2020/03/09LROニュース(6)

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  • 2020.03.10 UP
    2020/03/09LROニュース(6)
    • 【1】シェルが洋上風力発電を利用した欧州最大の水素製造事業を開始
      • 【1】2月27日、オランダシェル、Gasunie社、フローニンゲン港の三者は、北海に洋上風力発電を利用した欧州最大のゼロエミッション水素供給基地を建設するNortH2事業を発表した。当該事業では、まず2030年までに3~4GWの発電を目指し、2040年までに10GWの洋上風力発電を利用して年間80万トンのグリーン水素の製造を目標とする。これにより、年間約7メガトンのCO₂排出を削減し、オランダ国内1,250万世帯の電力消費量を補うとされている。太陽光や風力などの持続可能エネルギーによる発電は、安定的な供給や発電した電力の貯蔵の面で課題があるが、同エネルギーを水素に置き換えれば、比較的安全に生産かつ貯蔵できる。また一般的に天然ガスや石炭から製造される水素と異なり、持続可能エネルギーを利用した水素の製造は、CO₂の大幅な削減にも寄与すると見込まれている。三社は今年中に可能性調査を開始し、2027年までに最初のグリーン水素の製造を開始する予定。
      • 原文 February 29, 2020 The Maritime Executive(植木エミリ)
    • 【2】コロナウィルス:シンガポール海事週間が延期
      • 【2】シンガポール海事週間(SMW)は、海事産業の催し物としては世界最大級の会議だが、4月18日から開催される予定であったSMWの開催を延期すると主催者が発表した。一部のイベントは本年後半に、残りのイベントは来年のSMW 2021まで延期される見込み。3月11日から東京で開催予定だったSea Japanの主催者も延期を検討していることを表明している。上海で3月3日から開催予定であったMarine Money Chinaも11月に開催が延期された。
      • 原文 February 28, 2020, Reuters(長谷部正道)
    • 【3】コロナウィルス:収束の気配が見えないクルーズ業界のダメージ
      • 【3】コロナウィルスの感染が欧州や南米に広がり世界的なpandemicが懸念される中で、コロナウィルスへの懸念は、根拠のないものも含め、継続して高まっている。数週間までは、クルーズ業界にとってのコロナウィルス問題はアジア地域に限定され、多くのアジア地域のクルーズがキャンセルされたものの、クルーズ業界はクルーズ船をアジア市場から他の市場に移すなどの対応をし、国際客船協会(CLIA)は業界団体として、全ての旅客に対する乗船前の健康検査の強化など業界として取れる予防策を実施した。しかし、2月末になって、MSC Meravigiliaが実際は普通の風邪にかかった乗員がいただけなのに、ジャマイカとグランドケイマンの当局から入港を拒否される事件がおこり、今後こうしたクルーズ船に対する入港拒否などが継続する可能性がある。欧州までコロナウィルスの感染が拡大した時点で6月までのクルーズの販売は絶望的になりキャンセルが相次いでいる。夏のホリデーシーズンにまでどのような影響が及ぶかは今後数週間の欧州等世界各地における感染の拡大次第だが、クルーズ業界は年間500億ドルの賃金に相当する雇用と220億ドルに及ぶ新造船の発注などの経済効果を持っており、クルーズ業界の不振による経済的な影響は深刻である。
      • 原文 February 28, 2020, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【4】気候温暖化の影響で世界の主要海流が極点方向に移動
      • 【4】2月25日、独ヘルムホルツ極地海洋研究センター(AWI)の研究者は、地球温暖化の影響により、世界の主要な海流が2年間で1マイル(約1.8㎞)ずつ極点方向に移動していることを学会誌上で発表した。研究によると、海流の移動による影響が最も顕著な米国東海岸の緯度40度線上では、既に海水位が8~12インチ(20~30cm)上昇しており、西海岸では、サーモンが伝統的な漁獲水域から押し出された。人口密度の高いアジア沿岸地域では激しい暴風雨、亜熱帯地域では熱風を引き起こす可能性があり、海流の移動が食糧供給、海水位、天候や海洋生物の種の分布に及ぼす影響が明らかになった。移動の一部は自然変動によるものだが、異なるCO₂レベルの気候をシミュレートすることで自然変動とGHGガスによる影響を切り離した結果、観測された変化が地球温暖化に対する反応である可能性が最も高いことが示され、研究者は、温暖化が進む限り、この動きは止まる見込みはないと述べている。
      • 原文 February 26, 2020, Inside Climate News(植木エミリ)
    • 【5】コロナウィルス: 止まらないVLSFOの価格下落
      • 【5】Ship & Bunker紙の調査によれば、コロナウィルスの影響により、VLSFOの価格水準は1年前の同時期の重油バンカーの価格を下回る水準まで低下している。例えば、ロッテルダム港では、VLSFOの価格は1月6日に、$598/mtの最高値を付けてから下落を続け、2月27日に$398.50/mtまで低下し、2019年7月に同紙がVLSFOの価格調査を始めて以来の安値となった。ちなみにロッテルダム港における昨年同日の重油燃料価格は$406.50/mtだったので、昨年の重油燃料の価格さえ下回るレベルまで下落した。これに伴い、VLSFOと原油の指標価格であるブレント原油との価格差も1月6日の$25.26/blから2月27日は、$10.58/blまで縮小している。VLSFOの価格の下落は、コロナウィルス感染の拡大による世界経済の減速に伴う原油価格の低下が基本的な原因だが、昨年末にVLSFOの円滑な供給を確保するために船主がVLSFOをストックとして買い増したものが、海運需要の低下にあわせて、船主がこのストックを取り崩して対応しているのも原因と考えられ、このストックがなくなれば、数週間以内にVLSFOの価格も反転すると予想されている。
      • 原文 February 28, 2020, Ship & Bunker(長谷部正道)
    • 【6】コロナウィルス:英国港湾協会が政府の支援を要請
      • 【6】英国港湾協会は、コロナウィルスの蔓延を水際で防止するために、健康・社会福祉担当大臣に対して要望書を発出したところその概要は以下のとおり。①英国港湾協会(BPA)は、英国国内の400以上の港湾が会員で、海上物流の86%、旅客輸送の100%をカバーしている。②各港湾における港湾健康管理業務は、地方自治体の業務として地方自治体の予算で運営されているが、コロナウィルスの蔓延に対して準備・防御するためには中央政府の強い支援が必要である。③中央政府は、各地方港湾に対して、ハイリスクな地域から寄港する船舶やその乗員の移動規制に関する明確なガイダンスを示していないし、中央政務の医療担当者が個々の感染者の扱いについて助言を与えるような体制もとっておらず、全ての責任が資格もない地方港湾の健康管理業務者に押し付けられており、地方港湾が適切な対応を取らなかったとして責任を問われる可能性がある。④中国等のアジア諸国から直接船舶が寄港することに伴うリスクは、航海期間が30日から40日と長く、コロナウィルスの潜伏期間を超えるので、相対的に低いものの、水先人を含む港湾関係者のリスクは残っている。⑤さらに、最近コロナウィルスは欧州にも蔓延し、フェリーで英国に到着する乗客も年間6千万人を超えている。⑥したがって、中央政府の関係部局とBPA等の地方港湾が緊急に会合し、中央政府から必要な支援を受けることを要請する。
      • 原文 February 28, 2020, 英国港湾協会(長谷部正道)
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