2020/04/23LROニュース(7)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2020/04/23LROニュース(7)
  • 2020.04.24 UP
    2020/04/23LROニュース(7)
    • 【1】 欧州気候法(欧州議会議員説明資料)
      • 【1】今後欧州議会において審議が開始される欧州気候法(European Climate Law:ECL)の議員向け説明資料を入手したところ法案の概要は以下のとおり。①3月4日、欧州委員会は2050年までの気候中立(炭素中立)を実現することを目的とし、当該目的を実現するための枠組として、ECL法案を採択した。②欧州委員会は、2050年までの気候中立の実現という新たな目標に合わせて、現在作成されている2030年までのGHG排出削減目標を見直し、2030年までにGHG排出量を50%から55%削減するという選択肢を検討し、必要に応じて新たな2030年までの排出削減目標を提案することが義務付けられている。③欧州委員会には、2030年から2050年にかけて、どのようにGHG排出を進めていくかについての段取りを決める権限も付与される。EUの関係機関及び加盟国も、GHG排出削減の全体目標に合わせて、それぞれGHG排出削減計画を策定する必要がある。④パリ協定の5年毎のNDCs見直し周期と合わせて、欧州委員会も目標の達成状況と、EUと加盟国の施策の一貫性を見直さなければならない。⑤定期的な見直しの結果、欧州委員会は必要に応じて政策を修正し、GHG削減のための全体目標と加盟国の施策に整合性がない場合は、加盟国に対し是正勧告を行うことができる。
      • 原文 April 20, 2020, 欧州議会(植木エミリ)
    • 【2】 原油価格の暴落を踏まえ、荷主等が海運会社にBAFの見直しを要求
      • 【2】船舶に対する燃料補給のためには、燃料の貯蔵や燃料を補給する艀のコストもかかるので、船舶燃料価格は、原油価格のようにいきなりネガティブ価格にはならないにしても、例えば、規制適合LSFOの価格は、トン当たり200ドル(約21500円)とIMO 2020規制が始まった1月1日時点の価格と比べると約1/3にまで減少している。一方で、海運会社は依然として燃料価格暴落前に算定された燃料価格調整係数(BAF)やIMO 2020サーチャージを運賃に上乗せしており、荷主やNVOCCは海運会社に対し、BAFの見直し・撤廃を求めている。BAFがマイナスになった前例は、2009年の国際金融危機の時に在り、マースクがアジア=米国西岸航路で40ftコンテナ1個あたり120ドル(約12900円)のマイナスBAFを導入している。
      • 原文 April 22, 2020, The Loadstar(長谷部正道)
    • 【3】 ReCAAP週間海賊報告書(4月14日から20日まで報告分)
      • 【3】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)に、4月14日から4月20日まで通報された事件は、重要度4(賊は武装せず、乗組員の負傷なし)の海賊事件が1件、重要度3(賊は武装するも、乗組員の負傷なし)の武装強盗事件が1件及び重要度4の武装強盗事件が2件であったが、その概要は以下のとおり。①4月16日午前8時、インドネシアのアナンバス島の南西約40海里を航行中の大型タンカー(VLCC)の船長が、立入制限区域の鍵が壊され空気呼吸器用の空気圧縮装置とその予備品が盗まれているのを発見し、船内を捜索したが賊は見当たらなかった。②4月14日午前2時48分、マニラ国際コンテナ埠頭の西約4海里に錨泊していたコンテナ船で乗組員が右舷側に無灯火の小型艇を認めたことから船首甲板の確認に向かったところ、刃物で武装した賊を発見したが賊はホースパイプを伝って小型艇で逃走した。船内を確認したところ、空気呼吸器等が盗まれているのが確認された。③4月18日午後11時54分、インドのアラン沖で解体作業を待つためにタグボートに曳航されていた無人のタンカーに小型艇から複数の賊が乗船し、船の備品を奪って逃走した。④4月16日午前1時、インドネシアのバタム島の北約3.2海里のシンガポール海峡東航レーンを航行中の貨物船の後部甲板で3人の賊が目撃され、船長が警報を作動させ船内の捜索を実施したところ、複数の主機の予備品が盗まれているのが確認された。
      • 原文 April 21, 2020, ReCAAP(若林健一)
