2019/11/06LROニュース(6)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2019/11/06LROニュース(6)
  • 2019.11.07 UP
    2019/11/06LROニュース(6)
    • 【1】 北極海の漁業と国際的協調の必要性
      • 【1】(論説)漁業資源と海の境界問題は共に管理と監視が難しいため、小規模な国家間の紛争発生する際の原因となりやすい。漁業資源、特に回遊魚は目に見えない国境を越えて移動する貴重な資源で、各国が勝手に短期的な収益を念頭に乱獲すれば、漁業資源が枯渇することとなる。このような各国による無秩序な乱獲に加えて、近年は気候変動に伴う地球物理学的な海洋環境の変化による回遊魚の回遊パターンの変化が新たな問題となってきており、北極海とその隣接海域は世界の他の海域と比べてもこの新たな問題の影響をより強く受けている。国連では2020年代を「持続可能な海洋のための10年」としているが、地域住民にとっての漁業の重要性や、各国のプライドの問題を軽視すれば、漁業問題はさらなる国際紛争の火種となりかねない。
      • 原文 October 22, 2019, The Arctic Institute(長谷部正道)
    • 【2】 インド:領海内を航行する船舶内で使い捨てプラスチックの使用を禁止
      • 【2】インド政府は海洋環境汚染の防止について長年にわたりUNEPやIMOと連携してきたが、船舶において使用された使い捨てプラスチック製品の無責任な海洋投棄による海洋汚染を防止するため、インド海事局はインド領海内を航行する全ての船舶において、プラスチック製の使い捨てナイフ・フォーク・スプーン・皿・カップ・ボトル・袋・液体洗剤のボトルの使用を即日禁止すると発表した。2020年からは他の使い捨てプラスチック製品も禁止リストに追加される予定。
      • 原文 October 23, 2019, World Maritime News(長谷部正道)
    • 【3】 IMO 2020規制強化に関する造船所の責任
      • 【3】IMO2020規制に関しては、造船契約上の違反を含む造船所の責任についてこれまでに詳しい検討はされてこなかったが、MARPOL附属書VIの第14.1.3規則は、造船事業者を利害関係者として記載しており、例えば、造船所が船舶引渡し前の試験航海中に規制不適合油を使用した場合には、同規則の違反となる。その他にもIMO2020規制に関連して、造船契約上の違反とみなされる可能性はあるが、どのような場合が契約違反とみなされるかについては、公開された解説書等はない。例えば、2020年1月1日以降、規制適合燃料油の供給に不安がある地域を航行する船舶にスクラバーが装備されていなかった場合に、船級協会が船級を与える際に改善勧告や条件付きの船級を付与することがありうるのか?同様の場合に、耐航性の問題ありとされるか?等の疑問について「然り」ということとなった場合に、例えば、日本造船工業会の標準契約約款の第1条において、「造船事業者は、船級協会や他の規制当局の規制・基準に適合した船舶を納入する義務がある。」とされていることから、造船事業者の契約上の責任問題となる可能性が出てくる。
      • 原文 October 23, 2019, Hill Dickson(長谷部正道)
    • 【4】 ReCAAP ISC: シンガポール海峡東航船舶に対する警報を発出
      • 【4】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)は、シンガポール海峡東航レーンの西部を航行中の船舶に対する賊の乗込み事案が、2019年9月30日、10月18日及び10月19日にそれぞれ近接した場所で発生し、このうち10月19日の事件については、賊が銃器と刃物で武装し当直中であった機関員の腕を縛りエンジンの予備品を盗んで逃走したとして、10月23日に警報を発出し、すべての通航船舶に対して、厳重な警戒態勢と予防的措置の実施、事件を認知した場合の最寄り沿岸国当局への速報の励行を求め、また、沿岸国の法執行機関に対して、監視強化と巡回頻度の増加及び事件発生時の即応を求めている。3件の事件はいずれも夜間に発生し賊の数は5名であり、18日と19日の事件については約2時間の間に発生していることから、同一グループの犯行である可能性がある。
      • 原文 October 23, 2019, ReCAAP ISC(若林健一)
    • 【5】 マースク: アルコール・アンモニア等がゼロエミッション燃料として有力
      • 【5】マースクとロイズ船級協会がゼロエミッションの再生可能エネルギーについて報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①CO₂の削減方法としてマースクはこれまでエネルギーの効率化を追求して来た結果、海運業界の平均より10%以上高いエネルギー効率を実現している。②しかし、海運の脱炭素化のためには新たな燃料の発見が必要だが、新燃料候補の市場可能性を考えると、アルコール・バイオメタン・アンモニアが最も有力である。③したがって、今後同社は、新燃料に関する研究開発投資の8割をこの3燃料に集中し、残りの2割を他の代替燃料に充てる。④これらの3燃料は有害性の低い液体で、バイオマス原料等を利用して様々な製造方法が可能であり、発火点が低いことに対する安全対策も確立されており、3種類を船舶の燃料タンクの中で混合して使用することも可能で、燃料油調達の柔軟性が高い。
      • 原文 October 24, 2019, Maersk(長谷部正道)
    • 【6】 IEA: 「洋上風力発電アウトルック2019」を発表
      • 【6】10月25日、国際エネルギー機関(IEA)は「洋上風力発電アウトルック2019」を発表したところその概要は以下のとおり。①2040年までに全世界で洋上風力発電に対し、各国政府の支援のもとに1兆ドルの投資が行われ、タービンの大型化や浮体式発電に関する新技術開発に支えられて、発電コストが低減化するとともに発電量は現在の15倍に拡大する。②EUでは現在の洋上風力発電量は20GWだが、2040年までに130GWまで拡大するが、もしEUの炭素中立化目標が承認されれば、同年までに約180GWまで拡大し、洋上風力発電がEUで最大の電力供給源となる。③さらにEUとして風力発電による水素燃料の製造に取り組めば、さらに発電量は伸びる可能性がある。④中国も大気汚染の減少と、同国東南部の沿岸地域の電力供給のため、洋上風力発電能力が拡大し、2025年には英国を抜いて、世界で最大の洋上風力発電国となる。現在は同国内で4GWの発電能力が2040年までに110GWまで急拡大し、さらに中国が世界的な持続可能エネルギー目標を達成すれば170GW以上の発電能力を持つことも期待できる。
      • 原文 October 25, 2019, IEA(長谷部正道)
  • 資料閲覧 その他