2020/06/16LROニュース(7)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2020/06/16LROニュース(7)
  • 2020.06.16 UP
    2020/06/16LROニュース(7)
    • 【1】米海軍が中国に警告するためにインド・太平洋に集結
      • 【1】米国が中国によるコロナウィルス感染拡大への対応や、香港に対する支配や南シナ海での人工島の軍事拠点化を進める中国の動きに対して批判を強めるなか、米海軍は約3年ぶりに、セオドア・ルーズベルト、ニミッツ及びロナルド・レーガンの空母3隻がそれぞれ率いる3つの空母打撃群を同時にインド太平洋に展開させた。艦内での感染拡大により空母セオドア・ルーズベルトが2ヶ月以上にわたり停泊を余儀なくされるなど、コロナウィルスの影響による米軍の軍備力低下が懸念されていたが、米軍は今回の行動によりこうした懸念を払しょくし、中国に対して警告を発する狙いがあると見られる。米海軍によると、コロナウィルスの影響により必要な物資補給以外の目的での帰港は制限されるものの、各艦隊はインド太平洋において同盟国などと協力して訓練や巡回を実施していく。米国の国家防衛戦略では中国を最大の懸案事項と位置づけており、国防総省は成長を続ける中国の経済的な影響力や軍事力に対抗すべく、インド太平洋へより多くの戦力を移すべく取り組んでいる。
      • 原文 June 12, 2020, Navy Times(若林健一)
    • 【2】国連事務総長が各国政府に船員交代の促進・支援を要請
      • 【2】6月12日、国連事務総長(UNSG)が表記声明を発表したところ概要は以下のとおり。①多くの船員が、国際条約に定める最長乗船期間を超えて、船上で労働を継続することを余儀なくされ、一部には15か月も連続乗務している船員もいる。②こうした状況は人道上も船舶運航の安全確保上も危機的な状況にあると言え、パンデミック期間中、医薬品や食料品などの必需品を輸送し続ける海運業界の業務遂行にも大きな影響を与えている。③船員の努力失くしては、国際物流は機能せず、船員はいかなる支援も受ける資格がある。④船員の交代が安全に実施されるよう、UNSGとして各国政府に船員や他の海上輸送関係者を正式に「基幹労働者」と認定して、検疫や移動制限の対象外とすることを要請する。⑤現在、ILO・IMOをはじめとする国連の関係機関は、公衆衛生上の懸念も十分に考慮に入れながら、海運労使とともに、船員交代の安全な実施方法について策定作業を続けている。⑥長期間乗務を余儀なくされている船員が帰国し、交代要員が速やかに乗船できるように、合意された実施方法に基づき、全ての国連加盟国が船員交代の速やかな実現を直ちに支援するようUNSGとして要請する。
      • 原文 June 12, 2020, 国連(長谷部正道)
    • 【3】ICAO理事会: 民間航空分野のGHG削減基準年の見直しについて議論
      • 【3】国際民間航空機関(ICAO)は、2016年の総会で、2019年と2020年に民間航空事業から排出されるGHGの年間平均値を基準値として、2020年以降GHG排出量を増やさないことに合意した。しかし、2020年はパンデミックに伴う移動制限により、航空分野におけるGHG排出量は例年になく急減することが予想され、2019年の排出実績と平均しても、基準値が大幅に下がり、パンデミックの深刻な影響に苦しむ航空業界への大打撃となりかねないとして、航空事業者団体である国際航空運送協会(IATA)は、基準値を2019年の実績とするようICAOに提案した。仮にこの提案が承認されれば、航空業界は今後の回復状況にもよるものの、今後3-6年間は、GHG排出量が2019年の水準には達しないため、いかなるGHG削減努力もしなくて済むという見方もある。IATAによる提案の承認には、ICAOの36の 理事国のうち最低でも19か国の支持が必要で、米国とラ米諸国は既にIATAの提案を認めるとされている。EU内では意見が割れており、スウェーデンや欧州議会の環境委員会はこの提案に反対しているが、6月9日に開催された会合では、EUとしてIATAの提案を支持することが合意されたため、ICAO理事国である独・仏・伊・英・蘭・西・希・フィンランドは理事会でこの提案を支持することになる。ただし、仮にICAO理事会の過半数でIATA提案が承認されても、更にICAO総会での承認が必要となる。
      • 原文 June 9, 2020, Climate Change News(植木エミリ)
    • 【4】欧州船主協会・欧州運輸労連が共同でEU諸国に船員交代の促進を申し入れ
