2019/09/26LROニュース(6)

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  • 2019.09.27 UP
    2019/09/26LROニュース(6)
    • 【1】ギニア・コナクリ港で錨泊中のタンカーから武装強盗が人質を取る
      • 【1】国際商業会議所(International Chamber of Commerce:ICC)の国際海事局(International Maritime Bureau:IMB)によると、9月16日の早朝、ギニアの首都コナクリの沖約5海里に錨泊していた石油精製品タンカーに刃物と銃で武装した4名の賊が乗船し、甲板員を人質にして両手を縛って船橋に案内させ、さらに船橋で見張りをしていた当直士も人質にした。賊は彼らに船長、機関長、三等航海士及び甲板長の各居室へ案内させ、乗組員を一つの居室に閉じ込めたうえ、乗組員の所持品、現金及び船の備品を奪って逃走した。同船の運航会社によると、乗組員は無事であり船体にも損傷はなかった。
      • 原文 September 20, 2019, The Maritime Executive(若林健一)
    • 【2】英国の洋上風力発電開発の仕組みと最近の動向
      • 【2】9月20日英国で実施された洋上風力発電による電力購入の入札の結果、1メガワット・時間当たりの最低保証価格が39.65ポンドとなり、2年前に実施された同様の競売時の落札価格と比べ、31%落札価格が低下した。洋上風力発電は、ほんの数年前までは原子力発電よりコストが高いニッチな存在だったが、電力会社ばかりでなく、既存の石油ガスメジャーの企業はより幅広い総合エネルギー企業となるために、2030年までに4480億ドルを投資して、洋上風力発電の規模を現在の8倍に拡大することを計画している。英国では差額調整契約(contracts-for -difference)という契約が一般的で、市場の卸売価格が購入保証価格より低く、逆ザヤになる場合には、差額分を政府が保証し、逆に市場の卸売価格が購入保証価格より高くなった場合には、差額分を政府に支払うという仕組みになっている。洋上風力発電の普及に伴い、政府の補助依存からの脱却が図られているが、以上のような差額調整契約があれば、洋上風力開発事業者が投資に必要な資金調達をしやすくなるというメリットがある。
      • 原文 September 20, 2019, gCaptain(長谷部正道)
    • 【3】CCC 6: IMDGコードの適用除外の根拠となるSPsの包括的な見直し
      • 【3】9月6日から開催されたIMO第6回貨物運送小委員会(CCC 6)に、ICS/IUMI/BIMCO等の海事業界団体が国際海上危険物規定(IMDGコード)の適用場外を認める海事特別規定(Maritime Special Provisions: SPs)の包括的見直しを求める文書(CCC 6/6/17)を提出したところ、当該文書の概要は以下のとおり。①特定のSPsによって、一定の条件をみなせば、危険物としてみなされず、IMDGコードの適用除外が認められる場合がある。②一方で、コンテナに搭載された危険物の誤・未申告によって、近年コンテナ船の火災が相次いでいる。③こうした事故を踏まえて、海事関係者に事故の根本的な原因についてアンケート調査を行ったところ、本来は危険物なのに、SPsを隠れ蓑としてISDGコードの適用を免れ、危険貨物としての申告を行わない荷主が存在することが多く指摘された。④したがって、ICSなどの業界団体は、実際は危険物として申告されるべきなのに、IMDGコード適用除外の隠れ蓑として利用されているSPsを特定するために、SPsの包括的見直しをCCCで検討すべきことを提案する。
      • 原文 September 19, 2019. Insurance Marine News(長谷部正道)
    • 【4】UAEが米国主導の有志連合に参加を表明
      • 【4】アラブ首長国連邦(UAE)の報道機関は9月19日、UAEが航海と世界貿易への脅威に対抗するため米国主導の有志連合に参加することを正式に決定したと伝えた。UAEの参加は英国、豪、バーレーンに続き4ヶ国目であり、同有志連合の作戦行動は、ホルムズ海峡、バブ・エル・マンデブ海峡、オマーン湾及びペルシャ湾を活動範囲として、参加国の利益と当該海域を航行する参加国の商船の保護を行うこととしている。
      • 原文 September 21, 2019, Defense News(若林健一)
    • 【5】クウェートの全港湾でISPSコードの警戒レベルを引き上げ
      • 【5】クウェートの通信省は、クウェートの全港湾について、国際船舶港湾施設保安コード(ISPS Code)に基づく、警戒レベルを1から2に引き上げると発表し、全船舶に周知徹底するよう求めた。
      • 原文 September 20, 2019, Hellenic Shipping News(長谷部正道)
    • 【6】民間有志企業連合: 2030年までにゼロ排気船舶の開発を表明
      • 【6】2030年までにGHG排出ゼロ船舶の開発を目指す海運企業・船級協会・エネルギー企業・金融機関など幅広い業態の民間有志企業がGetting to Zero 2030 Coalitionを結成し、決意表明を発表したところその概要は以下のとおり。①2050年までに最低でも海運からのGHG排出量を半減するというIMOの目標と、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の科学的分析に従い、外航海運と外航海運に対し燃料を供給するバリューチェーンの非炭素化を進めることを約束する。②船舶の非炭素化の方法の選択については、技術的・経済的・政治的に最も実現可能性の高い方法に焦点を絞る。③採算面でも実現可能性が高いGHG排出ゼロ船舶(Zero Emission Vessels: ZEVs)・関連インフラ・供給網の開発を2030年までに実現するために、有志連合全体として、より小規模な連携も活用し、また個々の企業レベルなど様々なレベルで作業を進める。なお、9月23日の気候変動サミットにおいて、デンマーク政府が中心となって、英・仏・韓・NZなど11か国の政府がこの決意表明を支持することを表明した。
      • 原文 September 23, 2019, Global Maritime Forum(蘭潔美)
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