2020/07/16LROニュース(7)

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  • 2020.07.16 UP
    2020/07/16LROニュース(7)
    • 【1】 BIMCO: EUシップリサクル規則のIHMに関する規制の実施猶予を要請
      • 【1】2020年12月31日から、EUのシップリサイクリング規則に従い、EUまたはEEAの港湾に寄港する500GT以上の船舶については、有害物質インベントリ(IHM)の備え置きが義務付けられるが、5月にBIMCOが加盟船社を対象として、パンデミックの影響でIHM作成準備に影響が出ているか調査したところ、規則の適用対象となる船舶の76%がパンデミックの影響でIHM作成作業等が終了していないことが判明した。これを踏まえ、BIMCOは他の海運関係団体とともに、欧州委員会に書簡を送り、船主がIHMを作成するにあたって、パンデミックによる様々な制約や障害に直面していることを説明し、パンデミックに関連する制約が解消されるまで、IHMに関する規制の実施を猶予すること等を要請した。12月31日までに対象となる船舶の全てについてIHMの作成・認証を終了する見込みがつかない船主は、次善の策として、スクラップにする可能性のより高い船齢の高い船舶を優先してIHM作成作業を進めるようBIMCOとしては船主に勧告する。
      • 原文 July 9, 2020, BIMCO(長谷部正道)
    • 【2】 国際北極海水深図(IBCAO): Version 4.0を発表
      • 【2】1997年に国際北極海水深図(IBCAO)事業がロシアのサンクトペテルブルグで開始されて以来、これまで3回にわたり北極海の水深に関する公式情報を発表してきたが、今後、日本財団/GEBCOのSeabed 2030事業と協力して、IBCAOはSeabed 2030の北極海地域センターとして、2030年までにすべての北極海の海底の地形図(水深図)の作成を目指しており、7月9日、北極海の水深図のVersion 4.0を発表した。2012年に発表されたVersion 3.0と比較すると、解像度が500m x 500mから200m x 200mと2倍以上に上がり、個別にソナーで測深した海域の範囲が、北極海全体の6.7%から19.8%に、最新のマルチビームソナーで測深した海域の範囲も5.4%から14.3%に拡大した。この結果、より正確な海底の形態学的な情報を提供することが可能となり、例えば、グリーンランドのフィヨルドのより詳しい海底地形を把握することにより、グリーンランド表面の氷河が今後どのように融解していくか予測するモデルを改善することが可能となる。
      • 原文 July 9, 2020, Nature(長谷部正道)
    • 【3】 英国政府:再生可能エネルギー蓄電施設建設計画承認手続きを緩和
      • 【3】英国は世界最大の洋上風力発電施設を擁するが、発電をするための風力は一定でないので、余剰電力を蓄電する必要があるが、英国の既存の規制では、大規模な蓄電施設を建設する計画について国の承認が必要で時間がかかり、再生可能エネルギー普及の制約要因となっている。そこで、再生可能エネルギーの利用促進の観点から、英国政府は、イングランドでは50MW、ウェールズでは350MW以上の蓄電施設について、地方政府が計画を承認できることにして、蓄電施設の計画承認までの期間を大幅に短縮して、英国内の大規模蓄電施設を現在の3倍の100か所に増やすための法改正を準備中であると7月9日発表した。現在英国には1GW分のバッテリー蓄電施設があり、さらに4GW分の蓄電施設の建設計画が進んでいる。英国政府は2050年までの炭素中立を目指して、低炭素化促進のために30億ポンド(約4050億円)以上を投資する予定である。
      • 原文 July 15, 2020, Offshore Wind Biz(長谷部正道)
    • 【4】 欧州委員会はトルコ・インドの認定船舶解体場の承認手続きを急ぐべき
