2020/06/22LROニュース(8)

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  • 2020.06.22 UP
    2020/06/22LROニュース(8)
    • 【1】国際エネルギー機関:「持続可能な復興計画」を発表
      • 【1】国際エネルギー機関(IEA)は6月18日、国際通貨基金(IMF)との共同分析をもとに、今後3年間で実施すべき「持続可能な復興計画」を発表したがその概要は以下のとおり。①この計画は、「持続可能な復興に関する特別報告書」の中で、経済成長を活性化し、雇用を促進し、全世界におけるGHG排出量を構造的に減少させるためのエネルギー部門におけるロードマップを示すものである。②コロナ経済復興対策にこうしたエネルギー政策を取り込むことにより、近代的で信頼できる脱炭素化技術とインフラの開発を加速する。③持続可能な復興計画の主要な成果としては、(i)世界の経済成長を年率1.1%増加(ii)年間9百万人の雇用を創出(iii)計画全体を通して世界中のGHG排出量の45億トン削減などが見込まれる。④また大気汚染物質の5%削減や、更新開発途上国において、約2億7千万人が電気を利用できるようになるなど、人類の健康と福利の向上にも貢献する。⑤持続可能な復興計画の実行には、今後3年間に渡って、今日の世界のGDPの約0.7%にあたる約1兆ドル(約107兆円)を毎年官民で投資する必要がある。
      • 原文 June 18, 2020, IEA(植木エミリ)
    • 【2】北極海がより多くのCO₂を大気中から吸収し酸性化が進行
      • 【2】ベルン大学気候変動研究センター等の研究者達がNature誌に発表した研究によると、北極海は、今世紀に入ってから、従来の気候変動モデルで計算されていたよりも20%多くのCO₂を吸収しており、より強い海洋の酸性化が進行していることが明らかになった。海洋の酸性化は、軟体動物・ウニ・ヒトデ・サンゴ礁・貝類などの、炭酸カルシウムの骨格や殻をもつ石灰化生物に対し、殻を溶解させるなどの悪影響を及ぼす。石灰化生物の生態系が損なわれると、魚類から哺乳類に至るまでの北極海全体の食物連鎖に大きな影響を及ぼすことが懸念される。北極海表面の海水と深層部の海水が環流することにより、大気中から取り込まれたCO₂が深い海域まで運ばれ、多くの海洋生物が生息し、気候変動の影響に順応するための重要な避難場所である200mから1000mの水深で特に酸性化が進行している。
      • 原文 June 17, 2020, Science Daily(植木エミリ)
    • 【3】欧州議会:投資の環境持続可能性を認定する法案を可決
      • 【3】欧州議会は6月17日、科学的な根拠に基づいて、環境的に持続可能だと認められる経済活動を分類する法案(EU Taxonomy)を可決した。この法案によって、環境への配慮を装った偽りの事業ではなく、電気自動車や再生可能エネルギーといった真に環境に優しい事業に対し適切な投融資が行われることが期待されており、ファンドマネージャー・債券の発行者・上場企業等の投資に関わる全ての金融関係者は、その投資が本当に環境の持続可能性に貢献するか否かに関する情報を開示しなければならない。今後の立法手続きは、技術的な専門家グループの勧告に基づき、欧州委員会が環境的に持続可能な投資の基準案を作成し、新たに創設された「持続可能な金融プラットフォーム」が2021年中に持続可能な経済活動のリストを作成したのち、パブコメに付されて最終化される予定である。
      • 原文 June 18, 2020, Transport & Environment(植木エミリ)
    • 【4】船員交代問題の最新改善状況
      • 【4】シンガポール港では、3月27日以来、約6千名の船員交代を実現しているが、海事港湾庁(MPA)は船舶から直接空港に移動できない船員のために、48時間まで船員が一時待機・休息できる場所を市内に2か所確保し、船員が帰国便に搭乗するために必要な「旅行可能健康診断書」をオンラインの診察で受け取ることができるようにした。また船員交代の申請が急増しているため同国籍船(SRS)の船舶の乗員交代を優先する措置を取っている。またSRSが外国の港湾で船員交代をする場合には、MPAが当該国の当局に連絡をして船員交代を支援してくれるよう要請している。ジプチ港管理当局と自由貿易地域庁は、同港がバブエルマンデブ海峡を通航する全ての船舶の船員交代の拠点となると表明した。マニラに拠点を置く船員管理会社は、定期便・チャーター機・クルーズ船を使用して、これまでにクルーズ船と貨物船から9千人の比人船員の帰国・検疫措置・PCR検査などを手配し、今後さらに千人の船員の帰国を実現する予定。
