2019/11/15LROニュース(6)

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  • 2019.11.18 UP
    2019/11/15LROニュース(6)
    • 【1】 船員のメンタルヘルスと福祉に関するカーディフ大学の調査報告書
      • 【1】職業安全健康研究所(Institution of Occupational Safety and Health)の委嘱により、カーディフ大学の船員国際研究センターが、1500人以上の船員を対象にアンケート調査や面接調査を実施した船員のメンタルヘルスに関する報告書が公表されたところその概要は以下のとおり。①長時間労働・孤独・家族や友人と長期間離れた生活・劣悪な居住環境と食事が、不安やうつ病といった船員のメンタルヘルスの問題を生み、問題を抱える船員の数は増加している。②海運会社はこのような船員のメンタルヘルスにかかわる問題を予防するため、インターネットの整備・船内居住環境の向上・レクレーション活動の提供といった船内環境の向上を図って、船員を支援することが肝要。③船員の雇用主に対する調査では、過半数(55%)の雇用主が船員のメンタルヘルスに関する問題に対していかなる対策もとっていないことが判明した。
      • 原文 November 6, 2019, IOSH(長谷部正道)
    • 【2】 EMSAが2019年版海難事故の概要報告書を発表
      • 【2】11月7日、欧州海上保安庁(EMSA)が2019年版海難事故の概要報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①2018年にEMSAに報告があった海難事故数は3174件で、これまでの海難事故と合わせて、EMSAが管理する「欧州海難情報プラットフォーム(European Marine Casualty Information Platform)」に蓄積された海難事故情報は累計で23000件を超えた。②重大海難事故の件数は2014年以来継続して減少しているが、2018年においても重大海難事故件数は95件と減少傾向が続いた。③2011年から2018年の期間において、426件の海難事故により、696人の人命が失われ、2018年においては53名が死亡した。④2018年の負傷者数は941人と、過去4年間の平均年間負傷者数である989人とほぼ同じ水準となった。⑤貨物船に限定すれば、2018年に1508隻の貨物船が事故にあい、36人が死亡、3隻が全損した。
      • 原文 November 7, 2019, EMSA(長谷部正道)
    • 【3】 米国がパリ協定からの正式な脱退手続きを開始
      • 【3】11月4日、米国務長官は同国がパリ協定からの脱退について正式に国連に通告したと発表した。通告から1年後に脱退が発効する見込み。トランプ大統領は同国のパリ協定からの離脱を既に2017年に表明していたが、今回の正式な通告により、2020年の大統領選挙直後に米国の脱退が発効することとなる。現政権はオバマ政権が打ち立てたClean Power Planを見直し、燃料効率性基準を緩和するなど、環境規制の緩和を政権の最優先事項としており、今回の正式な通告もこうした政策の一貫として実施された。地球温暖化による悪影響がより顕在化する中で、世界最大のGHG排出国である米国が、国際的な気候変動対策から抜けるという強烈なメッセージを世界に与えたことになる。
      • 原文 November 4, 2019, CNN(長谷部正道)
    • 【4】 EU排出権取引制度の入札に関する規則が改正
      • 【4】11月8日、EU排出権取引制度(ETS)第4期(2021年から2030年)に適用される、ETS入札規則(ETS Auctioning Regulation)を改正する規則(deregulated regulation)がEU官報に公示された。この改正規則については、2か月の審査期間(scrutiny period)を経て、既に欧州議会・欧州理事会の承認を受けており、官報公示後20日後の11月28日に発効する。今回の改正は、2012年に入札規則が制定されて以来の実質的な改正であり、ETS指令が2018年に改正されたことに伴う第4期に適用される新たな規則を反映して改正されたもの。今回は特に変革近代化基金(Innovation and Modernization Fund)専用の排出権を資金化する際の共通入札プラットフォームの利用に関する改正が実質的な改正内容となっている。
      • 原文 November 8, 2019, EU(長谷部正道)
    • 【5】 南シナ海における影響力を失いつつある米国
      • 【5】バンコクで開催されたASEAN首脳会議では、南シナ海における中国との領土紛争についてはほとんど進展が見られなかったが、米国大統領が欠席する中で、中国の李首相は親中派のカンボジア・ラオスとインフラ関連等の協定を締結するなど着実に影響力を拡大した。中国がカンボジアの海軍基地を30年間優先的に使用できる協定が結ばれ、中国が新たな拠点を構築したにもかかわらず、南シナ海問題をめぐるASEAN関係国会議は結局開催されなかった。一方、米国はオブライエン国家安全保障問題担当大統領補佐官という閣僚以下の代表が出席したため、恒例となっている米=ASEAN首脳会議を欠席するASEAN首脳が続出した。ASEAN=中国首脳会議の調整役を務めた比大統領は、南シナ海問題については、中国とASEAN諸国双方の自己抑制と信頼関係の醸成が必要としたうえで、中国に対する非難を避け、南シナ海問題に関する米国への支持表明を拒否した。ASEAN首脳は、長い間交渉が継続している南シナ海における法的拘束力を持つ行動規範(Code of Conduct)について今後3年以内に最終合意し、同海域における偶発的な衝突を防止し、航行と上空飛行の自由を保障し、紛争の平和的な管理体制を構築することに合意した。
      • 原文 November 5, 2019, Asia Times(長谷部正道)
    • 【6】 MPA:Maritime Singapore Green Initiativeを改訂しLNG燃料を促進
      • 【6】シンガポール船舶登録(Singapore Registry of Ships)フォーラム開催にあたり、11月8日シンガポール海事港湾庁(MPA)がいくつかの新政策を発表したところその概要は以下のとおり。①海運の非炭素化に焦点を当てて、既存のMaritime Singapore Green Initiativeを改訂したうえで2024年末まで5年間延長し、さらにGreen Ship Programme (GSP)とGreen Port Programme (GPP)の中に新たなGHG削減のためのインセンティブを盛り込む。②具体的には、LNGをはじめとするGHG排出量の少ない代替燃料を使用する機関の採用を促進する新たなインセンティブをGSP中に定める。③IMOエネルギー効率設計指標(EEDI)の基準を超える船舶が同港でLNG燃料油を使用するための新たなインセンティブをGPP中に規定する。④同港におけるLNG燃料補給を支援するため、2020年第3四半期以降、船舶から船舶への(ship to ship)補給を実施するための2隻のLNG補給船の建造を支援するとともに、2020年中に貨物の積み下ろし作業とLNG燃料の供給が同時に行えるようにする。
      • 原文 November 8, 2019, MPA(長谷部正道)
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