2020/02/04LROニュース(6)

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  • 2020.02.05 UP
    2020/02/04LROニュース(6)
    • 【1】比大統領による米比軍事協定の廃止を示唆する発言が南シナ海を不安定化
      • 【1】麻薬戦争が行われていた2016年から2018年に比国家警察長官を務め、比大統領の政治的盟友でもあるロナルド・デラ・ローサ氏の査証を米国が取り消したことを受け、比大統領は1月23日の演説の中で、米国との訪問軍地位協定(The Visiting Forces Agreement)を破棄する用意があると述べ米国をけん制した。また、翌日にはロシアの放送局が、「米国は比を米の属国と見ており、現在の米の外交政策の下では連携できない」、「米国は信頼できないが、露及び中は信頼できる」旨を比大統領がインタビューで答える様子を放送した。査証の関係や米軍人の犯罪行為に対する司法管轄を定める同協定の破棄が、米比の軍事的関係性にどのように影響を与えるかは定かではないが、毎年行われる大規模な合同軍事演習、対テロ作戦に対する米軍の支援、2013年に発生し米軍の空母や数千名の要員が救援活動に当たった台風被害等の自然災害への米軍の支援活動には影響を与えるものと考えられる。比大統領の発言は単なる脅しであり実際に同協定を破棄することはないとする見方もある一方、比大統領の取り巻きが同協定破棄による影響を軽視して比大統領に良い顔をする可能性を指摘する声もあり、同協定が破棄されれば、南シナ海における有事が発生した際に1951年の米比相互防衛条約に従った作戦行動に支障をきたす可能性も指摘されている。
      • 原文 January 28, 2020, Stars and Stripes(若林健一)
    • 【2】ICCT: LNG燃料の導入はGHG削減策として不適切
      • 【2】ICCT(International Council on Clean Transportation)が舶用燃料としてのLNGが環境に与える影響に関する報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①LNG燃料船が高圧注入燃料機関(HPDF)を使用し、かつLNG生産過程においてメタンガスの漏出を管理できるのであれば、100年間ではLNG燃料の方がMGOに比べて生産時に排出されるGHGやメタン漏出量を含めた生涯GHG排出量を理論上15%減少させることが可能。②しかし、現在運航・建造中のLNG燃料船750隻のうち、HPDF機関を装備するのはわずかに90隻だけで、またシェールガスからLNGを生産した場合のメタン漏出量は多いので、LNG利用による生涯GHG削減は困難。④LNGを燃料とする300隻以上の船舶に使用されている低圧4ストロークの中速の機関を使用した場合では、20年間で、MGOを使用した場合より70%、MGOで中速ディーゼル機関を使用した場合より、82%多くの生涯GHGを排出することが判明した。⑤結論として、IMOのGHG削減暫定戦略を達成する手段として、LNG燃料の導入を採用するのは不適切でむしろ生涯GHG排出量を増やすこととなる。⑥LNG燃料の導入のために船舶や陸上施設に使う投資をやめて、エネルギー効率化投資・風力を利用した推進機関・脱炭素燃料・電池・燃料電池の開発にあてるべき。
      • 原文 January 28, 2020, ICCT(長谷部正道)
    • 【3】ReCAAP週間報告書(1月21日から27日報告分)
      • 【3】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)に、1月21日から27日まで通報された事件は、重要度3(賊は武装するも、乗組員の負傷なし)の武装強盗事件が1件、重要度4(賊は武装せず、乗組員の負傷なし)の武装強盗事件が2件であったが、その概要は以下のとおり。①1月21日午前3時44分ころ、インドネシアのパダム島東部にあるPort Kabilの沖合で錨泊していたタンカーで、乗組員が刃物で武装した4人の賊に遭遇し、このうち1人を捕らえることに成功したが、他の3人の賊は何も盗らずに逃走した。②1月25日午前4時15分ころ、比マニラ港の南検疫錨地に錨泊していたコンテナ船で当直者が1人の賊を目撃したことから警報を作動させたところ、賊は海上に飛び込み、付近で頻繁に目撃されている小型ボートまで泳ぎ逃走した。その後船内確認が実施され、2カ所で南京錠が破壊されて、塗料缶など数点の備品がなくなっていることが確認された。③1月28日午前2時05分ころ、インドネシアのバタム島のNongsa岬から北西約3.7海里のシンガポール海峡東航レーンを航行中の貨物船の機関室内で2人の賊が目撃されたが、警報が作動したことから賊は貨物船に横付けしていた小型ボートに乗って逃走した。その後船内確認が行われ、主機の予備品が数点盗まれたことが確認されたが、乗組員に被害はなかった。
