2019/12/19LROニュース(6)

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  • 2019.12.20 UP
    2019/12/19LROニュース(6)
    • 【1】 グリーンランドの氷河が7倍の速度で溶けて最悪のシナリオで海面が上昇
      • 【1】リーズ大学等の研究者達が、12月10日サイエンス誌に発表した新たな研究によると、グリーランドの氷河の融解の促進は1990年代から始まったが、89人の科学者が26の別々の衛星観測情報を分析した結果、これまでの速度の7倍のペースで氷河が失われていることが分かった。1990年代には平均して年間330億トンの氷河が融解していたが、最近では年間2540億トンのペースで氷河が融解している。この結果、1992年以来の累計で合計4兆トンの氷河が融解して北極海に流れ込み、全世界の海面を約1cm上昇させた。わずか1cmではたいしたことが無いように思えるが、世界的に海面が1cm上昇するだけで、600万人の住民が洪水被害を受けることになる。氷河の体積ではグリーンランドは世界第2位だが、このペースで融解が進むと今後1000年間で世界の海面を6m以上押し上げることとなり、国連の政府間気候変動パネル(IPCC)が想定する最悪の海面上昇のペースと一致し、今世紀末までにグリーンランドの氷河の融解分だけで世界の海面が16cm上昇することとなる。
      • 原文 December 10, 2019, Washington Post(長谷部正道)
    • 【2】 UNEP: 「サンゴ礁の修復と対応計画に関する現在・将来の優先順位」報告書
      • 【2】国連環境計画(UNEP)等が「サンゴ礁の修復と対応計画に関する現在・将来の優先順位」に関する中間報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①サンゴ礁は生物多様性の保全の観点から重要だが、存続の脅威にさらされており、気候変動を受けて既存のサンゴ礁管理対策では不十分であるという認識が広まり、サンゴ礁の修復やサンゴ礁の天敵の管理について検討が進められている。②80の国や機関が参加する国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)は、2019年にサンゴ礁の修復のための暫定委員会を、サンゴ礁修復に関する優秀事例の共有などを目的に結成した。③委員会は、ICRIのメンバーに対して、共通の関心事項を明確にし、世界的・地域的な協力を促進し、サンゴ礁修復のための研究開発への共同投資の機会を明らかにするためにアンケート調査を実施した。④この結果、サンゴ礁修復の阻害要因となっているのは必要な資金と政治的な意思の不足であることが分かった。⑤以上を踏まえて、委員会は中間報告として、気候変動とサンゴ礁に悪影響を与えている原因への対策の強化・研究開発投資の促進・先進事例の共有と連携の促進等の必要性を提言している。
      • 原文 December, 2019, UNEP(長谷部正道)
    • 【3】 米上院でUSCGが北極海で果たすべき役割について公聴会が開催
      • 【3】12月12日、アラスカ州選出の米国上院議員で上院の保安に関する商業小委員会の議長を務めるDan Sullivan氏は、北極海における現在の米国沿岸警備隊(US Coast Guard:USCG)の活動状況と北極海における米国の戦略的優先事項に対応するためにUSCGがどのような能力と装備を必要とするのかを調査するための公聴会を開催した。同氏は質問の第一声で、北極海におけるUGCG、米海軍及び商船の活動を支援するために必要なインフラ整備や大型船の寄港が可能となる港の整備が持つ重要性を訴え、公聴会に招かれたUSCG副長官や3名の政策に関する専門家もこれに賛同する意見を述べた。また、同氏は、支持表明や立法を通してUSCGの活動に関する優先事項を前進させるため、本年10月30日に上院にUSCG議員連盟を設置したことを発表するとともに、米連邦政府に対して米国民やその経済にとって北極海が重要であることを認識させ、米海軍やUSCGの北極海における行動能力と課題への対応能力に関する戦略を提示させるための新法(the Strategic Arctic Naval Focus Act of 2019)の成立を目指すことを明らかにした。
      • 原文 December 12, 2019, Senator Sullivan(若林健一)
    • 【4】 アジア・太平洋地域のドライバルク船主の燃料補給の動向
      • 【4】アジア・太平洋地域のドライバルク船主の多くは既にIMO2020規制適合油への切り替えを終えているが、これらの船主や運航船社は船舶の運航の安全の確保と取り扱いが容易という観点から、ブレンドされた低硫黄分の燃料油(LSFO)ではなく、ブレンドしていないLSFOの給油を優先し、非ブレンドのLSFOを給油できる港湾に寄港する際には、事前に給油予約をして、貨物を積載するスペースを削減しても、積載できるだけ最大量の非ブレンドLSFOの給油を受ける傾向がある。また船主はLSFOの粘度にも着目しており、100 CST以下の低粘度のLSFOは不完全燃焼や船舶の機関の能力に影響を与えることもある。さらに船主や船社はLSFOに対応した給油バージの不足などの要因で、港湾によっては給油に必要な時間が待ち時間も含めて通常より長くなることについても懸念しており、こうした懸念を解消するために給油できる港湾で、船舶に積載可能な最大限のLSFOを積載するという行動をとっている。
      • 原文 December 12, 2019, Dry Bulk Magazine(長谷部正道)
    • 【5】 EU理事会:2050年炭素中立化目標の例外をポーランドに認める
      • 【5】12月13日、EU理事会は、首脳による10時間の議論を経て、加盟国全体で2050年までに炭素中立を実現することを合意したが、産炭国で石炭に過度に依存しているポーランドが強く反対したため、暫定的にポーランドだけ合意の枠組から外すことを決定した。他の東欧諸国も合意に加わるにあたってEUからの財政支援などを要求した。チェコとハンガリーは目標達成手段の一つとして原子力発電を含めても良いことを確認したうえで合意した。同時に、欧州投資銀行は、エネルギー転換を促進するため、気候変動対策や環境の持続可能性の確保のため、2021年から2030年までの間に、1兆ユーロを投資すると発表した。英国はこの首脳会議に参加していないが、EUを離脱後も独自に2050年までに炭素中立化を実現することを既に発表している。
      • 原文 December 13, 2019, BBC(長谷部正道)
    • 【6】 トーゴ沖でタンカーから20人の船員が海賊に誘拐される
      • 【6】アンゴラのルアンダ港を出港してトーゴのロメ港に向けて、同港の南東約115海里の沖合を航行していたマーシャル諸島船籍のタンカーが、12月12日に6人の海賊に襲撃され、ナイジェリア人船員1名を除いたインド人船員20名が誘拐されたとの報告があった。本誘拐事件は、今年に入り西アフリカ海域で発生した船員の誘拐事件のうち一度に誘拐された船員の数が最も多いケースとなり、1月以降に同海域で誘拐されたインド人船員の総数は89名に及んでいる。今年に入りトーゴやベニン沖合で発生した襲撃事件は2018年に比較して僅かながら減少しているものの、誘拐事件の発生件数は2018年が0件であったのに対し今年は5件発生しており、本誘拐事件はトーゴ沖で発生した4件目の誘拐事件となった。本件の具体的な犯行手口は明らかでないが、発生場所が沖合であることから犯行グループは母船を使用して海賊行為に及んだものと思われ、これはナイジェリアの排他的経済水域内における効果的な取り締まりの成果の結果として、誘拐事件を含む重大犯罪がナイジェリアの排他的経済水域の外側で増えている傾向を表している。
      • 原文 December 15, 2019, Dryad Global(若林健一)
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