2020/06/24LROニュース(7)

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  • 2020.06.24 UP
    2020/06/24LROニュース(7)
    • 【1】EU: Blue Economy Report 2020を発表
      • 【1】6月11日、EUが「海洋経済報告書2020」を発表したところその概要は以下のとおり。①2018年のEUの海洋経済の規模は7500億ユーロ(約90兆円)、海洋経済分野で働く労働者数は、主として沿海域の観光業に従事する労働者の増加により、対前年比11.6%増加して、約500万人となった。②一方、パンデミックによって、海洋・海岸部での観光産業・漁業・養殖業は大きな影響を受けた。③伝統的に、海洋経済の主体は海運や漁業が担ってきたが、近年は海洋再生可能エネルギーをはじめとした新たな産業が出現しており、洋上風力発電事業に従事する労働者数は、過去10年で9倍に増加した。④EUは海洋エネルギー開発技術では世界を先行しており、2050年までに全発電量に占める洋上風力発電の比率を35%まで引き上げることを目標としている。⑤環境面では、2009年から2017年の間に、漁業・養殖業においては、単位生産価値当たりのCO₂排出量を29%削減することに成功し、生産量の増大とGHG排出量の増加の関連の切り離しに成功している。⑥さらに環境政策に配慮したgreen portsのネットワークの拡大が、環境問題の改善に寄与している。
      • 原文 June 11, 2020, EC Joint Research Centre(長谷部正道)
    • 【2】船員交代:各国取締機関が雇用契約等について取締・摘発を強化
      • 【2】6月19日、英国籍のばら積み船が、豪のポートヘッドランド港で、豪海上安全庁(AMSA)に拘束され、船員の問題が解決するまで出港禁止命令を受けた。具体的には、船員のうち2名が有効な雇用契約書を保有しておらず、2名が雇用契約終了後も帰国できない状況となっており、合計で11か月以上船上勤務が続いていた。英国では、6月19日、海事沿岸警備庁(MCA)の立ち入り検査で、多くの有効期限が切れ或いは無効な船員雇用契約書が発見され、この結果、12か月以上も船上勤務を継続していた船員もあり、さらに給与の遅配も発見されたため、5隻のGlobal Cruise Linesのクルーズ船が拘束された。当初の雇用契約より長く勤務している船員の中には自傷行為や自殺を図る者もいて、6月19日には、バンクーバー港で19歳の中国人の給仕係が錨泊地で船から海に飛び込んで溺死した。
      • 原文 June 22, 2020, Splash 247(長谷部正道)
    • 【3】日本財団・GEBCO Seabed 2030:世界の海底の1/5の海底地形図を把握
      • 【3】日本財団・GEBCO Seabed 2030事業について、Project DirectorがBBCの取材に答えたところその概要は以下のとおり。①本事業を2017年に開始した時点では、世界の海底のわずか6%の地形しか把握されていなかったが、現在は同事業の進捗により、豪州の面積の約2倍(1450万㎢)にあたる世界の海底の19%の深度に関する情報がGEBCOによって把握された。②海底の地形は、海底の地形が持つ重力によって海面に生じるわずかな凹凸を衛星で観測することによっても推測できるが、この方法ではkm単位の精度の地形を把握するのが限界で、Seabed 2030では、100m単位の精度の海底地形図を作成することを目指していることから、音響測深による情報が必要となる。③海底地形図の作成により、船舶(潜水艦)の安全運航、海底ケーブル・パイプラインの敷設、漁業資源の保全・管理、海流の把握と気候変動予測、正確な海面上昇等の予測に役立てることができる。④これまでにGEBCOが収集した情報の多くは、様々な機関によってばらばらに測定・保存されていたものだが、こうした既存の情報を収集・統合するだけでなく、今後は新たな情報の収集が必要で、商船・漁船・プレジャーボートのソナーや運航機器に情報収集装置を設置してもらい、クラウドソーシングの手法で情報を集める必要がある。
      • 原文 June 21, 2020, BBC(長谷部正道)
    • 【4】米海軍の大型無人海上艦艇の調達に慎重な米議会
