2020/03/17LROニュース(7)

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  • 2020.03.18 UP
    2020/03/17LROニュース(7)
    • 【1】ナイジェリア・ラゴス沖で貨物船に多数海賊が違法乗船
      • 【1】3月5日午後6時20分ころ、ナイジェリアのラゴスの南約84海里の海上を中国人船員23名を乗せ航行中の貨物船から海賊による襲撃を受けた旨の遭難信号が発信され、同船は漂流を続けており、同船の管理会社も同船との連絡が取れない状況となっており、ナイジェリア海軍が調査のため艦船を派遣した。付近海域では24時間以内に本件の他に2件の賊による違法乗船事案が報告されており、直近の事案は本件の5時間前にベナンのコトヌーの南約45海里の海上で5人から6人の賊により行われ、もう一件はトーゴのロメの南約50海里の海上を航行中の船舶に対して9人から10人の賊により小型艇を使用して行われたもので、これら3件の事案はいずれもナイジェリアを基地とする同じ犯人グループによる犯行であると見られている。
      • 原文 March 6, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【2】コロナウィルス:造船契約におけるForce Majeure
      • 【2】COVID-19が中国で発生して以来、中国の造船所の建造能力に大きな影響が出ており、いくつかの造船所は不可抗力(Force Majeure)を援用して、船舶の引き渡し時期の延期を発注者に求めている。中国政府商務部の傘下の国際貿易促進委員会(CCPIT)は1月30日に、COVID-19によって発生する法律上の賠償責任から中国企業を守るために、一定の条件を満たした企業に対して「不可抗力証明書」を発行すると表明している。2月10日には、全国人民代表大会常務委員会法制工作委員会の報道官は、COVID-19は予測不能・回避不能・克服不能な不可抗力にあたるとして、中国の契約法の下では、契約当事者は契約履行責任の全部または一部を免除されると表明した。しかしながら、ほとんどの国際造船契約においては適用法を英国法と定められており、英国法の下では不可抗力という明確な概念はなく、標準的な造船契約約款によれば、COVID-19が契約上定められたpermissible delayの概念に該当するか否かを検討する必要がある。結局、造船所がCOVID-19による納入期間の延期を主張するためには、①当該個別造船契約上の不可抗力条項の規定に合致する不可抗力にあたる事象が発生したこと。②建造・引き渡しの遅れが当該不可抗力事象によって発生したこと。③不可抗力条項に定める発注者への告知義務が実施されたこと。を立証する必要があるが、英国法上この告知義務の解釈は必ずしも明確でない。
      • 原文 March 5, 2020, Hill Dicksons(長谷部正道)
    • 【3】コロナウィルス:CLIAが米国発クルーズ船の運航停止を発表
      • 【3】クルーズライン国際協会(CLIA)は、米国政府による非常事態宣言を受けて、3月14日から米国発のクルーズ船の運航を30日間自主的・暫定的に停止すると発表した。この停止期間中、引き続き米国疾病予防管理センター(CDC)と連携しながら、適切な時期に運航を再開することができるよう準備を進めていく。クルーズ業界は、米国で42万1千人を雇用し、年間530億ドル(約5兆7240億円)の経済的な貢献をしているだけでなく、米国全土の旅行業界・航空会社・ホテルなど広範なサプライチェーンにも寄与しているので、今回の決定は苦渋の決断であったが、国民の利益を最優先する(putting people first)の観点から今回の判断に至った。
      • 原文 March 13, 2020, CLIA(長谷部正道)
    • 【4】DCSA: IMOの海事サイバーリスク管理に関する決議実施ガイド
