2020/02/12LROニュース(6)

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  • 2020.02.13 UP
    2020/02/12LROニュース(6)
    • 【1】IMO 2020: 非適合油の輸送禁止が3月1日から開始
      • 【1】非適合油の使用規制がIMOで合意された後、規制を遵守する者と遵守しない者の間の競争条件の均衡化を図り、公海上での規制の実施を確保するための手段として、使用禁止に加えて輸送禁止がMARPOL 附属書VIの規則14.1に加えられ、3月1日から発効することとなる。これに伴い国際大気汚染防止(IAPP)証書の様式も変更され、3月1日以降最初のIAPP検査までに新様式の証書の交付を受けなくてはならない。またPSCにあたって船上で輸送されている燃料の抜き取り検査を実施する場合には、船主の責任によらずに燃料油中の硫黄濃度が規制値をわずかに超えてしまった場合でも船主を厳しく取り締まるのは酷なので、給油時に検査を受けるときと異なり、95%のconfidence intervalが認められる結果、硫黄濃度0.53%までの燃料油は規制適合と認められる。3月1日までに規制不適合油を抜き取ることが困難な船舶については、旗国と寄港地国に連絡の上、緊急措置としての例外承認を受ける必要がある。(MEPC.1/Circ/881)
      • 原文 February 7, 2020, DNV GL(長谷部正道)
    • 【2】北極海における戦略を習得しつつある米海軍
      • 【2】ここ数十年の間、米軍による北極海での活動は多くなく、必要な教訓がほとんど得られていない状況にあるが、米国は2018年に行われたNATOの訓練に参加させるため1990年代以降初めて北極海に空母を派遣するなど、北極海におけるロシアとの覇権争いを念頭にプレゼンスの強化を図っており、米海軍が重要な役割を果たしている。しかし、北極海で活動するためには船体への着氷や高波など厳しい環境に対応する必要があるため、さらに多くの経験や教訓を得る必要がある。また、ガスタービンエンジンを使用する駆逐艦は燃料消費が激しく補給のための拠点を確保する必要もあるなど課題は多い。米海軍は北極海を航行するカナダのフリゲート艦にその運用を学ばせるため将校を乗艦させるなどの取組も行っており、カナダも米国との経験の共有に対して積極的な姿勢である。米沿岸警備隊は1970年代以降初となる砕氷船の新造に取り掛かっているが、北極海へ定期的に派遣できるのは2025年以降になると見られている。一方で米海軍は2018年6月に公表した報告書の中で、現有する艦船の耐氷化が可能であるとして、北極海に特化した艦船の新造は予定していないとしている。
      • 原文 February 7, 2020, Business Insider(若林健一)
    • 【3】ノルウェー:ロシアと中国が最大の安全保障上の脅威
      • 【3】2月10日、ノルウェーの対外諜報機関(The Foreign Intelligence Services:FIS)は、2020年の現状と展望を分析した年刊報告書「Fokus2020」を公表し、FISのトップMorten Haga Lunde中将は記者会見で、ロシアと中国の諜報機関がノルウェー社会のあらゆる分野に侵入しており、ノルウェーの最大の安全保障上の脅威となっていると述べた。同氏は露の脅威に関して、ここ30年間で最大規模の海上軍事演習であるとして2018年に行われた露の軍事演習「Ocean Shield」に言及し、スヴァ―ルバル諸島までの海域だけでなくバレンツ海の大部分が露のレーダーシステムの範囲に含まれると述べ懸念を示した。また、中の脅威に関しては、同国が5Gネットワークの開発をリードしていることに触れ、これが同国の情報収集の意欲と能力を増強させているとして中国のデジタル・シルクロード構想に懸念を示した。2019年の報告書では、西側諸国との対立により露がインフラ開発の支援を求めて中国にさらに接近することが懸念されていたが、2020年も中露両国は特に経済や軍事の分野において協力関係を深めるものとみられている。
      • 原文 February 10, 2020, High North News(若林健一)
    • 【4】CMA CGMが水素を燃料とした船舶の世界1周航海に挑戦
      • 【4】仏海運会社CMA CGM社は、水素を海運業界における主要な燃料にすべく、Energy Observer社の研究開発チームと協力し、同社所有の双胴船を用いた世界初の水素燃料による世界一周航海へ乗り出す。当初競技用として開発されたEnergy Observerは、未来のエネルギー資源のプラットフォームとして生まれ変わり、クリーンで持続可能な燃料の実験・開発に向けて世界中を航海する。水素は最大で石炭の4倍、ディーゼルエンジンの3倍のエネルギーを生み出す無限の動力資源であるが、同船が使用するグリーン水素は、再生可能エネルギー発電による電力で海水を分解することにより製造されており、水素を燃料とした場合、GHGのみならず大気を汚染する微粒子も排出されない。同社は、2005年から2015年の間にコンテナ1個当たりのCO₂排出量を50%削減したが、2015年から2025年にかけて更に30%の削減を目標に掲げている。
      • 原文 February 10, 2020, CMA CGM(植木エミリ)
    • 【5】露がノルウェー政府によるスヴァールバル諸島における環境規制に抗議
      • 【5】ノルウェー独立後わずか15年後に同国政府と露を含む関係国との間で締結されたスピッツベルゲン条約によって、スヴァールバル諸島に対するノルウェーの主権が認められたものの、同条約加盟国は、同諸島において自由に経済活動を行い、居留地を建設する権利を認められている。この権利を実際に行使してきたのは露だけで、膨大なコストがかかり経済的には全く割が合わないのに石炭の採掘を継続し、現在でも年間10万トンの石炭を英国に輸出している。ノルウェー政府は同諸島の環境を保護するため、様々な規制を導入してきたが、露はこうした規制を条約で認められた伝統的で合法的な同国の経済上の権利を理由もなく違法に侵すものとして批判し、同条約締結100周年に当たる2月4日に露外相がノルウェー外相に書簡を送り、ロシアの経済活動を制限する環境規制の撤廃について二か国間交渉を開始することを求めた。同諸島の天然資源の埋蔵量は少なく、北極海北航路の運用上も重要ではないが、露は近年北極海の軍事化を進めており、戦略的に重要な位置にある。
      • 原文 February 10, 2020, The Jamestown Foundation(長谷部正道)
    • 【6】Clean Arctic Alliance: IBIA等業界団体に燃料のパラメターの公表を要求
      • 【6】18のNGOから構成されるClean Arctic Alliance(CAA)はVLSFOに含まれる芳香族による黒煙排出の問題を指摘したのに対して、国際バンカー産業協会(IBIA)等の業界団体がこの問題はIMOの汚染防止・対応小委員会(PPR)で議論すべしと反論したが、CAAが燃料のパラメターに関する情報の公開などを求める公開書簡を発表したところその概要は以下のとおり。①CAAは本件をPPRで議論するために2つの文書を既に提出している。②しかし、IMOで黒煙による温暖化への影響について問題提起されてからすでに12年が経過したが、黒煙の排出を削減するためのいかなる規制についても合意されていない。③北極評議会においては、2025年までに2013年の排出実績比で25-33%黒煙の排出を削減するという野心的な目標について合意されている。④PPRではICCTの技術作業部会で合意された6つの黒煙排出管理に関する政策やフィンランド・独政府から提出された研究報告書について真剣に検討が行われるべき。⑤燃料供給業界等は排気に関連する燃料油のパラメターに関する情報等を公開し、市場で販売される新燃料が黒煙をはじめとする大気汚染物質を増加させることがないよう保証するべき。
      • 原文 February 10, 2020, Clean Arctic Alliance(長谷部正道)
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