2020/03/23LROニュース(7)

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    2020.03.24 UP
    2020/03/23LROニュース(7)
    • 【1】 USCGによるMARPOL Annex VIの取締りの実態
      • 【1】 (論説)米国はAnnex VIの違反事例に対する措置として、緩い順に①警告書(Letter of Warnings: LOWs)の交付②違反通知(Notices of Violation: NOVs)の交付と最高1万ドル以内の罰金③違反事例1件につき最高7万4552ドル(約820万円)の民事制裁金の支払い命令④環境保護庁・司法省への告発と刑事手続きを行っている。最近まで北米・カリブ海の大気汚染物質排出規制海域(ECA)における違反は、主にLOWsまたはNOVsレベルの制裁にとどまっていたが、2019年8月、海運会社2社に対し裁判所から300万 ドル(約3億3千万円)の罰金の支払いが言い渡される初の事例が発生した。本件を受けてUSCGは、Annex VIに関する検査する方法として①燃料油給油簿(Banker Delivery Notes: BDNs)等の書類と燃料油の切り替え手順を確認し、乗組員の燃料油切り替え作業に関する習熟度および乗組員の燃料油の切り替え能力を評価し、②もし船上にBDNsがなく、BDNs分析の結果規制不適合油の使用が明らかになり、乗組員が切り替え作業に習熟していない、または手順に従っていないことが確認された場合は、更に厳密な検査を行うとしている。
      • 原文 March 16, 2020, The Maritime Executive(植木エミリ)
    • 【2】 コロナウィルス: 航空機燃料の余剰で規制適合油と重油燃料の価格差が減少
      • 【2】 コロナウィルス禍による、航空企業の大幅な減便措置により、航空機燃料の需要が急減しており、同じ中間蒸留油であるVLSFOの原料となる低硫黄分の蒸留油がだぶついている。サウジアラビアとロシアの原油増産により原油価格が低下しその分重油燃料の価格自体も低下しているが、航空機燃料需要の急減に伴うVLSFO価格の低下幅の方がはるかに大きい結果として、規制適合VLSFOと重油燃料の価格差は、昨年末には$89.52/mtあったのが、3月12日の時点で半分以下の$41.85/mtまで縮小している。
      • 原文 March 17, 2020, Ship & Bunker(長谷部正道)
    • 【3】 コロナウィルス: 中国政府が船舶に対する様々な課金を時限的に減免
      • 【3】 コロナウィルスが中国で蔓延していた期間中は中国に寄港する外航船舶の数は一日当たり約500隻まで減少していたが、中国発着の海運活動の速やかな回復と安定化を促すため、中国交通部と中国財務部は3月1日から6月30日の間、輸出入貨物に対して、油濁補償基金への課金を半減し、港湾建設に関する課金を停止すると発表した。国務院も3月初めに、港湾保安料等の港湾使用料金を減額することを決定している。
      • 原文 March 17, 2020, Seatrade Maritime News(長谷部正道)
    • 【4】 コロナウィルス: INTERCARGOが船員の交替を認めるように要請
      • 【4】 3月17日、INTERCARGOはIMO加盟国と全ての港湾管理者に対して、港湾における船員の交替を妨げる過大な制限を廃止して、船主と船員を支援するための現実的な対応を行うよう要請する声明を発表したところその概要は以下のとおり。①船員は雇用契約が終了すれば、帰国して家族と再会する権利を持つが、IMOの回章(circulars)が加盟国に対して、船員の上陸・乗船の自由を保障するように求めているにかかわらず、コロナウィルス禍が拡大する中で、港湾を管轄する国の多くが独自に、船員の旅行を制限し、検疫上の制約を課しているため、船員が下船することできない状況に置かれ、当該船員も海運会社も、そうした状況がいつまで続くかわからない状況にある。②効率的な船員の交代ができない状況では、国際的な物流チェーンが崩壊し、船上で4か月から9か月もの期間乗務した後に、家族との再会を待ち望む船員のメンタルヘルスを害し、結果として船舶の安全運航の確保も阻害する。③したがって、寄港地における船員交替の禁止措置は、船員・船舶・港湾だけでなく、海上物流に依存する社会全体に大きなリスクを及ぼすこととなる。
      • 原文 March 17, 2020, INTERCARGO(長谷部正道)
    • 【5】 気候温暖化の主たる原因は一握りの高額所得者?