      • 【4】コンテナ海運のデジタル化を促進するための中立・非営利団体であるデジタルコンテナ海運協会(DCSA)は、現在MSC/Maersk/CMA CGMなど主要コンテナ9社によって結成されているが、3月10日、「安全管理システムに関する海事サイバーリスク管理」に関するIMO海上安全委員会決議(MSC. 428(98))を実施するための「DCSAサイバーセキュリティ実施ガイド」を発表した。海運各社は2021年1月1日以降に実施される国際安全管理コード(ISMコード)適合証書(DOC)に関する年次認証の時までに、上記海事サイバーリスク管理に関するMSC決議の実施を求められているが、今回公表されたガイドによって、海運各社が、サイバーセキュリティ管理に関するベストプラクティスを共有し、上記実施期限までに、海運各社の既存の安全管理システム(SMS)にサイバーリスク管理に関する事項を効率的に取り入れることを支援することが今回のガイド作成の目的である。このDCSAガイドを船主が活用することにより、サイバーセキュリティ担当の技術担当乗組員が、サイバー攻撃のリスクを減少させ、攻撃によるダメージを食い止め(fail safe)、攻撃による損害から回復する能力を支援することができる。
      • 原文 March 10, 2020, DCSA(長谷部正道)
    • 【5】Standard Club: ブラジルにおいて開放型スクラバーを使用しないことを推奨
      • 【5】Standard Clubは3月9日、会員船社に向けて、ブラジル海事当局はIMO2020規制を遵守する方法としてスクラバー(EGCS)の使用を許可しているものの、ブラジル海域内における開放型スクラバー洗浄水からの排出に関する制限や禁止、例えば洗浄水の排出可能海域として陸域からどの程度離れていれば良いのか等については明言しておらず、したがって、同当局がこの問題について明確にするまで、ブラジルの港湾に寄港する船舶はスクラバーを閉鎖型に切り替えるか、ブラジル海域にいる間はIMO2020規制に準拠した規制適合燃料油を使用することを推奨した。また同社はブラジル内のほとんどの主要港湾で規制適合燃料油の供給が可能であることも併せて情報提供している。
      • 原文 March 9, 2020, Standard Club(植木エミリ)
    • 【6】比国内で密かに拡大しつつある中国の情報網
      • 【6】比大統領は国内における米軍の訪問や装備の配置を可能とする訪問軍地位協定(the Visiting Forces Agreement:VFV)の破棄により米軍の追い出しに動いているが、これが中国人民解放軍(PLA)による比国内での情報収集活動を容易とする結果を招いている。Richard Gordon比上院議員によると、同氏らを中心に中国によるスパイ活動や資金洗浄といった違法活動についての捜査が進められており、これは比国内で急成長するオンラインカジノ(Philippine Offshore Gaming Operations:POGO)を運営する口実で雇用され、戦略的に重要な軍事施設の周囲や首都マニラに集団で居住する多くの中国人も対象としている。同氏によれば、比政府職員の不正行為も手伝ってPLA兵士を含む多数の中国人が違法かつ秘密裏に比国内に居住しており、POGOを隠れ蓑にして2千人から3千人に及ぶPLA兵士が情報収集やその他の活動のために比国内に侵入し、中国人スパイとともにスパ活動を行っているとされる。また、国防安全保障委員会の議長を務めるPanfilo Lacson上院議員は、過去5カ月間で47名の中国人が比政府職員を買収するための資金として4億4千6百万米ドルを比国内に持ち込んだとして、一連の情報に関する情報収集活動を強化する必要性を訴えた。POGOに対しては、買収された比政府職員がコロナウイルスの感染拡大を予防するための中国人に対する渡航制限措置の遅れを招いたとして批判の的になっている。
      • 原文 March 10, 2020, Asia Times(若林健一)
    • 【7】英国内のコロナウィルスに対する動向(3月17日現在)
      • 【7】3月16日、英国首相は同国内で急速に拡大するコロナウィルス感染防止対策として、①テレワークが可能な人は全て在宅勤務とする。②70歳以上の老人・特定の疾患を持つ人・妊婦は今後12週間社会的な接触から隔離する。③風邪のような症状が現れた人は、同居家族も含めて2週間は自宅待機とすることなどを国民に対して要請した。また3月17日、英国外務・英連邦省は、他国によるコロナウィルスに係る入国制限等の増加に鑑み、今後30日間、英国民に対し国外への不要不急の旅行を行わないことを勧告した。3月17日現在、同国内においてコロナウィルス検査で陽性となった人数は1500名以上、死者数は55名だが、実際の感染者数は3万5千人から5万人に上るものと予測されている。
      • 原文 March 17, 2020, 英国政府
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