、中国を不必要に刺激する恐れがあるとの理由から印が反対していた。しかし、先月ヒマラヤの印・中の係争地域で印側に20人以上の死者を出した両国による軍事衝突を契機として、印が中国の拡張主義に対抗する意志を明確に示すことが急務であると判断し、今回の演習に豪を招待するに至ったとものと考えられている。印・豪両国は、今年6月にテレビ会議による首脳会談を開催して相互後方支援協定を結ぶなど、軍事的協力関係を強化しているが、今回の印による豪の招待は、中国の拡張主義に対抗するため両国の関係が新たな段階に進むことを示している。今年のマラバール演習はコロナウィルスの影響により年末に行われる。
      • 原文 July 21, 2020, Lowy Institute(若林健一)
    • 【6】UNCTAD: 持続可能なBlue Recoveryのための新規施策
      • 【6】海洋はGDPベースで年間3兆ドル(約321兆円)の経済価値を生んでいるが、海洋経済(Blue Economy: BE)の規模は縮減しつつあり、人類の活動によって持続可能ではない状況に置かれている。例えば、漁業資源の34%は過剰漁獲によって持続可能な生物学的水準を下回っている。さらに海洋に吸収されるCO₂の量が増加して海洋の酸性化が進み、海水温の上昇により、世界のサンゴ礁の最大半分が死滅し、2050年までには海洋プラスチックごみの量が魚類の量より多くなる見通しである。海洋に生活を依存する30億人以上の人々の多くが開発途上国に住み、世界の漁民の9割も開発途上国の漁民であり、小島嶼開発途上国(SIDS)のGDPの3-5割は海洋観光に依存している。従って、これ以上海洋の不適切な管理を続けることは出来ず、生物多様性保全のための投資など持続可能で公平なBEの促進をコロナ経済復興対策の重要な柱とすべきである。新たな進展が期待できる分野としては、医薬品/食糧などに利用できる有用な遺伝資源を発見するための生物資源探査・海洋科学・持続可能な養殖業・再生可能エネルギー・低炭素海運・海洋環境に配慮した金融(blue finance)・エコツーリズム・海草などを活用したCO₂の回収/貯留(blue carbon)などが考えられる。
      • 原文 July 21, 2020, UNCTAD(長谷部正道)
    • 【7】英国政府:冬季に備え検査体制の強化を図る
      • 【7】英国統計局が無作為に選んだ3万人を対象に調査を実施したところ、本来の1日当たりの新規感染者数は約1,700人に及ぶとことを示す結果が出たが、現在の検査体制ではその3分の1程度の感染者しか確認できていない。その原因の一つとして、無症状の感染者や検査を受けない軽症の感染者の存在が考えられる。また、国民保健サービス(NHS)が運用している検査・追跡制度では、感染者と接触した人の約45%と連絡がとれていない。政府はこうした状況を踏まえ、感染者の増加が懸念される冬季に備えて10月末までにイングランドの数百カ所に検査場を新たに設け、1日に可能な検査数も50万件に増やし、検査体制の強化を図るとしている。また、これにより都市部ではどのエリアでも徒歩30分圏内に検査場がある体制を整えるとしている。

        ※7/22の英国の感染者数:560人(日本633人の0.9倍、緊急事態解除基準47人の12倍)
        ※7/22の英国の死者数:79人(日本1人の79倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。"
      • 原文 July 23, 2020, BBC(若林健一)
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