      • 原文 June 18, 2020, Offshore Energy Biz(長谷部正道)
    • 【5】ICCT: スクラバーの段階的な撤廃を提案
      • 【5】Clean Transportation国際評議会(ICCT)が表記提案を発表したところその概要は以下のとおり。①2020年中に、16%(積載能力ベースでは36%)のコンテナ船・15%のばら積み貨物船・10%のタンカーにスクラバーが搭載され、その約8割は最もコストが安い開放型のスクラバーとなっている。②既に中国・シンガポール等の政府は、開放型スクラバーの洗浄水の排出を禁止しており、次回のMEPCではスクラバー洗浄水の排水に関する各国の規制の整合性を図るための検討に関する今後の作業計画が承認される見込みである。③そこで、ICCTは以下の4段階のステップを踏んで最終的にスクラバーの使用を段階的に禁止するためにMARPOL条約を改正することを提案する。第1段階としては、新造船・既存船への新たなスクラバー搭載の禁止。第2段階としては、既存の開放型スクラバーを閉鎖型スクラバーに改修することを義務付け。第3段階としては、環境を保護すべき海域における閉鎖型スクラバーから抜き取られる排水の海洋投棄の禁止。第4段階として一定の経過期間を経て閉鎖型スクラバーの使用の禁止。
      • 原文 June 18, 2020, ICCT(長谷部正道)
    • 【6】BIMCO: 船員がすぐに利用できるメンタルヘルス支援情報を取りまとめ
      • 【6】パンデミックによる船員の移動規制によって、当初契約終了後も船内で勤務を続け、あるいは逆に自宅で待機を強いられている船員のメンタルヘルスを支援するため、BIMCOは船員が無料・迅速・直接に相談・利用のできる支援サービスの包括的リストを作成した。具体的には①Seafarer Help ②Mind Call ③Mission to Seafarers ④ICMA ⑤Sailors Society ⑥Radio Medio Norway ⑦Seahealth & Welfare ⑧Apostles of the Sea ⑨ISWAN Seafarer Centre Directory ⑩Seafarers International Research Centreなどの連絡先などがリストアップされている。
      • 原文 June 17, 2020, BIMCO(長谷部正道)
    • 【7】IMO: 6月24日に「船員の日」関連Webinarを開催
      • 【7】6月19日、IMOは6月25日の「船員の日」の前日(10:30)に「船員は基幹労働者」というテーマでWebinarを開催することを発表するとともに、IMO事務局長のメッセージを発表した。
      • 原文 June 19, 2020, IMO(長谷部正道)
    • 【8】英国政府が感染警戒レベルの引き下げを決定
      • 【8】ジョンソン首相は、感染警戒のレベルを5段階に分けて各レベルに応じた対策を講じる警戒システムの導入を5月10日に発表し、現状をレベル4(大規模な流行)と評価してきたが、6月19日にこれをレベル3(流行)に引き下げたことを発表した。しかし、政府の主席医務官らは、今回の決定は決して感染の流行が終わったことを意味するものではなく、今後も地域的な感染拡大は十分起こりえるとして、改めて警告を発している。また、警戒システムではレベル3の段階で徐々に規制緩和を開始することになっているが、政府はレベル4のまま店舗の再開など一連の緩和策を導入しており、警戒システムと政府のロックダウン緩和策との関係についても議論の余地がある。

        ※6/18の英国の感染者数:1,218人(日本46人の26倍、緊急事態解除基準47人の26倍)
        ※6/18の英国の死者数:135人(日本4人の34倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 June 19, 2020, BBC(若林健一)
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