2020/05/22LROニュース(8)

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  • 2020.05.22 UP
    2020/05/22LROニュース(8)
    • 【1】コロナ対策としてのロックダウンの影響で2020年のGHG排出量は減少
      • 【1】5月19日、東アングリア大学の研究者達がNature Climate Change誌に発表した、パンデミックが世界のCO₂排出量に与えた影響に関する研究によると、ロックダウンにより、エネルギーの使用量とCO₂の排出量は大きく減り、ピーク時にはCO₂の排出量が各国平均で26%減少していたことが分かった。この結果、ロックダウンの期間と様態にもよるものの、2020年の世界のCO₂排出量は4.2%から7.5%減少すると見込まれている。EUと英国の合計では、5.1%から8.5%の減少が見込まれ、第二次世界大戦中と1930年代の世界恐慌時に年間10%以上減少して以来最も大きな減少幅となる見込みである。しかし、これらの減少は一時的なものであり、各国政府が経済活動や人の移動への制限を緩和すれば、social distancingなどの国民の行動様式の変化がどれだけ続くかにもよるが、世界のCO₂排出量は再び上昇すると研究者達は懸念している。一方で、ロックダウン中のCO₂減少量の半分が航空以外の交通量の減少によるものだったことから、通勤手段として徒歩や自転車を活用することが、将来的なCO₂削減に貢献し、パリ協定の目標を達成するために有効な手段であることも明らかになっている。
      • 原文 May 19,2020, POLITICO(植木エミリ)
    • 【2】欧州委員会:コロナ復興対策として許容できる海運に対する国家助成の基準
      • 【2】表記欧州委員会の非公式作業文書を入手したところそのさわりは以下のとおり。(とても要約しきれないので興味のある方は原文を参照してください。)①海運の分野では、いくつかの加盟国において、旅行制限によって、フェリーの旅客収入が減って、重要な物流ルートを担っているフェリー会社の経営が厳しくなっている。②政府の救済策としては、海運会社・ターミナルオペレーターに対する補助金・融資・債務保証・税の減免/支払い猶予・港湾施設利用料金の減免/支払い猶予等の救済策が考えられるが、その条件(理屈付け)として、コロナウィルスの影響で商業的には提供ができなくなったサービスの代わりに、支援を受ける企業が「公共的輸送業務を実施する義務(Public Service Obligation)」を設定し、あるいは「公共サービス契約(Public Service Contract)」を緊急に締結する必要がある。③このような公共的な輸送サービスは、離島地域や遠隔地域等へ生活必需品等の物資を輸送する基本的な需要があり、コロナウィルスの影響下で、事業者が商業的に輸送できる量と「公共的に輸送する必要がある需要量(Public Service Needs)」との格差を輸送するための補償として企業に支払うことができる。
      • 原文 May 19, 2020, 欧州委員会(長谷部正道)
    • 【3】イランからベネズエラへの石油輸送に対する米国の選択肢
      • 【3】現在5籍のイラン籍タンカーが石油をベネズエラに向け輸送中であり、これを制裁に対する必死の抵抗あるいは明らかな挑発行為として受け取る可能性が高い米国が取り得る3つシナリオについて考察した。第一に、米国がイランの石油輸送を妨害し、イランが中東において報復行動にでるというシナリオであるが、コロナウィルス対策で批判を受けているトランプ政権は大統領選挙も控えており、また、薬物対策の名目で艦船をカリブ海に展開し、5月16日にはベネズエラ軍部隊を国際テロ組織に指定することを検討していると発表しており、現実的にあり得ると考える。第二に、米国がイランの石油輸送を認めるというシナリオであるが、現在のベネズエラの情勢を踏まえれば今回のイランの石油輸送を人道支援と捉えることもでき、米国が妨害を行えば国際社会から非難を浴びる可能性もあることから、現実的にあり得ると考える。ただし、トランプ政権の国際的な基準や制度を軽視する態度はこれに影響されない可能性もある。第三に、イラン及びベネズエラ両国が米国の対応を恐れ、荷揚げを中止するか、中立的な第三者に輸送先を変更するというシナリオであるが、これは、双方が非公式な交渉を重ね瀬戸際戦術やかなりの外交的譲歩が必要となるため、米国の両国に対する強い反対姿勢を考慮すると可能性は低いと思われる。
      • 原文 May 20, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【4】欧州委員会:EU生物多様性戦略2030を決定
