2020/06/17LROニュース(7)

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  • 2020.06.17 UP
    2020/06/17LROニュース(7)
    • 【1】米海洋政策委員会がEEZの海洋地形図作成戦略等を発表
      • 【1】トランプ大統領は、2019年11月に大統領覚書を発出して、関連する連邦政府機関に対して、①同国EEZの海底地形図を作成するための国家戦略②特にアラスカ州の沿岸部の海底地図を作成するための戦略③海洋の研究開発に関する許認可手続きを合理化するための勧告を作成するよう命じた。これを受けて、米ホワイトハウスの科学技術政策局(OSTP)と環境品質評議会(CEQ)等によって構成される海洋政策委員会(OPC)が上記大統領覚書に対する作業結果を発表したところその概要は以下のとおり。①OPCは海洋大気庁(NOAA)と協力して、米国EEZ内で関係行政機関が実施する海底地形図の作成や開発に関する作業を調整し、新たな科学・海底地形図作成に関する技術開発を進め、公民連携(PPP)を立ち上げ、EEZの深海部分については2030年までに、沿岸部分については2040年までに海底地形図を作成するための国家戦略を作成した。②NOAA・アラスカ州・アラスカ地形図執行委員会は、アラスカの北極海沿岸部等の海底地形図を作成するための10年戦略を作成した。③OPCは海洋研究・地形図作成・地質調査などに関する連邦政府機関の許認可手続きの効率向上のための勧告を作成した。
      • 原文 June 11, 2020, The White House(長谷部正道)
    • 【2】国際運輸労連が雇用契約が切れた船員に就労拒否を呼びかけ
      • 【2】国際運輸労連(ITF)は国際海事雇用者協議会等の合同交渉団(JNG)と5月14日、世界の政府に対して、円滑な船員交代を支援するために、船員を基幹的な労働者と位置づけ、移動制限の対象から除外するなど所要の措置を6月15日まで取るように共同で要請し、同日経過後は船員の労働契約のさらなる延長には応じないことで合意した。6月12日には、国連事務総長も各国政府に同様の要請を行ったが、依然として、船員交代・帰国のための各国政府の規制の見直しが十分に実施されていないことを受けて、ITFは6月16日より、既存の労働契約が終了したまま、船内で継続して労働することを余儀なくされている船員に対して、就労を拒否することを呼び掛けるメッセージを6月15日発表した。船員が下船を希望する場合には、ITF検査官や支援労組はあらゆる支援を行うとともに、寄港国は海事労働条約に定める義務に従い、船員の帰国支援を実施すべきであるとITFの事務局長はコメントしている。
      • 原文 June 15, 2020, ITF(長谷部正道)
    • 【3】MSCが顧客に対してCarbon Offsetの選択肢を提案
      • 【3】MSCはMSC炭素中立計画の実現のために、同社の運航する船舶からのGHG排出削減を進めてきており、コンテナ当たりのGHG排出量をこれまでの最低レベルに抑えた最大級のコンテナ船を投入し、また代替燃料の研究・試験にも積極的に取り組んできている。こうしたGHG排出削減策に加えて、2019年から炭素中立実現のひとつの手段として、全世界でGHG排出削減事業を展開するSouth Pole社と連携して、いくつかの国においてcarbon offset事業を実施してきた。さらに、大手コンテナ海運会社としては初めて、同社の顧客の炭素中立化目標実現を支援するために、同社の顧客に対し、同社とSouth Pole社が連携して実施する2つのcarbon offset事業に資金的に貢献することにより、最も厳しく第3者によって認証されたcarbon creditsを取得する選択肢を提案することになった。
      • 原文 June 15, 2020, MSC(長谷部正道)
    • 【4】使い捨てプラスチック禁止に与えるパンデミックの影響