      • 【5】 リーズ大学の研究者がNature Energy誌に発表した研究によると、世界86か国を対象にEUと世界銀行のデータに基づいて行った調査の結果、所得分布で見た場合、世界で最も裕福な1/10の層が最も貧しい1/10の層の約20倍のエネルギーを消費していることが明らかになった。特に交通の分野においては、富裕層と貧困層のエネルギー消費量の格差が最も大きく、英国民に限ってみれば、全体の15%にあたる富裕層が航空機利用シェアの7割を占める一方で、英国民の57%は国際線の利用がゼロだった。一方、調理や暖房分野におけるエネルギー使用量の格差は交通分野に比べると少ないものの、それでも1/10の富裕層だけで全体の約1/3のエネルギーを消費していた。国別に比較すると、世界でより多くエネルギーを消費するトップ5%の集団に英国民の20%が含まれる一方で、中国国民はわずか2%、インド国民に至っては0.02%しかその集団に入ることができなかった。こうした貧富によるエネルギー使用量の格差を政策的に是正するためには、公共交通機関の充実により自家用車の使用を減らすことや、大型車に対するより多くの課税、頻繁に休暇を取り航空機を何回も利用する富裕層に対しfrequent flyer税を課すことなどが考えられる。
      • 原文 March 16, 2020, BBC(植木エミリ)
    • 【6】 MSCのコンテナ船が重油燃料の違法輸送をUAE当局から摘発される
      • 【6】 MSCのコンテナ船が、ドバイのジュベル・アリ港へ入港する際に、700トンの重油燃料の抜き取り命令に意図的に従わなかったとして、当該船舶のUAEへの1年間の入港禁止と、船長の無期限の資格停止がUAE連邦交通局(FTA)から命じられるとともに、検察当局に告発された。IMOによる重油燃料の輸送禁止が3月1日に発効して以来、主要海運会社として初の規制違反事例となった。海運業界の一部には、IMOの重油燃料輸送禁止に関する取締りは各寄港地国に委ねられているため、柔軟な対応がとられるのではないかという期待があったが、本件により、UAEは輸送禁止規則を厳格に適用していく姿勢を示したことになる。MSCは大手コンテナ船社中でもスクラバーの装備に意欲的であり、運航する574隻のコンテナ船の半分にスクラバーの装備を計画しているが、スクラバー改修工事に必要な時間が当初の予想より大幅に長期化したため、今回摘発されたコンテナ船もスクラバーの施工を待ちきれず運航されていた。MSCは、同社としてIMO2020規制の順守に厳格に取り組んでいくとともに、今回の事件が発生した経緯について綿密な調査を行うとしている。
      • 原文 March 17, 2020, gCaptain(植木エミリ)
    • 【7】 3月23日現在における英国内のコロナウィルスに関する動向
      • 【7】 英国政府の発表によると、3月23日時点の英国国内における感染者数は5,683人、死者数は前日から54人増加して335人に達している。英国政府は3月20日、コロナウイルス感染拡大を防止するため、カフェ、パブ、レストランなどの飲食店、劇場、映画館、スポーツジム、その他のレジャー施設の閉鎖の要請に踏み切り、市民に不要な外出は控えるよう呼びかけた。
        英国政府はさらなる措置として、生活必需品を扱わない商店の閉鎖や現在の政府による要請に従わない市民への罰金制度の導入などを検討しているとの報告もあり、また、審議予定の非常事態法制の下では、空港を閉鎖し、感染症状を呈する市民を隔離するための強制的な措置を警察官に与える等の措置が取られるものと見られている。
      • 原文 原文2 March 23, 2020, BBC 若林健一
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