      • 【4】欧州委員会は5月20日、自然を保護し、生態系の縮小を防ぐための包括的で長期的な計画であり「EU生物多様性戦略2030」と戦略実施のための行動計画を決定した。この戦略は、今後開催される2020年以降の世界的な生物多様性の枠組に関する国際交渉においてEUの貢献として提案される予定だが、具体的な対策の概要は以下のとおり。①既存の保護区であるNatura2000の区域を基に、高い生物多様性を有し、気候変動の影響を受けやすい陸域・海域を厳重に保護するEU全体のより広い保護区を設定する。②生物多様性が縮小している地域を対象に、その損失の原因に対処し持続可能な管理を行い、2030年までに生物多様性を回復するための具体的な「EU自然回復計画」を策定する。③生物多様性条約に従い、世界的に野心的な生物多様性の枠組を創設するにあたって、EUがリーダーシップを発揮していくことを示すため、世界的な生物多様性に対する課題を解決するための施策を実施する。
      • 原文 May 20, 2020, 欧州委員会(植木エミリ)
    • 【5】地球温暖化によりハリケーンが強力化していることを衛星観測で実証
      • 【5】5月18日、米国海洋大気局(NOAA)の研究者達がPNASに発表した研究によると、今まで様々な仮説やコンピューターモデルにより、地球温暖化によってハリケーンがより強く破壊的になることが示唆されてきたが、過去40年間にわたる衛星観測情報を分析したところ、これらの仮説が実証された。研究では、1979年から現在までの衛星観測情報を分析し、その結果、地球温暖化はハリケーンが風速110マイル(約49.2m/s)を超えるカテゴリー3以上に発達する確率を10年間で約8%ずつ高めていたことが分かった。物理学上の理論や、気候シミュレーションによって、温暖化が進むとハリケーンやその他の熱帯低気圧が強くなると長年に渡って言われており、今回の研究はそれを裏付ける結果となったが、この研究に参加していないマサチューセッツ工科大学のハリケーンの専門家は、ここ数十年で活動が増加し、米国やカリブ海諸国に莫大な被害を与えている大西洋北部のハリケーンの強大化には、地球温暖化以外の要因も関与している可能性が高いと指摘している。
      • 原文 May 18, 2020, The NY Times(植木エミリ)
    • 【6】海洋プラスチックごみ等の廃棄物から衣料品を製造販売
      • 【6】スペインのEcoalf社は、海から回収したペットボトルや古い漁網から取ったナイロン、廃棄された絨毯や衣料品、中古のタイヤといった廃棄物から衣服などの繊維製品を製造しており、これまでに2億本以上のペットボトルや80トン以上の漁網をリサイクルしている。同社は、廃棄物のリサイクルだけでなく環境汚染の防止にも取り組んでおり、2015年にEcoalf基金として「スペインの海のUpcycling(単なるリサイクルではなくより高い価値の物を生み出すこと)」キャンペーンを実施し、同国内の40の漁港で3000人以上の漁民に廃棄する漁網やナイロンを海に投棄する代わりに回収する手段を提供した。また過去5年間で500トン以上のプラスチックや廃棄物を海から回収している。2017年からは、タイでも同様の活動として現地の観光局や同国最大の石油化学企業と連携して、プーケット島などの観光地の美化を行っており、今後ギリシャ・イタリア等の地中海地域における活動の拡大も計画されている。
      • 原文 May 6, 2020, 欧州投資銀行(植木エミリ)
    • 【7】IMO: IPCSAが作成のPost COVID-19ガイダンスを回章
      • 【7】5月12日、国際港湾コミュニティシステム協会(IPCSA)は「COVID-19後の運営の準備:港湾コミュニティシステム・シングルウィンドウ等の電子情報交換プラットフォームに関する現実的な考察」と題するガイダンスを公表したが、このガイダンスを受け取ったIMOは5月21日、加盟国等に回章(Circular Letter No 4204/ Add.17)したところ、ガイダンス本文は以下のリンクを参照。
      • 原文 May 12, 2020, IPCSA(長谷部正道)
    • 【8】英国統計局:イングランドでは毎週6万人がコロナウィルスに感染
      • 【8】ジョンソン首相は20日の国会答弁で、1日当たりのコロナウィルス新規感染者数は約2千4百人まで減少しており、公衆衛生局の検査結果は今やロンドンではウィルスは相当少ない状態にあることを示していると述べた。しかし、英国統計局は、5月4日から17日までを対象に実施した調査結果を公表し、イングランドでは1週間当たり6万1千人が新たにコロナウィルスに感染しており、4月27日から5月10日までを対象に実施した調査結果と比較してもわずかに減少した程度で、イングランドにおけるコロナウィルス感染者数にはほぼ変化がないと解釈すべきとしている。
        ※5/20の英国の感染者数:2,472人(日本31人の80倍、緊急事態解除基準47人の53倍)
        ※5/20の英国の死者数:363人(日本8人の45倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 May 21, 2020, Evening Standard(若林健一)
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