2019/09/30LROニュース(6)

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  • 2019.10.01 UP
    2019/09/30LROニュース(6)
    • 【1】ReCAAP ISC週間報告書(9月17日から23日報告分)
      • 【1】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)に、9月17日から23日まで通報された事件はなかったものの、船員の誘拐事件1件が発生したとの報道を受け、ReCAAP ISCが警報を発表したがその概要は以下のとおり。①マレーシアのサバ州ラハッダトゥーのタンビサン島付近にいたマレーシア籍の漁船に、9月23日午後0時00分ころ、M16自動小銃、ロケットランチャー、拳銃などで武装した覆面姿の7人の賊が、2隻の小型艇から乗船した。②賊は、スールー海を拠点とするアブサヤフに属する身代金目的の誘拐グループ(The Kidnap for Ransom Group:KFRG)のメンバーとみられ、3人のインドネシア人船員を誘拐した。③犯人らはその後人質とともにフィリピンのタウイタウイ島へ逃走した。④マレーシア及びフィリピンの当局が巡回を強化するとともに、犯人の追跡と誘拐された船員の救出作戦に当たっている。
      • 原文 September 24, 2019, ReCAAP ISC(若林健一)
    • 【2】ロシアが正式にパリ協定に加盟
      • 【2】ロシアは世界で第4位のGHG排出国だが、国連気候変動サミットを前に、パリ協定の国内批准作業を進めるようプーチン大統領が指示していたにもかかわらず、国内産業界の根強い反対で議会通過の目途が立っていなかったため、政府は議会手続きを回避して、政令(government accord)を使って批准手続きを完了したことを、ロシア政府代表は気候変動サミットで報告した。同代表はさらに、ロシアがGHG排出量を対1990年比で半減し、全世界の気象温暖化を1年間遅らせるのに十分な410億トン分のCO₂排出を削減したうえ、同国内の広大な森林が「地球の肺」となって、大気中のCO₂の削減に貢献していると強調した。
      • 原文 September 24, 2019, EURACTIV(蘭潔美)
    • 【3】英国CCCが航空・海運も2050年までの炭素中立化目標に含むように勧告
      • 【3】パリ協定においては航空と海運は協定の対象となっていないため、英国内法でもClimate Change Act (CCA)の適用対象外となっているが、環境団体から政府の例外扱いについて非難を受けたため、今年の初めに2050年までに炭素中立化を実現すると、国家全体としてのGHG削減目標が強化された際に、航空・海運の両業界もGHG削減目標の対象に追加した。また、英国政府は独立の英国気候変動委員会(The Committee on Climate Change: CCC) に国際航空と海運に対する気候変動対策の在り方について諮問していたが、9月24日、同委員会は英国運輸大臣宛てに、両業界を英国の気候変動対策の枠組みに組み込むことを答申した。具体的には、①IMOは2050年までに、対2008年実績比で最低でもCO₂の排出量を半減することに合意しているが、英国政府のClean Maritime Planを将来的に適宜見直して、英国が常に国際的な基準を上回って海運の非炭素化を国際的に率先すること。②海運も排出権取引制度の対象とすること。③低炭素化技術の研究・開発・普及を支援するための財政支援を行うこと等を答申している。
      • 原文 September 24, 2019, EURACTIV(蘭潔美)
    • 【4】欧州委員会:潮力・波力発電が海洋環境に与える影響調査を支援
      • 【4】2016年11月に、欧州委員会は「欧州における海洋エネルギーの構築(Building Ocean Energy for Europe)」という海洋エネルギーに関する戦略的なロードマップを発表しているが、潮力・波力発電といった海洋エネルギー開発が海洋環境に与える影響を正しく評価し、海洋エネルギー開発を承認するための枠組み作りが課題となっている。そこで、230万ユーロの補助金を用意して、①潮力・波力発電用の機器が海洋環境に与える影響に関する情報や知識を増やし②海洋発電が環境に与える影響を予測するモデルを改善し③海洋エネルギー開発事業者や開発を認可する欧州各国の当局の人材育成を図り④海洋エネルギー開発が海洋環境に与える影響について公共レベルでの議論を促し、関係者に情報提供するための事業を支援することとなった。補助金の申請は、2020年1月15日までに提出しなくてはならない。
      • 原文 September 25, 2019, 欧州委員会(長谷部正道)
    • 【5】Human Rights at Sea: BBNJ条約案に船員の人権保護に関する規定が必要
      • 【5】9月25日、海上における船員の人権を保護するNGOであるHuman Rights at Sea(HRS)は、現在交渉中の「国家管轄外区域の海洋生物多様性(BBNJ)」条約案中に、船員の人権尊重に関する事項を盛り込むべきとする法的説明書(Legal Briefing Note)を発表したところその概要は以下のとおり。①現在交渉中の条約案には、海上において実際に条約を支援し実行する船員の人権保護に関する規定がない。②人権問題が、本条約案の中心課題ではないにせよ、条約に実施にあたり、人権に関する国際的な基準が適用されるべきことを明確にする必要がある。③海上においても陸上と同様に、環境問題と人権問題は不可分な課題であるという認識が国際的に浸透しているにもかかわらず、国際海洋法に関する法的枠組みにおいては国際人権法に関する明示的言及がない。④海上における船員の人権侵害に関する世界的な関心を高め、人権侵害をやめさせるための国際的な連携を引き起こすために「海の人権に関するジュネーブ宣言(Geneva Declaration on Human Rights at Sea)」を改正する動きがあるが、HRSは同様の趣旨から、BBNJ条約案の微修正を求める改正案を提案する。
      • 原文 September 25, 2019, Human Rights at Sea(長谷部正道)
    • 【6】IMO2020: 規制適合燃料油として未精製の特定の原油も使用可能
      • 【6】英国の沿岸や西アフリカ・オーストラリアで生産される原油は、ブレンドする必要はあるが、精製することなく船舶燃料として利用しても、IMO2020規制に適合する低硫黄で発火性も低いことが分かった。原油を船舶燃料としてそのまま使用することは今に始まったことではなく、1980年代には、悪質なタンカーの船主は、積荷として輸送している原油タンクからパイプを燃料タンクにつなげて、積荷の原油を船舶燃料として不法に使用するといったことが横行していたが、当該船舶の機関士が原油を燃料として使用した経験があり、発火点などを知ったうえで、船舶燃料として使用する方法を知っていれば、安全な燃料とみなされていた。例えば、北海油田で生産されているKrakenと呼ばれるグレードの原油の硫黄分はほんの少し0.5%を超えているだけで、高温にならなければ発火しないため新規制に従った船舶燃料として使用することが容易である。
      • 原文 September 25, 2019, gCaptain(長谷部正道)
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