      • 【4】欧州船主協会(ECSA)と欧州運輸労連(ETF)はEUの保健担当大臣に船員交代を求める書簡を提出したところその概要は以下のとおり。①国際的な移動の制限・シェンゲン協定域内に入る査証の取得促進措置の欠落などによって、船員の帰国や交代要員が乗船するための障害となっている。②EU加盟国は、IMOの船員交代に関するガイドラインに従って、EU内の港湾において、速やかな船員の交代を支援し、船員が必要な治療を受けられるようにし、船員の上陸を認めるべきである。③IMOガイドラインの実施については、交通大臣・内務大臣とともに、保健担当大臣が政府内で中心となって調整を行ってほしい。④船員交代がさらに遅延すれば、船舶の運航の安全確保や世界の物流チェーンに悪影響を及ぼすばかりでなく、船員の安全・健康・メンタルヘルスに対し、深刻な影響を与える恐れがある。
      • 原文 June 12, 2020, ECSA(長谷部正道)
    • 【5】深海底に深海底潮流の作用でマイクロプラスチックが集積する場所を発見
      • 【5】特定の特徴を持つ海底とマイクロプラスチックの集積の相関性を調査するため、研究者達がイタリア沖のティレニア海の堆積物を採取したところ、大陸棚から深海底へのスロープからは、スプーン一杯程度の堆積物から9個のマイクロプラスチックが検出されたのに対し、大陸棚の堆積物からは平均41個のマイクロプラスチックが発見された。しかし、強い海底潮流が流れている付近の深海底の堆積物からは、今日までの調査で最大となる190個ものマイクロプラスチックが発見され、1㎡あたり190万個にも及ぶこのマイクロプラスチックの堆積は、海の表層の海流が太平洋ゴミベルトを作るように、深海潮流が作用していることが明らかになった。深海潮流はプラスチックだけでなく、深海底の生態系に重要な栄養素や酸素も運んでいることから、マイクロプラスチックの集積地が生物多様性に富む場所と重なる可能性も示唆されており、海底峡谷や扇状地といった海底の別のエリアの調査によって、別のマイクロプラスチック集積地が見つかる可能性も高い。
      • 原文 June 12, 2020, Science(植木エミリ)
    • 【6】南シナ海西沙諸島周辺で中国船がベトナム漁船に体当たり
      • 【6】ベトナム外務省によると、6月14日、西沙諸島のリンカーン島から8海里沖合の南シナ海において、ベトナム漁船1隻が艦番号4006と記された中国船から追跡されたうえ体当たりを受け浸水し、漁船の乗組員16名が総員退船するという事案が発生した。漁船の乗組員は中国船に救助され漁船も沈没は免れたが、中国船は漁獲物と漁船の装備品数点を没収し、乗組員に外国語で記された書類への署名を強制した。ベトナム外務省は中国政府に対して正式に抗議を行い、また、ベトナムの非政府組織Vietnam Fisheries Societyも声明で、今回のような事例はこれまでにも多数発生しており増加の一途をたどっているとして、ベトナムの漁師の安全を脅かすだけでなく漁獲高の減少により深刻な経済的損失を招いており、ベトナムの主権を侵害し、ベトナムの国内法や国際法に違反した行為であると批判している。中国は北緯12度以北の南シナ海に5月1日以降有効な禁漁期間を設定しているが、ベトナムやフィリピンはこれを批判しており、ベトナムにあっては一方的な禁漁期間の設定には従わないことを宣言している。
      • 原文 June 14, 2020, The Maritime Executive(若林健一)
    • 【7】英国のロックダウン緩和に対してWHOが警告
      • 【7】英国のイングランドでは、6月15日から公共交通機関でのマスクの着用が義務化され、生活必需品を扱わない店舗の営業も再開した。さらに、7月4日以降にはレストランやパブも営業を再開する予定であり、政府は現在2mの距離の確保を要請しているSocial Distancingについても緩和する方向で検討を開始した。しかし、世界保健機関(WHO)は、英国政府が新たに導入した検査・追跡システムが、開始後一週間で判明した新規感染者8,117人のうち約3分の1の感染者と連絡がとれなかった点を指摘し、英国は未だウィルスの感染が活発な段階にあり、検査・追跡システムが確実かつ有効に機能することが確認できるまでは、新たなロックダウンの緩和は実施するべきでないと警告している。

        ※6/14の英国の感染者数:1,514人(日本46人の33倍、緊急事態解除基準47人の32倍)
        ※6/14の英国の死者数:36人(日本1人の36倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 June 15, 2020, The Guardian(若林健一)
  • 資料閲覧 その他