2020/01/30LROニュース(6)

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  • 2020.01.31 UP
    2020/01/30LROニュース(6)
    • 【1】IMO 2020: 頻発するVLSFOの不安定化と残渣の問題
      • 【1】IMO 2020規制の実施に伴い、低硫黄規制適合油(VLSFO)の使用量が昨年の10月から急増しているが、ブレンドVLSFOの科学的特性や品質の問題から、低温で固体化したり、油が不安定化するなどの問題が発生することが懸念されていたが、現時点までの状況では、燃料油が不安定となり残渣(sediment)が形成される問題が多く報告されている。燃料の品質検査を業務とするVPS社によれば、12月24日から1月21日の間に、VLSFOの残渣問題に関して既に7件の警告情報を発出したが、問題は特定港に限定されず、シンガポール・ピレウス・アムステルダム・ロッテルダム・マイアミ・サンビセンテなど広範な港湾で供給されたVLSFOで問題が発生している。同社によれば、わずか4週間の間に7件もの警告を出さなくてはいけないのは極めて異例な状況である。
      • 原文 January 21, 2020, VPS(長谷部正道)
    • 【2】循環型経済への転換は大きなビジネスチャンス
      • 【2】国連持続可能開発目標(SDGs)の実現のために循環型経済への転換が不可欠であるとの認識が広まっている。循環経済移行に関する今後10年間の新たな事業規模は4.5兆ドル(約490兆円)と予測される一方で、企業経営者は株主から循環型経営に移行するための戦略が問われる時代となっている。現在の循環率はわずかに8.6%で、天然資源の生産量が増え続ける中で、循環率はむしろ低下の傾向にあり、天然資源生産の増加は生物多様性の喪失や生態系の破壊する世界的なリスクとなっている。循環型経済を促進してパリ協定の目標やSDGsの実現を図るため、世界の70人以上のリーダーと20の官民のコミュニティが集まって、循環型経済促進のためのプラットフォーム(PACE)が結成され、電化製品と資本財・プラスチック・ファッションと繊維製品・食糧と農業の4分野に焦点を当てて循環型経済の推進を進めている。
      • 原文 January 22, 2020, 世界経済フォーラム(長谷部正道)
    • 【3】BNP ParibasとCredit SuisseがPoseidon Principlesに参加
      • 【3】Poseidon Principlesは世界で最初の特定分野に特化した金融機関による気候変動対策の実現を支援する自主的な組織で、それぞれの金融機関の融資ポートフォリオが、IMOにおいて合意された「海運から排出される年間GHG排出量を2050年までに半減する。」という目標に沿ったものとなっているか数量的に評価・公開して、各金融機関の気候変動に関する投資リスクを管理することを目的として、Citi/DNB/Societe Generalがマースク・ロイズ船級協会等と連携し、Global Maritime ForumやUCLの支援を受けて、2019年6月に設立した。このたび、海運業界に対する世界で最大の貸し手であるBNP ParibasとCredit Suisseが加入して、加入金融機関数は16行となり、海運業界に対する貸付総額が1400億ドル(約1兆5300億円)で世界の貸付シェアの約3割を占めるに至った。(なお、日本の金融機関は未だ参加していない。)
      • 原文 January 22, 2020, Poseidon Principles(長谷部正道)
    • 【4】気候変動に伴う海面上昇で2100年までに米国内で1300万人が移住
      • 【4】2017年にテキサス州を襲った大型ハリケーンにより、海岸沿いの多くの人々は内陸部へ移り住むことを余儀なくされたが、今後10年以内に同じことが更に大きな規模で起こるだろうと南カリフォルニア大学の研究は明らかにした。この研究は、過去の大型台風発生時の実際の人々の移住パターンを学習させたAIが予測したものであり、2100年までに米国全土で約1300万人が移住する見通しである。海面の上昇は氷床と氷河が溶けることによる海水の増加と、海水温の上昇による海水の体積膨張によって引き起こされるが、21世紀末までに6フィート(約1.8m)海面上昇する結果、フロリダ州南部・北カリフォルニア州・ヴァージニア州の一部の海岸地域とボストン・ニューオリンズの大部分が水没し、海岸線が書き換えられてしまうことが予測されている。
      • 原文 January 22, 2020, 南カリフォルニア大学(植木エミリ)
    • 【5】NCSR 7: インドと日本の衛星位置情報システムの採用を検討
      • 【5】1月15日から24日の日程で国際海事機関(International Maritime Organization:IMO)の第7回航行安全・無線設備・捜索救助小委員会(Navigation, Communications and Search and Rescue: NCSR7)が開催され、日本及びインドの衛星測位システムについて、全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System: GNSS)として認証を得るために情報提供がなされ検討が行われた。GNSSは、現在、米国のGPS、ロシアのGlonass、EUのGalileo及び中国のBeidouから、世界中の船舶に対して測位、航海及び測時(Position, Navigation and Timing: PNT)情報を提供しており、PNT情報は電子海図表示システム(ECDIS)や自動船舶識別装置(AIS)などで利用されている。インド地域航法衛星システム(Indian Regional Navigation Satellite System: IRNSS)は、現在7機の衛星から構成され既にPNT情報を地域的に提供しているが、今後5年をかけて衛星の数を11機まで増やす予定。日本の準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System: QZSS)は4機の衛星を使用してPNT情報をアジア太平洋地域で提供しており、2024年までに衛星の数を8機まで増やす予定。
      • 原文 January 17, 2020, Riviera(若林健一)
    • 【6】中国国内の規制適合油の十分な供給体制が第2四半期以降までずれこむ
      • 【6】中国国内の石油精製事業者が十分な量のIMO規制適合油(VLSFO)を生産・供給するためには、生産計画や原油の在庫を見直し、生産設備を改善し、規制適合油を運ぶパイプラインや貯蔵するタンクを整備など物流面も改善する必要がありこうした準備作業は少なくとも3か月以上かかるため、中国の石油精製事業者によって十分な量の規制適合油が供給されるのは早くても第2四半期以降となる見込み。中国石油化工(Shinopec)と中国石油天然気集団(CNPC)は2社合計で年間約1400万トンのVLSFOを生産することを約束し、他の中国の石油精製事業者も少なくとも400万トンのVLSFOの生産を約束しているが、現在は試験的に少量のVLSFOを生産しているのみで、大部分はシンガポールや韓国からの輸入に依存している。
      • 原文 January 23, 2020, Reuters(長谷部正道)
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