      • 【4】国防総省のCost Assessment and Program Evaluation Officeの勧告と国防長官の意向に従い、国防総省は大型の有人艦船を大型無人艦艇に切り替える方針だが、米海軍と海兵隊の装備調達計画の承認権限を持つ米下院Seapower and Projections Forces (CPF)小委員会は、海軍が無人海上艦艇の船体・機関・電気系統・運用システム・ソナー/レーダー等の統合される全てのシステムについて適切な試験を実施して、30日間自律運航ができるようになるまでは、大型無人海上艦艇の調達に関する予算を制限すると、2021年国家防衛予算承認法の審議過程で決定した。上院国防委員会も2021年度予算については同様の判断を下した模様。議会は、沿岸戦闘船(littoral combat ship)や新たな空母であるFordの建設計画のように、技術が完成しないうちに見切り発車をして計画の大規模な遅延を招くような失敗を大型無人艦艇では繰り返したくないと考えている。
      • 原文 June 19, 2020, Defense News(長谷部正道)
    • 【5】中国海軍:新型原子力潜水艦を含む潜水艦隊の拡充
      • 【5】中国海軍は、渤海造船所において095型及び096型の2つの次世代型原子力潜水艦の建造を進めると見られており、これらの潜水艦は中国海軍が太平洋での哨戒やインド洋での定期的な活動を実施するために重要な役割を果たすことになる。中国の潜水艦の数は現在66隻だが2030年までに76隻に増加すると予測されており、これには渤海造船所で建造される6隻の原子力潜水艦が含まれる。また、2030年までに110隻に増えるとする別の予測もあり、同造船所の潜水艦建造能力が中国の潜水艦隊を拡充する鍵となっている。同造船所の潜水艦建造能力の拡充は2014年に開始され、2017年までに建屋が完成し、このほど建屋とドライドックの間を結び潜水艦の進水に使用する台船が設置されたが、これらの大きさなどからも新型の原子力潜水艦の建造が目的であることが見て取れる。新たに建造する潜水艦には最新式のソナーや武器を搭載すると思われるが、世界規模での活動を目指す中国軍にとって最も飛躍的な能力の向上は乗組員の収容数の増加による行動日数の長期化である。
      • 原文 June 19, 2020, Forbes(若林健一)
    • 【6】シンガポール船主協会:遠隔検査・監査のための業界標準が必要
      • 【6】シンガポール船主協会(SSA)のデジタル化委員会の委員長は、船舶の遠隔検査・監査実施のための業界統一基準がないことが問題であると指摘しているところその概要は以下のとおり。①遠隔検査/監査については、船級協会が主導しながらも、他のサービスプロバイダーも、パンデミック発生以前からかなり広範に導入しており、ある船級協会は既に15000件を超える遠隔検査を実施している。②この結果、船主はこれまでに様々の異なる主体から遠隔検査に関する提案を受けてきているが、異なる複数の方式を採用するのは非常にコストがかかる。③そこで、シンガポール港湾海事庁(MPA)とSSAは、遠隔船舶検査/監査を促進するための標準を作成する共同業界事業(Joint Industry Project: JIP)の参加メンバーを公募している。④特に中小規模の船舶管理会社にとっては、複数の船級協会がそれぞれ独自の方法で遠隔検査を行うのに対応することは不可能である。⑤具体的には、船上の活動を把握し、陸上から船舶に支援に必要な情報を伝達するためのプラットフォームに必要な標準的なハードウェアと支援ソフトの技術標準を作ることが必要になる。
      • 原文 June 23, 2020. Seatrade Maritime News(長谷部正道)
    • 【7】英国政府が追加のロックダウン緩和策を発表
      • 【7】6月23日ジョンソン首相は、現状では感染率は低下しており感染の第2波が起こる危険性もほぼないと判断し、7月4日からイングランドにおいてパブ、レストラン、映画館などを再開させ、社会的距離の確保で求める距離も2mから1mに縮小することを発表した。また、同居していない他人との屋内での接触も許される。再開が許される施設には、キャンプ場、ホテル、別荘、教会も含まれる。一方でジョンソン首相は、今回の緩和策は条件付きであり状況によっては撤回もあり得るとも述べている。
        ※6/22の英国の感染者数:958人(日本56人の17倍、緊急事態解除基準47人の20倍)
        ※6/22の英国の死者数:15人(日本0人)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 June 23, 2020, Evening Standard(若林健一)
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