2020/05/27LROニュース(8)

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  • 2020.05.27 UP
    2020/05/27LROニュース(8)
    • 【1】ホワイトハウスが米議会に中国に対する戦略に関する報告書を提出
      • 【1】5月21日、トランプ政権は2019年米国国防権限法(the National Defense Authorization Act 2019)が求める政府の包括的な対中国戦略を記した報告書(United State Strategic Approach to the People’s Republic of China)を議会に提出し、中国は黄海、東シナ海、南シナ海、台湾海峡及びインドとの国境線において近隣諸国に対し挑発的で高圧的な行動を展開して現状の変更を試みており、これは国際貿易の規則のみならず国家の主権や領土の保全を尊重する世界秩序に対する危機であると指摘した。また、中国は外国企業の情報へのアクセスを可能とするサイバーセキュリティー法などの不公平な規則を用いて、世界の情報通信技術を支配しようと試みているとも述べた。中国との戦略競争を制するためには、米国の対中国戦略について国益や価値観を共有する多くの国との協力関係を構築する必要があるとして、日本の「自由で開かれたインド太平洋」など同盟国の戦略とも協調しつつ取り組んでいるとも強調した。さらに軍事的要素の強化の必要性についても言及している。
      • 原文 May 22, 2020, Indian Express(若林健一)
    • 【2】欧州委員会が船舶からのCO₂排出量に関する初めての報告書を発表
      • 【2】欧州委員会は5月25日、海上輸送からのCO₂排出量に関する最初の年次報告書を公表したが、その概要は以下のとおり。①EU MRV規則(Regulation(EU)2015/757)に基づき、2018年から商業的に貨物・旅客を輸送し、EEAの港湾に出入港する5000GT以上の船舶は、航海中のCO₂排出量・燃料使用量等の関連情報を記録し、船級協会の検証を経たうえで、欧州委員会に報告することが義務付けられている。②今回、世界の5000GT以上の船舶の38%にあたる11,600隻から報告があったが、2018年に当該船舶から排出されたCO₂の総量は1億3,800万トンを超え、欧州環境庁(EEA)のGHG排出統計によると、2018年のEU全体のCO₂排出量の3.7%を占めていた。③船舶からのCO₂排出量のうち、EU域内の海運活動によるCO₂排出量の比率は全体の32%、EEAの港湾内でのCO₂排出量の比率は全体の6%だった。③船種別では、コンテナ船からのCO₂排出量は全体の3割以上と最大の割合を占めていた。④多くの船舶は、2020-2025年に適用される世界のエネルギー効率の指標を既に達成していた。また船舶の大多数は、2008年の実績比で15-20%船の速度を落として航行しており、エネルギーと燃料の節約およびCO₂の削減に貢献していた。
      • 原文 May 25, 2020, 欧州委員会(植木エミリ)
    • 【3】持続可能な海洋経済ハイレベル・パネル: 「統合的な海洋管理」報告書
      • 【3】2018年9月に、ノルウェーの首相やパラオの大統領が中心となって、日本の安倍首相を含む14か国の首脳によって、「持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル(HLP)」が創設され、持続可能な海運経済に関する様々な課題について報告書(Blue Report)を発表してきたが、HLPは5月20日「統合的な海洋管理(Integrated Ocean Management: IOM)」の必要性について報告書を発表し、IOMを改善して世界的な海洋統治(Global Ocean Governance)を強化するための6つの方策を提言しているところその概要は以下のとおり。①科学と知識の活用:政府間海洋学委員会の功績を基に「国連持続可能な開発のための海洋科学の10年」の期間中に海洋科学に関する国際協力をさらに発展させる。②PPPの創設: 必要な技術開発を進めるために、Public Private Partnership (PPP)を活用して、産業界の関与を強化する。③地域住民の参加の強化:政府は、IOMを計画し実施する全ての過程に地域住民を積極的に参加させる。④人材育成の強化:他の地域におけるIOMに関する経験とベストプラクティスを他の地域におけるIOMに関する人材育成に活用する。⑤法令の遵守:国際法と国内法をきちんと遵守し、公海上における活動の管理に関する規制は、関連する国内法との整合性を図るとともに、国内法と同様にきちんと適用されるべき。⑥適応力に優れた解決策:陸上と海洋の連結性と相違点につき、統合的・柔軟に対処する。海洋統治にあたっては、気候変動に関する知見を活用して海洋環境の変化を十分に配慮する。
      • 原文 May 20, 2020, 海洋パネル(長谷部正道)
    • 【4】IMO/GIA: 船舶からのCO₂排出抑制を港湾サイドから支援
