2020/05/20LROニュース(7)

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  • 2020.05.20 UP
    2020/05/20LROニュース(7)
    • 【1】海洋プラスチックごみ発生の原因は都市ごみ管理の不備とタイヤの損耗
      • 【1】欧州委員会環境総局の5/18付ニュースレター「環境政策のための科学」で海洋プラスチックごみについて取り上げているところその概要は以下のとおり。①プラスチック廃棄物による海洋汚染はますます進行しており、2050年までに海洋プラスチックごみの総量は重量比で魚類の総量を超えるとの見積もりも出ている。②海洋プラスチックごみ削減のため、EUではストロー・食器などの使い捨てプラスチック(SUP)製品の一部は2021年までに販売等が禁止される。また、預り金払い戻し制度などを利用して、SUP飲料ボトルの回収率を2029年までに9割に引き上げる目標も設定されている。③2015年には、世界で約3億2千万トンのプラスチックが生産され、920万トンがごみとして環境へ排出されたが、うち300万トンはマイクロプラスチックが占めていた。④プラスチックごみを発生源別で見ると、固形プラスチックごみの排出は、低・中所得国における都市ごみの不始末によるもので、その総量は固形プラスチックごみ全体の620万トンのうち約400万トンにものぼった。④一方マイクロプラスチックの主たる排出源は、自動車が道路走行中にタイヤと道路が摩耗することで生じるタイヤや路面表示のカス等であった。⑤プラスチックごみが発生するタイミングとしては、一般的にマイクロプラスチックの約9割は製品の使用中に発生するが、固形プラスチックごみの77%は、主にごみの収集・管理過程で発生し、13%は消費者によるごみのポイ捨てによるものだった。
      • 原文 May 18, 2020, 欧州委員会(植木エミリ)
    • 【2】中国:ジプチの基地を巨大要塞化
      • 【2】中国海軍はジブチに建設した基地について、西側諸国がアフガニスタンやイラクで使用しているヘスコ防壁(金網式の土嚢)に鉄条網を施し周囲を囲い、その内側に銃眼付きの強固なコンクリート製の壁を築き、車両の検問所や車両バリアを設けるなど周囲に何重もの防御措置を施して、他の紛争地域でもみることがない程に要塞化を進めている。基地の海側から侵入を試みるにも何重ものフェンスや検問所を切り抜ける必要がある。同基地には機関砲や対戦車ミサイルを備えた武装車両もあり、仮に同基地を攻撃すれば基地に駐屯する海兵隊の反撃を受けることになるであろう。同じジブチにある米海軍の基地も防御措置を施しているがこれ程ではない。中国の基地がアフガニスタンやイラクにおける西側諸国の基地のように直接攻撃を受けたことはないが、明らかにそこから教訓を得たものと思われる。
      • 原文 May 18, 2020, Asia Times(若林健一)
    • 【3】ECSA: 欧州海運企業は売り上げ・雇用・投資でコロナの大きな影響
      • 【3】5月18日、欧州船主協会(ECSA)が、海運企業に対して、コロナウィルスの影響調査を行った結果を発表したところその概要は以下のとおり。①タンカー部門を除き、他の全ての部門、なかでもフェリー・クルーズ・自動車運搬船・オフショアサービス船の部門が最も大きな打撃を受け、売上高は6割以上減少している。②この結果、雇用されている船員・陸上職員数も減少しているが、各国の雇用支援策は陸上職員と自国籍船員には適用できるが、外国人船員は蚊帳の外に置かれている。③手元流動性の確保に関する政府や地方自治体の支援策は十分でなく、海運企業には適用されない場合が多く、適用されても銀行が適用を渋り、適用のための手続き的な負担やコストが大きい。④回答企業の半分以上はパンデミック以前の状態に雇用を戻せると回答したが、船舶からのGHGの削減等のための投資については、44%の企業が投資計画を中止し、30%の企業も投資規模を縮小すると回答している。
      • 原文 May 18, 2020, ECSA(長谷部正道)
    • 【4】今年に入って増加する海賊事件にコロナウィルスが拍車をかけるか?