      • 原文 January 28, 2020, ReCAAP(若林健一)
    • 【4】露主導で北極に炭素を排出しない国際北極基地を建設
      • 【4】北極理事会の持続可能な開発作業部会の事業の一環として、モスクワ物理技術研究院はロシア政府の科学・高等教育省、外務省、極東・北極圏開発省等の支援を受けて、北極圏のウラル山脈の麓に、ディーゼル油を燃料として使用せず、太陽光や風力などの再生可能エネルギーと水素燃料を用いて、年間を通じてエネルギーの補給を受けずに運用できる国際北極基地(International Arctic Station: IAS)を2022年の運用開始を目指して建設する事業(北極水素エネルギー試験事業)を開始した。本事業は、将来的に北極圏における遠隔の居留地や施設の維持・運営を環境にやさしい技術を用いて実施するための試験事業と位置付けられている。IASでは再生可能エネルギーの他に最新の通信・医療・バイオ技術や、農業工場・ロボット技術・IoT・AI・3D印刷など様々な最新技術を導入して、北極圏における居住・労働環境の改善を図ることを目標とする。
      • 原文 January 30, 2020, Eurek Alert(長谷部正道)
    • 【5】The Mission to Seafarers: 船員幸福度指標(2019年第4四半期)を発表
      • 【5】The Mission to Seafarersが船員幸福度指標(2019年第4四半期)を発表したところその概要は以下のとおり。①船員幸福度指数は第3四半期(6,59)と比べると減少(6.13)した。②船上における人種差別の問題が増加しているだけでなく、人種差別を受けている船員が問題を解決する方法がないと感じていることが問題。会社から独立した人種差別に対する相談・不平受付窓口・手続きを業界として導入することを求める声もある。③女性船員に対する性的嫌がらせなど被害者をいじめたり攻撃する加害船員を裁く会社の手続きが公正でなく、加害者を保護するような傾向がある。④肯定的な意見としては、家族を養い特に子供に適切な教育を与えていることを誇りに感じている。⑤教育・訓練についても、船員の知識・技量の向上に対する会社の支援に感謝する意見が多かった。
      • 原文 January 28, 2020, The Mission to Seafarers(長谷部正道)
    • 【6】欧州全体の再生可能エネルギー利用率は向上しているが遅れている国も多い
      • 【6】欧州全体の再生可能エネルギー利用率は長年に渡り安定した向上を示しており、最新のEurostatの情報によると、2018年は全体の18%を達成したとのことである。再生可能エネルギーの比率は2004年と比較すると2倍以上に増えており、その最大の供給源は風力発電であるが、2019年上半期は石油・石炭による発電量を上回り、ポルトガルに至っては、必要とされるエネルギー総量の100%を水力・風力発電のみで賄った。その一方で、多くのEU諸国は未だに化石燃料に依存しており、例えば、2018年のスウェーデンでは再生可能エネルギー比率が50%以上を達成したのに対し、ベルギー、ルクセンブルク、マルタ、オランダでは10%以下に留まっている。現状、EU内で再生可能エネルギーの利用率が20%に到達したのは13国で、英国を含めた残る15の国々は後れを取っており、各国間のエネルギー利用率の格差の広がりにより、2020年末までの欧州全体目標である20%の達成が危ぶまれている。
      • 原文 January 30, 2020, European Environmental Bureau(植木エミリ)
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