    • 【4】 アデン湾でコンテナ船等に複数の不審船が接近
      • 【4】4月23日、イエメンのアデンから南西約55海里の海上警備航路帯(MSTC)の東航レーンを航行していたコンテナ船に小型艇が接近したことから、警告射撃を行ったところ小型艇は逃走したとの報告があり、さらに、本件発生海域から12海里東の海上を航行していた別の船舶からも同様に小型艇に接近されたとの報告があった。付近海域では6隻の小型艇が目撃されている。本件は、2020年に入りMSTCにおいて発生した8件目の接近事案であり、既に2020年の第一四半期までに発生した件数が2019年に発生した全件数に達しているが、執拗な接近や銃撃を受けるとった海賊行為を示唆するような事例は報告されていない。
      • 原文 April 23, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【5】 VLSFOとHSFOの価格差の縮小でスクラバーへの逆風がさらに強まる
      • 【5】コロナウイルスによる融資条件の厳格化と世界貿易の縮小により大きな打撃を受けている海運業界にとって、スクラバーのための初期投資コストは多大な負担となっている。タンカー船社のStolt-Nielsen社は、可能な限りスクラバーの設置工事をキャンセルし、3千万ドル(約32億ドル)の投資コストを節約すると発表した。タンカー業界では、スクラバー設置をキャンセルしないまでも、現在の高い運転水準を踏まえて、スクラバー設置を先送りにする船社も出ている。ロッテルダム港では、2020年初めには296ドル(約5万8千円)だったmtあたりのVLSFOとHSFOの価格差は4月15日時点において38ドル(約4千円)まで縮小した。仮に価格差が50ドル(約5350円)程度で今後も推移した場合、スクラバー設置コストの回収までは4年以上かかると予想されており、船主にとってはかなり冒険的な投資となるため、今後更に多くの解約が出ることも予想される。スクラバーメーカーのヴァルチラも、価格差が50ドル以上を維持できれば、長期的な視点から見て投資をしてくれる船主もいると思うが、50ドル以下となると極めて厳しいとの見方を示している。
      • 原文 April 22, 2020, S&P Global(植木エミリ)
    • 【6】 ナイジェリア海軍がシタデルに立てこもっていた船員を救出
      • 【6】4月19日、ベナン共和国のコトヌー錨地に錨泊していたポルトガル籍コンテナ船に複数の賊が乗船し、乗組員8名の安否が不明となっている事件について、4月20日ナイジェリアの特殊部隊及びベナン共和国海軍が同船に乗り込み、シタデルに避難していた乗組員11名を救出したが、すでにブルガリア人船長を含むその他の乗組員8名及び賊については姿がなく、この8名は賊に誘拐されたものと見られている。当初、賊はコンテナ船に取り残されたとの情報であったが、この情報が誤りで8名の乗組員とともに初期の段階で逃走したか、あるいは、付近で海軍が監視している中逃走する機会を得たということになる。賊はナイジェリアのデルタ地帯から来たとみられ、ベニン共和国が新型コロナウィルス感染の拡大を受け、錨泊中の船舶に警備員を乗船させない決定をしたことや周辺の警備体制が手薄であることを認識したうえで犯行に及んだものと見られている。
      • 原文 April 21, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【7】 規制措置の完全解除は少なくとも年内は困難か
      • "【7】英国政府の発表によると、4月22日時点の英国国内の新型コロナウィルス感染者数の累計は前日から4,451人(371人)増えて133,495人(11,496人)、前日からの死者数は763人(17人)で死者数の累計は18,100人(277人)となった。英国政府の首席医療顧問は4月22日の記者会見で、新型コロナウィルス感染拡大防止のために現在継続している制限措置について、規制を完全に解除するための最善の方法は非常に有効なワクチンか治療薬を手に入れることであるが年内にこれらが開発される可能性は極めて低いとし、直ちに生活が完全に元に戻ることを期待することは非現実的であり、一定の規制を少なくとも年内は継続する必要があるとの見方を示した。
        ※括弧の数値は厚生労働省発表による日本国内の4月22日正午時点の発生状況"
      • 原文 April 22, 2020, BBC(若林健一)
  • 資料閲覧 その他