2020/06/04LROニュース(7)

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  • 2020.06.04 UP
    2020/06/04LROニュース(7)
    • 【1】ロシアの砕氷LNG船が通常より2か月も早くNSR東航に成功
      • 【1】北極海北航路(NSR)の東の部分は、海氷が長く残存し、今までは、7月に入るまで砕氷船でも運航が困難であったが、ロシアの石油・ガス輸送海運会社のソヴコムフロト社が保有する砕氷LNG船が例年より2か月も早く、アトムフロトの原子力砕氷船の伴走支援を受けて、ヤマルLNGのサベッタ港から、NSR東端のデジニョフ岬まで、2563海里の航路を海氷に注意しながら、12日間かけて航行するのに成功した。
      • 原文 June 1, 2020, Sovcomflot(長谷部正道)
    • 【2】ロシアのノリリスクで20万トンのディーゼル油が河川に流出
      • 【2】5月29日、ニッケル鉱山で知られているロシアのノリリスクで、天然ガス発電所の補助燃料として備蓄されていた燃料タンクが破裂し、約2万トンのディーゼル油が近隣の河川へ流出し、緊急事態宣言が発令された。タンクが破損した正確な理由は現在調査中だが、永久凍土の融解によって、貯蔵タンクが沈下し破損した可能性が示唆されている。燃料油が流れ込んだ近隣の河川は、他の湖や河川を経由して北極海の一部であるカラ海へと流れ込んでおり、北極圏の生態系に大きな影響を与える恐れがある。
      • 原文 June 2, The Siberian Times(植木エミリ)
    • 【3】DNV GL: クルーズ業界向けに疾病予防管理措置に関する証明を開始
      • 【3】クルーズ船業界にとっては、旅客の安全確保は常に優先事項であり、パンデミックで事業を停止しているクルーズ船の船主や運航会社が、安全に事業を再開するのを支援するため、DNV GLは、対象のクルーズ船社が、疾病を適切に予防・管理・緩和し、旅客と乗員を保護するための適切な手順とシステムを持っていることを証明し、旅客と乗員に安心を与えるためのCIP-M証明制度を開発した。DNV GLは2008年から米国内の病院で4000件以上の疾病リスク管理に関する監査を実施しており、この実績と経験をもとに、同社のマイアミのクルーズセンターで、米国疾病予防管理センターの船舶衛生プログラムや米国連邦政府や業界が作成した海事関係の衛生基準を統合して、海事向けの疾病予防証明制度を開発した。CIP-M証明のための監査は、DNV GLの健康管理・疾病予防の専門家と経験を積んだ海事サーベイヤーが共同で実施する。
      • 原文 June 2, 2020, World Oil(長谷部正道)
    • 【4】欧州の水運の脱炭素化を進める新会社が発足
      • 【4】6月2日、ZES-Packsとして知られる交換可能なバッテリーコンテナを水運船にリースすることで、欧州の水運の脱炭素化を図るZero Emission Services(ZES)社の創設が発表された。ZESは、オランダの金融機関ING、フランスの電気ガス事業者のENGIE、フィンランドの舶用技術企業のバルチラとロッテルダム港湾庁による共同ベンチャー事業で、オランダ政府の支援を受けている。ZES-Packsを搭載した最初の水運用コンテナ船は、2020年中に同事業にも協力しているハイネケン社の醸造所があるアルフェン・アーン・デン・レインからムールデイク港まで就航することが既に決定しており、2021年までに更に5隻のコンテナ船が投入される予定。最初のZES充電施設も、アルフェン・アーン・デン・レインに建設され、欧州内で約20か所の充電施設が段階的に整備される。2つのZES-Packを搭載した船は充電なしに50-100kmの航海が可能であり、2030年までに150隻の水運船がZES-Packsを動力源として使用できることを目指す。燃料をディーゼル油からZES-Packsに転換すれば、一隻あたり年間1,000トンのCO₂排出を削減することが可能であり、大気中へ窒素や微粒子も放出しない。
      • 原文 June 2, 2020, ロッテルダム港(植木エミリ)
    • 【5】EUが自律運航船等を活用したモーダルシフトの研究に9億1500万円の支援
