2020/03/02LROニュース(6)

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  • 2020.03.03 UP
    2020/03/02LROニュース(6)
    • 【1】コロナウィルスに関する船舶の運用上・契約上考慮すべきこと
      • 【1】Standard Clubが中国に寄港する船舶が留意すべき現実的な問題点と契約上の問題点をまとめたところ概要は以下のとおり。(但し、状況は刻々と変化するので、入港前に時間的な余裕をもって、現地代理店に状況を確認するとともに、コロナウィルスの拡散状況等については、WHOのHPで常時確認すべしとしている。)現実的な考慮点として船員について確認すべきことは①着岸する前に船員の健康状況を申告する必要性の有無②船員の健康状態の観察③乗員交替に対する制限④乗員の上陸制限⑤船員がとるべき感染予防措置の必要性⑥食料品等の補給物資の供給。船舶の修理については、造船所における作業員数の不足。貨物の積み下ろしについては、①港湾の混雑と港湾の運営②貨物積み下ろし作業の遅滞③トラック・水運によって運ばれてくる貨物の不足・遅延④予定港における貨物引き渡しの遅延・または不可能⑤検疫による入港の遅れ⑥港湾荷役サービスの欠如などについて確認する必要があるとしている。
      • 原文 February 21, 2020, Standard Club(長谷部正道)
    • 【2】コロナウィルス:WHOとIMOが共同宣言を発表
      • 【2】WHOとIMOがコロナウィルスに関し、加盟国が国際海運活動を不必要に妨げることの無いように共同宣言を発表したところその概要は以下のとおり。①WHOは国際保健規則(IHR)に従い、1月30日、緊急委員会を開催しCOVID-19の流行を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」と認定したが、WHO事務局長は人間の移動や貿易上の制限は必要がないと判断している。②従って、WHOとIMOはIHR加盟国に対し、同規則第28条の定める条件に従って、検疫済み入港許可証(free pratique)を速やかに発行し、船舶・乗務員・貨物に対し、不必要な遅延が発生しないように求める。③さらに、IMOの国際海上交通簡易化(FAL)条約では、同規則非加盟国に対しても、IHRの規定を国際海運に適用すべきことを求めている。④したがって、外航船舶に対する検疫措置は、人間の基本的な人権に配慮し、同規則43条に定める特別な要件に従って実施されるべきである。
      • 原文 February 13, 2020, WHO/IMO(長谷部正道)
    • 【3】コロナウィルス:造船契約と「不可抗力(force majeure)」について
      • 【3】造船業は、多くの作業員に依存し、船舶建造のために必要な多くの部材の供給に依存するので、COVID-19の影響を強く受けている業界であり、中国国内の多くの造船所が、契約上の引き渡し日を延期するために、「不可抗力(force majeure)」を宣言している。英国法をはじめとするcommon lawに依拠する国では、不可抗力を宣言することによって、契約上の義務を自動的に免れることは出来ない。契約当事者はあくまで契約書上の規定に不可抗力を認容するような文言があり、実際に今回の事例が当該契約書上の規定上の文言に該当しなければ不可抗力を主張できない。SAJやNEWBUILDCONのような典型的な造船契約書では、造船所に引き渡し日の延期を認める「許容できる遅延(permissible delay)」に関する規定の内容如何で、今回のようなCOVID-19に由来する不可抗力が認められるか否かが決定される。そうした規定がある場合でも、造船所は不可抗力にあたる事態が発生したこと、当該引き渡し日の延期は当該不可抗力によって発生したこと、当該規定で必要とされる告知義務を果たしていることを立証する必要がある。
      • 原文 February 13, 2020, Clyde & Co(長谷部正道)
    • 【4】PPR 7:北極海における重油燃料の使用禁止で合意
      • 【4】2月21日に行われた第7回汚染防止・対応小委員会(PPR7)において、北極海における重油燃料の使用禁止が合意された。2024年7月1日から開始される本規制には、①北極海での探索・救助及び油濁事故の対応に従事する船舶の除外 ②北極海に接する国について、自国海域内における自国船籍への規制適用を2029年7月まで除外 の二点の例外が含まれており、実質的なロシアへの猶予措置である②をもって同国の承認を得たことにより合意に至った。小委員会では、例外措置が認められる範囲を自国の海域に限定せず、例えば露サベッタ港から蘭ロッテルダム港までの航海についても適用するなどの更なる規制緩和が提案されたが、この提案はあまりにも多くの船舶に対し例外措置を認めるものとして、大多数の国の反対により棄却された。本規制は今秋開催される第76回海洋環境保護委員会(MEPC76)において検討し承認される。
      • 原文 February 22, 2020, Crypolitics(植木エミリ)
    • 【5】分散学習システムを活用して船舶の技術革新に対応した船員訓練を可能に
      • 【5】船員の訓練についてはIMOのSTCW条約が国際的な基準を定めているが、船舶の技術革新が速すぎて、条約上必要とされる訓練内容と最新技術を満載した実際の船舶で必要な訓練内容の間には常にギャップがあり、船主はこのギャップを埋めるために自前の訓練を実施しなくてはいけない。こうしたギャップを埋めるためには訓練シミュレーターの活用が有効だが、STCW条約では船員訓練におけるシミュレーターの活用をこれまで限定してきたため、現在行われているSTCW条約の見直し作業においては、船員訓練に占めるシミュレーターの割合を増やせるよう勧告される可能性がある。従来のシミュレーターによる教育は、教育機関の建物の中で実施されてきたが、クラウド技術を活用した分散学習(distributed learning)システムを活用すれば、訓練生は教育機関外のどこでも好きな場所で好きな時に個々人のペースに合わせた訓練が受けられるようになり、コース内容も特定の装備に個別に対応したきめ細かい訓練を実施することが可能となる。
      • 原文 February 20, 2020, VPO Global(長谷部正道)
    • 【6】中国で3月1日から船舶からの汚染防止に関する新規則が施行
      • 【6】汚染危険貨物をばら積で積載するすべての船舶及び総トン数1万トン以上のその他のすべての船舶は、中国に入港する場合又は沿岸から20海里以内の港外で荷役作業や船舶間貨物移送を行う場合には、事前に油濁対応業者(Ship Pollution Response Organisation : SPRO)と契約を結ぶ必要があるが、中国の海事安全庁(Maritime Safety Agency:MSA)は船舶油濁対応体制の管理に関する新たな規則を公表するとともに、汚染を引き起こすおそれがある危険ばら積液体貨物に関する規則書(Directory of Hazardous Bulk Liquid Cargo Apt to Cause Pollution)を発行し、これらは2020年3月1日に発効する。同規則書の対象となる貨物を輸送する船舶は、荷役中にオイルフェンスを展張するかSPROと契約する必要がある。これらの措置により、空船又は同規則書に記載のない液体貨物をばら積輸送する総トン数1万トン未満の船舶、及びクリーン燃料を使用してばら積以外の輸送形態で貨物を輸送する船舶は、SPROとの契約締結は不要となり、また、オイルフェンスの展張は規則書に記載される貨物を300mt以上荷役又は移送する場合のみ必要となる。
      • 原文 February 21, 2020, North P&I(若林健一)
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