2020/03/13LROニュース(6)

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  • 2020.03.16 UP
    2020/03/13LROニュース(6)
    • 【1】コロナウィルス:米国が中国の医薬品に過度に依存していることが判明
      • 【1】米国統合参謀本部の議長は、議会で証言し、民生用も軍事用も、米国は医薬品に関して中国製品に過度に依存していることが、今回のコロナ危機で明らかになり、仮に二国間で戦争が勃発すれば米国にとって大きな脆弱性となるので、国家戦略的にこの問題を解決すべきであると証言した。米国食品医薬品局(FDA)の局長(Commissioner)も2月27日、「コロナウィルスによるサプライチェーンへの影響」と題して声明を発表し、1月後半から中国政府が同国国内の物流を制限した結果、医薬品の世界的な供給に影響を与え、米国内でも薬品・メーカーの名前は明らかにされていないものの、既に供給が困難な状況になっている薬品があることを明らかにした。さらに現在米国で販売されている抗生物質の成分の9割以上は中国で生産されており、中国がすべての輸出を停止した場合、最悪のシナリオになるとしている。
      • 原文 March 5, 2020, Voice of America(長谷部正道)
    • 【2】底引き網漁業が海底の土の中の窒素食べる微生物の働きを阻害
      • 【2】底引き網業が無差別に海洋資源を収奪し海底の生息域を破壊するのは知られているが、サザンクロス大学の研究者達が発表した新たな研究によれば、海底の土の中にいて海水中の過剰な栄養を食べる微生物の活動まで底引き網業が阻害し、その結果、海洋汚染を招いている可能性があることが分かった。窒素は昆布や植物性プランクトンなどの海洋性植物にとって重要な栄養素であるが、適切に処理されていない汚水や畑に過剰投与された肥料によって、海中に窒素の量が過剰になると、いわゆるアオコと呼ばれる藻類が過剰発生し、船舶のスクリューに巻き付いたり、海岸を汚染する。藻類が海水中で死ぬと、藻類が分解してできた微生物が海水中の酸素を消費してしまうため、魚類や他の海洋性動物が窒息してしまう魔の海域を作ってしまう。海底の土の中の微生物は、窒素を不活性ガスに空気中に放出し、アオコが発生するのを防ぐ役割を果たしているが、今回発表された研究の結果、底引き網によって荒らされた海底では、こうした微生物の活動が阻害されて、余分な窒素を不活性化ガスに置き換える能力が半分になることが分かった。
      • 原文 March 3, 2020, Science(長谷部正道)
    • 【3】NATOの冬季軍事合同訓練が北極圏で開始
      • 【3】NATO軍は、3月2日から3月18日までの間、ノルウェーのナルビクからフィンマルクに及ぶ地域で、冬季の気象条件下における多国間による共同作戦の実施能力の確保を目的とした冬季軍事合同訓練「Cold Response 2020」を実施している。訓練にはホスト国のノルウェー及び米国、英国、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、デンマーク、フィンランド並びにスウェーデンの10カ国から約1万6千人の兵士が参加し、冬季の気象条件下による戦闘訓練のほか、水陸両用作戦にも焦点が当てられた。当初米国からはさらに多くの兵士が参加する予定であったが、中東地域への対応に充てられた。共同作戦本部の報道官を務めるノルウェー陸軍の幹部は、本訓練は特定の国を対象としたシナリオによる訓練ではなく、また、北極海を巡っては予測可能性と安定性が重要であり訓練実施に当たっては透明性を確保すると述べた。一方で、同訓練はロシア側からの注目を集めることから、ロシアがどの様な反応を示すかについて注視してく必要があるとも述べた。
      • 原文 March 6, 2020, High North News(若林健一)
    • 【4】COP26が英国にとってBrexit後の最初の外交手腕の見せ所
      • 【4】今年11月にグラスゴーで開催される第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)を前に、議長国である英国は大きな課題と直面している。締約国は、2030-2035年の自主的なGHG排出削減目標(NDCs)の提出が求められているにもかかわらず、現時点ではマーシャル諸島、スリナム、ノルウェー以外提出しておらず、英国自身も、Brexit後初のNDCsであり、議長国としての信頼性を問うものとして、その国家的な決断を精査される立場にある。英国はCOP26へ向けて5つの優先事項(適応・金融・自然・エネルギー遷移・クリーンな道路輸送)を設定し、新議長の任命に加え、既に金融問題で最前線の立場を示してきた元イングランド銀行総裁カーニー氏を特別顧問に迎えるなど強力なチームを作り上げた。大量排出国である米国のパリ協定離脱や、それに追随するインド・ブラジル、コロナウィルスの影響下にあり明確な外交意図を発していない中国、そして英国自身もBrexit以降EU加盟国との緊張関係が保たれる中、差し迫った問題へリーダーシップを示せるか、その外交手腕の見せ所である。
      • 原文 March 2, 2020, Energy Post. EU(植木エミリ)
    • 【5】ベニン沖でタンカーが海賊に襲撃
      • 【5】3月5日、乗組員22名を乗せオランダからナイジェリアのラゴス港に向けベナン沿岸から約45海里の沖合を航行していたギリシャ籍ケミカルタンカーが、海賊による襲撃を受けた。ギリシャ人船員6名を含むほとんどの船員が安全手順に従って船内の安全な区画に避難できたが、ギリシャ商船省によると逃げ遅れた船員1名が賊に拘束されたとみられ、本件は現在も捜査が行われている。
      • 原文 March 6, 2020, Navy Times(若林健一)
    • 【6】米国大統領選挙の影響で各国の新NDCsの提出も大幅に遅れる見込み
      • 【6】今年11月に開催されるCOP26で各国が提出する新しい自主的なGHG削減目標(NDCs)は、まだほとんどの国が提出していないが、パリ協定の文書は単に目標を“2020年中”に更新するよう求めているため、多くの国が最後の四半期に提出する可能性が高いうえ、11月3日に行われる米国大統領選の行方が世界の気候政策に更なる影響を与えるとされている。トランプ大統領が進めた米国のパリ協定の離脱は11月4日に発効となるが、対抗馬の民主党候補は当選後即座に再加入することを宣言している。今月3日に行われた予備選で勝利したジョー・バイデン候補は中国に汚染アウトソーシングをやめさせるなどの圧力をかけることを宣言しており、同じく民主党のバーニー・サンダース候補はグリーン気候基金に2000億ドル(約21兆円)の巨額出資を約束した。経済的に厳しい国は気候計画の実施を融資の受け入れに依存していることもあり、米国大統領選の決着がつくまで、NDCsの策定と提出は遅れることが見込まれている。
      • 原文 March 4, 2020, Climate Change News(植木エミリ)
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