      • 【5】ノルウェーの海事研究組織であるSINTEF Oceanが中心となって、ノルウェー・デンマーク・フィンランド・独の4か国の12の企業と研究機関は、欧州の水運・内航海運の競争力を上げるために、船舶の自律運航化と港湾の自動化を進める3年間の研究事業であるAdvanced, Efficient and Green Intermodal Systems (AEGIS)を6月1日に立ち上げた、研究資金はEUのHorizon 2020研究・変革資金から750万ユーロ(約9億1500万円)の支援を受ける。AEGIS事業の目標は、EU域内の交通部門から排出されるGHG・騒音・大気汚染問題を緩和するために、水運・内航海運の競争力を上げて、トラックによる道路輸送から水上・海上輸送へのシフトを目指すものである。具体的には、以下の3つの事業が実施される。①事業AはNorth Sea Container Lineとノルウェーのトロンヘイム港が中心となり、欧州のハブ港湾であるロッテルダムから地域の内航ハブ港のトロンハイム港に輸送した貨物を、無人または自律の電動小型シャトル船で地域内の目的地まで輸送する事業。②事業Bは、DFDSが中心となって、欧州北部の港からRO-RO船でロッテルダム港等に到着した貨物を、炭素を排出しない小型自律運航船で、水路を使用して、フランダース地方の内陸部の目的地まで運ぶ事業。③事業Cは、デンマークのオールボー港とボアディングボー港が協力して、中小規模の港湾が自動化技術を活用して、積み替え輸送の効率化とフィーダー頻度の上昇を図り、RO-RO輸送に負けない、内航海運と鉄道を結合する環境にやさしい物流事業。
      • 原文 June 3, 2020, Hellenic Shipping News(長谷部正道)
    • 【6】欧州委員会がフィンランド政府の海事企業に対するコロナ救済策を承認
      • 【6】フィンランド政府は、同国の海事企業に対するコロナ救済策として、総額6億ユーロ(約732億円)の政府債務保証を行うことにつき、欧州委員会の競争当局に対して、承認を求めていたが、欧州委員会は「国家助成に関する暫定的な枠組み」規則に従い、申請を承認した。海事企業に特化したコロナ救済国家支援としては、欧州委員会が承認した初めての事例となる。今回の政府保証の目的は、パンデミック期間中、フィンランドの物流網を維持するために欠かせない役割を果たした海運企業が、雇用維持と事業継続を図るために、手元流動性の確保を支援するもの。欧州委員会は、今回申請のあった債務保証制度が、「暫定枠組」の定める①政府保証の範囲が、対象企業が近い将来に必要となる手持ち流動性の範囲に限定されていること。②政府保証の申請期間は2020年末までに限定されていること。③政府保証の期間は最大で6年間以内であること。などの条件に合致しているとして承認した。
      • 原文 May 28, 2020, 欧州委員会(長谷部正道)
    • 【7】英国議会下院で議員が投票に長蛇の列を作る
      • 【7】英国議会下院はコロナウィルス感染防止策として4月中旬から一部の議員にテレビ会議システムを使用して質疑や投票を行うことを5月21日まで認めてきたが、休会明けの6月以降は、医療や公衆衛生上の理由により議場に出席できない議員に限り引き続きテレビ会議システムでの出席が認められる。しかし、投票は認められないことに対して差別的な措置であるとの批判や、可能な限り在宅勤務を要請している政府の方針に反するとの声があがっている。また、子どもを世話しなければならない場合でも出席を求められることや、長距離の移動が感染を広めるリスクがあることを懸念する声もある。6月2日に行われた投票では、議員が社会的距離を確保しつつ議場の外から議長席まで長蛇の列を作り投票に長時間を要したことなどから、一部の議員からは馬鹿げており危険だとの声も聞かれた。
        ※6/2の英国の感染者数:1,613人(日本37人の44倍、緊急事態解除基準47人の34倍)
        ※6/2の英国の死者数:324人(日本2人の162倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 June 2, 2020, BBC(若林健一)
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