      • 【4】アデン湾における国際的な枠組みでの艦船による活動や海運業界をあげての努力などにより、船舶の乗っ取り事件を含む世界で発生する海賊事件の件数は近年徐々に減少し、2019年には25年ぶりに最小件数を記録した。しかし、2020年1月からの3カ月間に世界で発生した海賊事件の件数は前年同期と比較して24%増加している。さらに、コロナウィルスの感染拡大が経済に与える影響により、財政が厳しい国の政府は対策が難しい状況にあり、貧困や失業により海賊行為等に及ぶ市民が出現することや、輸送ニーズの減少により船会社が武装警備員の警乗やその他の海賊対策に費やすことができる費用が減少することなどが想定され、今後数カ月あるいは数年間にわたり状況がさらに悪化することが懸念される。今年4月には、南米エクアドルのグアヤキル港で8人の武装した賊がコンテナ船に乗り込み搭載していたコンテナから貨物を奪う事案が発生しているが、これは事前に同船の航海計画や貨物などの内部情報を得たうえで犯行に及んだものと見られている。
      • 原文 May 15, 2020, 世界経済フォーラム(若林健一)
    • 【5】フロン代替物質が残留性有機汚染物質を形成することが判明
      • 【5】モントリオール議定書は、地球のオゾン層を破壊するフロンガス(CFCs)の製造等を禁止しているが、フロン代替物質が大気中で酸化するとscPFCAsと呼ばれる物質に変化する。scPFCAsは、拡散性が高い有機汚染物質であり、永久に分解しないため「永久化学物質」とも言われ、植物や無脊椎動物に対しての毒性も明らかになっている。カナダ・アルバータ大学のカナダ氷柱研究室(CICL)の研究者たちが、カナダ高緯度北極圏のDevon Ice Capから採取した氷床コアを分析したところ、フロン代替物質が使用され始めた1986年以降から2014年の間に、氷に含まれるscPFCAsの濃度が10倍になっていたことが分かった。また採取された氷床コアからは、scPFCAsと同様の残留性有機汚染物質(POPs)として、国際条約で製造等が制限されているフッ素海面活性剤PFOSも経年的に多く蓄積されていることが分かった。研究者は、化学物質の製造等の禁止および代替物質の使用を決定する際には、当該化学物質が自然界でどのような物質に変化するかを理解し、包括的に検討する必要があるとしている。
      • 原文 May 14, 2020, Science Daily(植木エミリ)
    • 【6】イラン: ベネズエラに航行中のイラン籍タンカーに対する米軍の行動を牽制
      • 【6】現在5隻のイラン籍タンカーが合計21万トンのガソリンを積載して南米のベネズエラに向け航行しているが、両国の石油関連事業は米国による厳しい制裁の対象となっており、また、先週には米国政府がイラン、北朝鮮及びシリアを対象とする制裁に関して制裁逃れに加担しないよう各国の海運業会等に対して注意を呼び掛けている。イラン政府は、本件はベネズエラとの適法な貿易でありこれを邪魔する行為は自由な海上運送や国際貿易への脅威であると述べ、仮に米国が5隻のタンカーに対して何らかの行動に出た場合は即座に断固たる措置をとり、その結果生じる責任はすべて米国にあると警告した。
      • 原文 May 18, 2020, S& P Global(若林健一)
    • 【7】英国での死者数が約4万3千人に達したとの調査結果
      • 【7】5月19日に英国統計局が公表した調査結果をもとに集計すると、これまでに英国全体でコロナウィルスが原因で死亡した人の数は約4万3千人に及んでおり、また、3分の1以上のケアホームでコロナウィルスの感染が確認され、ケアホームでの死者数は5月8日時点で1万人を超えている。さらに、3月中旬から5月8日までのすべての死者数が平均より5万5千人多いという結果も出ており、検査体制の導入や医療従事者への感染防止装備の供給の遅れ、ケアホームへの対策の失敗を指摘する野党がジョンソン政権への圧力をさらに強めるものとみられる。

        ※5/18の英国の感染者数:2,711人(日本28人の97倍、緊急事態解除基準47人の57倍
        ※5/18の英国の死者数:160人(日本5人の32倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、一日当たり約47人となる。
      • 原文 May 19, 2020, Reuter(若林健一)
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