2019/12/10LROニュース(6)

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  • 2019.12.11 UP
    2019/12/10LROニュース(6)
    • 【1】 Global Carbon Budget 2019: 世界のCO₂排出量増加のペースが鈍化
      • 【1】12月4日、COP25で発表されたGlobal Carbon Budget 2019報告書によれば、米国と欧州における石炭使用量の減少や、世界の石炭消費量の半分を担う中国とインドにおけるエネルギー需要の鈍化、さらには全世界的な経済成長率の鈍化によって、2019年における世界のCO₂排出量の増加のペースが鈍化する見込みであることが分かった。具体的には、2018年にはCO₂の排出量が対前年比で2.1%増加したのに比べて、2019年は対前年比0.6%の増加にとどまる見込み。一方で、石油・ガスに対する需要は増加しており、地球温暖化を食い止めるためにGHG排出量を大幅に削減するという目標からはまだ大幅に乖離しており、2019年の排出量は、2015年実績と比較して4%増加する見込み。報告書の著者によれば、再生可能エネルギーの開発や電気自動車の普及だけでは、化石燃料からの排気ガスの増加率の減少に貢献するだけで、パリ協定の目標達成のためには程遠いとしている。
      • 原文 December 4, 2019, Reuters(長谷部正道)
    • 【2】 荷主がコンテナ船社に対し正確なCO₂排出量計算方法を提供することを要請
      • 【2】デンマークに本社を置く海事情報調査会社のSea-Intelligence社が12月初めに発表した報告書によれば、現在コンテナ船社各社が発表しているCO₂排出量の計算方法に問題が多く、情報の信頼性が極めて低いことが分かった。自社の物流に関し、CO₂の削減に熱心な荷主は、コンテナ船社がこうしたいい加減な計算方法を公表していることにうんざりとしている。世界荷主フォーラム(Global Shipping Forum)の事務局長は、船社はCO₂排出量の計算方法に関する情報の透明性を高め、排出量の計算方法の信頼度を高めるため、国際的に共通で認定された方法でCO₂の排出量を算定すべきとしている。世界の上位15社のコンテナ会社のうち10社は、荷主に対して、自社のホームページにおいてオンラインでCO₂を計測するソフトを提供しているが、Sea-Intelligence社はこれらのソフトが利用しているデーターの質が低く、ソフト自体が数年にわたって更新されていないものがあり、全く信頼できないとしているが、この指摘が正しければ計算ソフトを提供しているコンテナ船社ばかりでなく、その計算ソフトを正確なものとして認証している世界のトップクラスの船級協会にとっても、大きなダメージとなりうる。
      • 原文 December 5, 2019、Splash 247(長谷部正道)
    • 【3】 インド・太平洋地域における航行の自由作戦や人道支援を通じた米国の取組
      • 【3】元空軍准将で現在は東アジア・太平洋担当の米国務次官補を務めるDavid Stillwell氏は12月2日、米海軍による南シナ海における航行の自由作戦は、開かれた海上輸送路を確保するという米国の決意を実行したものであり、中国政府及び南シナ海周辺国への紛れもないメッセージであると語った。また、同氏は、米国は航行の自由作戦や自然災害等に対する人道的支援を通して、南シナ海周辺の同盟国に対して長きにわたり貢献してきたが、反対に中国は、南シナ海や東シナ海における海底資源の権益や排他的経済水域の拡張のために、これらの国との関係を取引関係としてしか見ていないと指摘した。さらに同氏は、米国は南シナ海周辺の同盟国だけでなく中国も含めて多元的共存を目指しており、これらの国に対して米国か中国かどちらかを選択するよう強制することもせず、米国の方針は成長を続ける中国を喜んで受け入れると述べた。一方で情報の安全確保に関しては、米国は中国との間で一線を引くとともに、同盟国に対してはファーウェイの技術を取り入れることへの危険性を警告している。
      • 原文 December 4, 2019,USNI News(若林健一)
    • 【4】 河川河口部で真水と海水の違いを生かした新たな発電方法を開発
      • 【4】新たな膜技術を活用して、真水と海水の化学成分の違いを利用して発電する技術が開発中である。この技術が実用化すれば、全世界で毎年川から海に流れ込む3万7千㎦の水を活用して、原子炉2000基分の発電量である2.6テラワット分の無炭素電力の供給が可能となる。こうした海水と真水の違いを利用して発電する方法はいくつかあり、これまでもいくつかの試験プラントが建造されたが、発電コストが高すぎて実用化に至らなかった。2013年に仏の研究者チームが、窒化ホウ素系ナノチューブ(BNNT)を利用して、プラスイオンとマイナスイオンを分離して発電する技術を開発したが、BNNTを実用化に必要な大きさの膜にすることができなかった。このほど、米国の研究者がBNNTを膜化する技術を開発し、仏のチームより8000倍大きな電力を発電することに成功した。実用化のためには、更なる研究開発が必要だが、新たなBlue Energyの可能性が提示された。
      • 原文 December 4, 2019, Science(長谷部正道)
    • 【5】 EU Green Deal: 外航海運を排気権取引制度の対象に
      • 【5】EUの交通分野から排出されるGHG総量における海運分野のシェアは13.6%と高くはないが今後毎年シェアが高まっていくことが予想され、新しい交通担当のバレアン委員は、委員就任承認のための欧州議会における聴聞で国際海運を排気権取引制度(Emissions Trading Scheme: ETS)の対象とすることを明言している一方、 国際海運は国際競争にさらされており、EUの環境規制によって、非EUの海運会社に貨物がシフトしてcarbon leakageが発生することが無いよう慎重に実施する必要があるとも指摘している。欧州議会では2020年から海運をETSの対象とする準備を既に進めている。IMOにおいては、海運業界はETSの代わりの市場措置として、燃料税の導入を画策しているが、2050年までに海運分野におけるGHG排出量を半減するという目標を実現するためのいかなるロードマップも示されていない。
      • 原文 December 5, 2019, Euractiv(長谷部正道)
    • 【6】 ReCAAP: 週間海賊報告(11月26日から12月2日分)
      • 【6】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)に、11月26日から12月2日まで通報された事故は、重要度3(賊は武装するも乗組員の負傷なし)の窃盗事件が2件及び重要度4(賊は武装せず、乗組員の負傷なし)の窃盗事件が1件報告されたところ、その概要は以下のとおり。①11月28日午前4時58分ころ、シンガポール海峡の東航レーンを航行中の貨物船において、当直中の機関士がエンジンの部品を取りに舵機室に行ったところ、5人の賊と遭遇した。機関士は賊にナイフを突きつけられたが自力で逃げ出し警報を作動させたため、賊は何も盗らずに逃走した。②11月28日午後11時20分ころ、シンガポール海峡の東航レーンを航行中の貨物船のエンジンルーム内で機関長が4人の賊を発見、賊のうち1名は刃渡り約50センチメートルの刃物を所持していた。機関長が船長に報告し警報が作動したことから賊は何も盗らずに逃走した。③11月30日午前3時30分ころ、比バタンガス市タバンガオ港沖の錨地で錨泊中のタンカーに2人の賊がホースパイプを伝い乗船、当直士が気付き船長に連絡し警報が作動したことから、賊は逃走したが、船首倉庫から消火用ノズル1本、消火装置のカバー1式及び蝶ネジ5本が盗まれた。
      • 原文 December 3, 2019, ReCAAP(若林健一)
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