      • 【4】コロナ経済不況に伴う荷動きの低下に対応しながら運賃水準を維持するために大手コンテナ船社は運休や係船という対応をしてきたが、こうした暫定的な対応では足りず、船腹供給量を削減するため、最大手のマースクは1998年建造の9640TEUのコンテナ船をトルコのEU認定の船舶の解体場で解体するため売却したと発表した。同社は環境規制遵守の観点から、これまで同社の船舶を、大型船舶を経済的に解体する能力を持つトルコと中国のEU認定解体場で解体してきた。しかし、欧州委員会や環境保護団体の主張とは裏腹に、特に大型船については、現在認定されている41の認定解体場だけでは足りず、欧州委員会は現状を正しく把握し、EUの認定基準を満たし、承認手続きを待っているトルコの新たな船舶解体場の追加指定のための手続きを迅速化するとともに、マースクが2016年から船舶解体施設の改善を支援しているインドのアランの船舶解体場についても認定を行うことを真剣に検討すべきであるとClarksons Platou Shipbroking社は主張している。
      • 原文 July 15, 2020, Offshore Energy Biz(長谷部正道)
    • 【5】 香港がコロナ感染事例を受けて船員交代要員の入国管理を再強化
      • 【5】6月に香港船主協会の要請を受けて、香港政府は船員交代のために香港に入国する船員の入国要件を緩和し、入国にあたり検疫期間やPCR検査の陰性証明書の提出を求めないこととしたが、6月の下旬に緩和措置に従い香港で船員交代を実施したMSCのコンテナ船の11名の船員がコロナウィルスに感染していることが、その後寄港した中国の検疫官により発見された。この事件を契機に、香港政府は7月10日より、船員の入国規制を再強化し、交代要員は香港入国時に、香港に向けて出国する前の48時間以内にISOで認証された検査施設から発行されたコロナ陰性証明書と海運会社または船舶代理店が発行した保証書を提出し、入国後は1日に2回検温を行いその結果を海運会社または船舶代理店に報告することが義務付けられる。もし、以上の有効な検査証明書を所持せずに入国しようとした場合は、船員の入国は認められず、海運会社または船舶代理店は当該船員を即刻帰国させる手配をすることが義務付けられる。
      • 原文 July 13, 2020, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【6】 米海軍が初めて自律運航船の開発・建造契約を締結
      • 【6】米海軍は、中型無人海上艦船(MUSV)の試験船の開発・建造のため、最初の試験船の建造のために3500万ドル(約37.5億円)、最大総額約3億ドル(約321億円)の契約をL3Harris社と締結した。MUSVは40フィートコンテナを積載可能で、国際海上衝突予防規則(COLREGS)に従い、自律運航が可能で、60日間補給なしで海上行動が可能で、連絡・諜報・捜索・偵察・電子戦闘などの任務にあたることが想定されている。2023予算年度中に一番船が竣工予定で、海上展開船隊(Surface Development Squadron)に配備され、様々な試験運航を行った上で、将来的に海軍の船隊に実戦配備することを目指す。これまでは自律運航船の開発は、米国防高等研究計画局(DARPA)がSea Hunter (ACTUV)自律運航船を開発してきたが、米海軍が直接自律運航船の開発契約をしたのは今回が初めて。
      • 原文 July 15, 2020, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【7】 マスク着用が新しい生活様式の一部に
      • 【7】英国政府は、イングランドにおいて7月24日から公共交通機関や病院に加えて商店やスーパー等の店舗内でもマスクの着用を罰則付きで義務化する方針を明らかにしたが、複数の政府筋は、この措置は一時的な対策ではなく、Social Distancingと同様に「新しい生活様式」の一部として、ワクチンの完成が予想される2021年まで継続されるとの見通しを示している。一方で政府は、マスク着用による感染防止の効果は短時間に他人と接触する環境で期待できるものであり、職場や学校などにおいては着用を義務化する考えはないことも明らかにしている。

        ※7/14の英国の感染者数:398人(日本261人の1.5倍、緊急事態解除基準47人の8倍)
        ※7/14の英国の死者数:138人(日本0人)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 July 15, 2020, Evening Standard(若林健一)
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