      • 【4】船舶からのCO₂排出を削減するために、IMO主導で結成されたGlobal Shipping Alliance (GIA)は、5月14日からオンラインで21名の業界代表とIMO事務局が参加して、タスクフォースを開催し、現在進行中の事業と2023年までの事業目標について討議したところ、合意内容の概要は以下のとおり。①代替燃料やエネルギー効率化技術の効果に関する検証といった現在継続中の事業を引き続き実施し発展させる。②「船舶と港湾の接点においてCO₂の排出を削減するための総合的な取り組み」を生み出す新たな事業を実施する。③具体的には、船舶からのGHG排出量を削減するため、岸壁から船舶への陸上電源の供給や船舶への安全で効率的な代替燃料の供給など、港湾側から規制面・技術面・運用面・経済面での支援を行う。③この新しい事業は、これまでにGIAが取り組んでいた「船舶のジャストインタイム到着」事業の延長として実施する。④IMOとノルウェー政府の共同技術協力事業であるGreen Voyage 2050にGIAとしてどのように貢献していくか。特に同事業のモデル実施国となる途上国において、環境技術のデモンストレーションや試験を実施するにあたり、どのようにGIAが側面支援できるか検討された。なお、IMOの広報ページは個々の記事を個別に取り扱わずに、次から次へと張り合わせるだけなので、以下のリンクに行ってからスクロールダウンし、5月19日付の本件広報を参照してください。
      • 原文 May 19, 2020, IMO(長谷部正道)
    • 【5】シンガポールMPAが船員交代を認める範囲を拡大
      • 【5】シンガポール海事港湾庁 (MPA)は、同国船主協会・同国船舶職員組合・同国船員組合と協議の結果、船員交代が認められる範囲を以下のとおり拡大した。①船員契約が失効した場合②交代の船員を確保して、船員が下船しても船舶の安全な配乗に影響がない場合③船舶の売買に伴い船員の交代が必要な場合④船舶の運航にあたる船員以外の管理者や機器の保守管理要員。具体的な下船時の要件としては、①下船する前の14日間上陸はせず、当該期間中船内で健康だったこと。②同国の医療機関が発効した「旅行可能証明書」を提出すること。③雇用契約が失効し、或いは船上の勤務に堪えないこと、船舶が売却されたことなど、それぞれの要件を証明する証拠を提出すること。具体的な乗船時の要件としては、①交代要員が出身国で、出発の前の14日間検疫隔離され、当該期間中健康だったこと。②出身地を出国する前の48時間以内に実施されたPCR検査陰性証明書を提出すること。④出身地を出国する前の24時間以内の診断に基づく「旅行可能証明書」を提出すること。
      • 原文 May 22, 2020, MPA(長谷部正道)
    • 【6】IG P&I: 米の対イラン制裁違反行為に関するガイダンスに対しコメント
      • 【6】5月14日、米国はイラン・シリア・北朝鮮に対する制裁措置違反としてみなされる行為に関するGlobal Maritime Advisory (GMA)を発出したが、IG P&IはこのGMAに対するコメントを5月22日公表したところ、その概要は以下のとおり。①このGMAは、海上保険を含む様々な海事関連産業の活動が制裁違反とみなさるか否かの基準を定めようとするもの。②(米国から制裁対象となる船舶に関する情報の提供を求められたとしても)、監督当局からの命令を受けずに、P&I Clubや船主が任意に情報を提供した場合、情報保護法や競争法違反に問われる可能性があることに注意する必要がある。③特に、米政府は船主に対して、第3者に貸渡した場合も含めて、所有する船舶のAIS情報をモニターし、SOLAS条約に従い常時適正に使用され、電源を切ったり不正な操作がされていないか監視することを期待し、さらに旗国のみが利用できるLRITの情報の提供まで求められることとなると大きな問題である。④米国は以上の例からもわかるように、船主やClubがGMAに従った要請にこたえることが、現実的には難しく、或いは他の法律上の義務に抵触する恐れがある場合があることを理解するべきである。
      • 原文 May 22, 2020, IG P&I(長谷部正道)
    • 【7】ICAO/ILO/IMOが船員や航空機乗務員の移動の促進について共同声明
      • 【7】5月26日、国際民間航空機関(ICAO)・国際労働機関(ILO)・IMOの事務局長は、共同声明を発表して、船員・海事関係者・漁船員・オフショアエネルギー事業に従事する労働者・航空関係者・航空貨物関係物流労働者・港湾/空港関係労働者を「基幹労働者(key worker)」と位置付けて、コロナウィルス対策としての移動制限の対象から除外するように、各国政府に改めて要請した。人道上の要請や安全・労働面での国際規制を遵守するためにも、これ以上無期限に乗員の交代を延期することは出来ず、各国政府に、今月交代する必要のある15万人の船員の交代や、世界的な物流チェーンの確保、人道・医療・救援物資の輸送の確保を支援・促進するよう呼び掛けている。
      • 原文 May 26, 2020, ICAO(長谷部正道)
    • 【8】生活必需品を扱わない商店なども6月15日から営業再開
      • 【8】ジョンソン首相は5月25日の記者会見で、コロナウィルスの感染状況によるとしつつも6月15日からイングランドにおいて生活必需品以外を扱う商店の営業を再開させることを発表した。また、屋外の市場や自動車のショールームも6月1日から営業が再開できることになっている。しかし、営業を再開する店舗は政府が発表しているガイダンスに従う必要があり、店舗内においても社会的距離の確保が求められ、入店できる人数の制限や客が商品を手に取って確認するといった行為も避けなければならないなど、コロナウィルスの感染が拡大する以前とは大きく違った状況になる。
        ※5/25の英国の感染者数:1,625人
        (日本42人の39倍、緊急事態解除基準47人の35倍)
        ※5/25の英国の死者数:121人(日本10人の12倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 May 26, 2020, BBC(若林健一)
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