      • 【4】(論説)パンデミック・ロックダウンは、大気汚染の改善や交通混雑の緩和など環境に良い影響を与えた半面、食品持ち帰り容器の使用や、スーパーマーケットで再使用可能な袋の使用が制限されたことなどによって、使い捨てプラスチックごみの量を増加させた。コロナウィルスを取り巻く安全と衛生の問題は、一度制限された使い捨てプラスチック製品の使用を再度日常化させる危険性や、世界中で予定されていた使い捨てプラスチック製品の使用禁止を延期にするなど、プラスチック製品の段階的な廃止に与えた影響は大きい。また原油価格の低下やコロナ復興後は企業のコスト意識が厳しくなることもあって、割高なプラスチック代用品の導入は容易ではない。一方で、EUでは欧州委員会が発表した7500億ユーロ(約91兆円)のEU復興計画の新財源の候補の一つとして「使い捨てプラスチック課税」が検討されている。パンデミックが終息するまでは、使い捨てプラスチック製品への需要は減少しないが、関係業界や政府が連携して、使い捨てプラスチック使用停止に向けた新たな業界基準を作成することが肝要であり、素晴らしい事例として、Plastics Economy Global CommitmentやEnd Plastic Waste Allianceの活動などが注目される。
      • 原文 June 10, 2020, Freshfields Bruckhaus Deringer(植木エミリ)
    • 【5】コロナで加速される海事オンライン教育・訓練
      • 【5】(論説)パンデミックにより、海事訓練についても、本来もっと早く導入できたデジタル化・オンライン化が進んでおり、オンライン教育により、一方通行の講義ばかりではなく、自習や1対1の対面教育などを柔軟に組み合わせることができ、学習成果の検証も実施できる。こうした学習効率ばかりでなく、船員が訓練所に通う必要が無いので、交通費を始め、雇用者や船員にとってもコスト削減となり、また今後、オンライン教育提供事業者間の競争により更なるコスト削減も期待できる。オンライン教育では、講師が生徒と同じ場所にいる必要がないので、世界中から、適切な講師を揃えることが可能となる。USCGも船員資格の取得・更新にオンラインを取り入れており、2020年4月からUSCGの国家海事センターで従来実施されていた資格更新試験もオンラインで自宅から受験できるようになった。
      • 原文 June 15, 2020, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【6】InterManager等がシンガポール政府等の船員交代実務に抗議
      • 【6】船舶管理事業者の国際的業界団体であるInterManagerの事務局長は、シンガポール・UAE・カタールの政府を名指しで、円滑な船員交代の実施に非協力的であるとSNS上で激しく非難した。同事務局長は一方で、ハンブルグ・ベルリン・アバディーン・アムステルダムの各港湾当局に対しては、パンデミックの期間中も交代要員の移動を認めるなどの支援に感謝を表明した。シンガポール海事港湾庁は、6月12日に記者会見を行い、これまでに4千人以上の船員交代を実現したとPRしたが、船員交代を認めるために実務は極めて官僚的で、例えば、下船した船員は空港に直行しなくてはいけないが、このための許可申請を14日前に行わなければならないと言う厳しい制限が付されている。
      • 原文 June 16, 2020, Splash 247(長谷部正道)
    • 【7】英国の研究チームがステロイド薬「デキサメタゾン」の有効性を確認
      • 【7】英国政府は、オックスフォード大学の研究チームが主導するコロナウィルス感染症の治療薬の治験において、人工呼吸器を使用する重症患者にステロイド薬「デキサメタゾン」を投与したところ、死亡するリスクを3分の1減少させる効果を上げたと発表した。研究者によると、人工呼吸器を使用する重傷者の8人に1人の命を救うことができ、感染拡大当初から使用していれば5,000人もの命を救うことができたという。デキサメタゾンは非常に安価で既に関節炎などの治療で広く使用されていることから、感染者が多数発生し貧困を抱える国においても大きな効果が期待でき、政府は既に20万人分の在庫が確保されているとして国内の国民健康サービス(NHS)で早速使用を開始する。一方で、同治療薬は空気呼吸器などを必要としない軽症患者に対しては効果がないとされている。

        ※6/15の英国の感染者数:1,056人(日本76人の14倍、緊急事態解除基準47人の22倍)
        ※6/15の英国の死者数:38人(日本0人)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 June 16, 2020, BBC(若林健一)
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