2019/12/24LROニュース(6)

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  • 2019.12.25 UP
    2019/12/24LROニュース(6)
    • 【1】 フーシ派がFSOからの油の流出防止のため国際支援を要請
      • 【1】洋上の油保安施設(Floating Storage and Offloading terminal:FSO)として使用するために、イエメンのラスイッサ港の沖約7海里に100万バレル以上の原油を搭載した状態で係留されているタンカーが爆発の危機に瀕しており、フーシ派が国際的な支援を求めている。同タンカーは1988年以来沖合でイエメン産の原油を別のタンカーに搭載するための施設として使われてきたが、2015年以降はフーシ派による支配が続いており、船体の保守は行われておらず、タンク内で発生する引火性ガスによる爆発を避けるために使用する不活性ガスも補充されていないことから、船体の老朽化が進むことで壊滅的な爆発が発生し、流出した大量の原油がアデン湾などにも達する危険があり、既に原油の流出が始まっているとの報告も寄せられている。フーシ派は同FSOをイエメン政府との交渉の切り札として考え、同FSOの状況を調査するための国連査察団の派遣を拒んできた経緯があるが、フーシ派によれば、昨年12月に結ばれた協定で保障されたフーシ派による同FSOからの原油の積み下ろし作業がサウジアラビア主導の連合軍により妨げられていると主張している。
      • 原文 December 18, 2019, World Maritime News(若林健一)
    • 【2】 海運業界が50億ドルかけてGHG削減技術開発のための新研究組織創設を提案
      • 【2】12月18日、国際海運会議所(ICS)をはじめとする海運業界8団体は、2018年にIMOで合意された2050年までのGHG半減目標達成に必要な新技術を開発するために、海運事業者が50億ドルを負担して、新たな研究開発組織である国際海事研究開発理事会(International Maritime Research and Development Board: IMRB)を新設する共同提案を発表した。必要資金は、世界の海運会社が購入する船舶燃料1トンにつき2ドルを徴収して、10年間に50億ドルを徴収する。この50億ドルを使用して、船舶から排出されるCO₂を削減する技術を進め、2030年代初めに、商業的採算もとれるCO₂を排出しない船舶を開発することを目指す。ICS等の海運業界は2020年3月のMEPCに、MORPOL条約を改正して、2023年までにIMRBを創設するために、研究開発計画の運営や資金供給に関する具体的な提案を提出する予定。公開されているMEPC提出文書は下記リンク参照。
      • 原文 December 18, 2019, ICS(長谷部正道)
    • 【3】 USCG: サウスカロライナ沖のロシアスパイ船の不審運航について警報
      • 【3】米国沿岸警備隊(The United States Coast Guard:USCG)は、ロシアのスパイ船The RFN VIKTOR LEONOVがサウスカロライナ州やジョージア州の沖合で、視界が制限される状況においても航海灯を点灯しない、衝突を避けるための商船からの呼びかけにも応答しないといった不審な運航を続けているとして、12月16日に航行警報を発表した。USCGは付近を航行する船舶に対して、厳重な見張りと警戒態勢をとるとともに危険な事態に遭遇した場合は直ちにUSCGに報告するよう呼びかけている。
      • 原文 December 16, 2019, USCG(若林健一)
    • 【4】 中国:最初の国産空母が就役
      • 【4】12月17日、中国初の国産空母「山東(Shandong)」の就役式が習主席も出席して行われた。山東の建造はThe China Shipbuilding Industry Corporationの大連造船所で2013年11月に開始され、2018年5月に最初の海上試運転が行われて以降、さらに9回の海上試運転が行われ、最初の海上試運転で、台湾海峡を通過し所属基地がある海南島の三亜に入港するため南シナ海へ入域した。山東は、1998年に中国がウクライナから購入し、改修して中国初の空母として2012年9月25日に就役させた「遼寧(Liaoning)」が基礎とするソビエト連邦のKuznetsov型空母の改良版で、遼寧と同様にスキージャンプ台型の飛行甲板を有し短距離離陸拘束着艦方式(STABOR)を採用しているが、遼寧がJ-15戦闘機を24機しか搭載できないのに対し、同機を36機、その他Z-9型ヘリコプターやKJ-600早期警戒機を含めて40機の航空機を搭載できる。中国は、2017年4月に上海にある造船所で、既に就役した2隻と異なる電磁式カタパルト方式(EMALS)を採用し、その排水量は8万トンに及ぶとされる002型空母(仮称)の建造に着手しているが、2018年11月のSouth China Morning Postによる報告では、予算削減などの理由から建造作業に遅れが出ていると見られている。中国は2035年までにEMALSを採用した原子力空母4隻を含めた6隻の空母を就役させるものと見られている。
      • 原文 December 18, Defense & Security Monitor(若林健一)
    • 【5】 European Green Deal実現に必要な資金分担は?
      • 【5】12月11日、欧州委員会はEUを2050年までに炭素中立にするEuropean Green Deal (EGD)を発表した。2020年後半には、2030年までのGHG削減目標を現在の1990年実績比40%の削減から50-55%削減に引き上げることも予定されているが、既に産業界からは懸念の声が上がっている。EGD実現のための全体コストはまだ明らかになっていないが、ポーランドや中・東欧諸国からの反対をかわすために、エネルギー政策転換の負の影響を受ける者を救済するためのJust Transition Fundを1000億ユーロの規模で立ち上げることが発表されている。EUが既存の気候変動目標を達成するためには年間2600億ユーロの追加投資が必要であるとの試算もあり、新委員長は欧州投資銀行が2030年までに官民共同で1兆ユーロの投資を行うとも発表している。2021年から2027年のEUの予算に対する各国の負担割合は当初予定されていた国民総所得の1.11%から1.07%に引き下げられており、EGD実現のために必要資金に対する予算の不足が拡大する恐れがある。
      • 原文 December 16, 2019, Energy Post EU(長谷部正道)
    • 【6】 米上院安全保障小委員会公聴会:北極圏で存在感を増す露と中国
      • 【6】北極圏における露・中の活動について12月12日米上院安全保障小委員会の公聴会で国際戦略研究所の専門家等が証言したところその概要は以下のとおり。①2019年の露の北極圏における最も注意すべき軍拡は、北極圏の全てのロシア軍の基地に、超長距離地対空ミサイルのS400が配備したことである。このミサイルが全基地に配備されたことによって、対ミサイルドームが完成したようなもので、米軍による基地攻撃が困難となった。②USCGの6隻の新型砕氷船の建造が承認されるまでに10年近くも議論に費やされたが、露・中に対抗していくためには必要な装備をより迅速に配備する必要がある。③露は北極海北航路の支配力を強化し、北極海で超音速ミサイルの実験を始めて実施したり、2023年までに武装した最初の砕氷船を投入する予定。④米海軍が南シナ海で実施しているような航行の自由作戦(FONOPS)を北極海で実施するのは不可能。
      • 原文 December 17, 2019, KTOO(長谷部正道)
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