2019/08/06LROニュース(6)

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  • 2019.08.07 UP
    2019/08/06LROニュース(6)
    • 【1】湾岸情勢に関し国際船主団体が共同で声明を発表
      • 【1】7月19日に英国籍タンカーがイランに拿捕されたのを受けて、国際海運会議所(International Chamber of Shipping)、欧州船主協会(European Shipowners’ Associations)、アジア船主協会(Asia Shipowners’ Association)は、8月2日、関係国に対し、これ以上緊張を高めるような行動は避け、国際法を十分に尊重することを求める共同声明を発表したところその概要は以下のとおり。①全ての関係国は1992年の国連海洋法条約(United Nations Convention on the Law of the Sea)第19条に定める船舶の「無害通航権(Right of Innocent Passage)」と第87条1項に定める「航海の自由(Freedom of Navigation)」に基づく商船の安全な航行を保証すべき。②航海の自由は、国際的な貿易活動にとって必要不可欠で国際海事法の中でも基本的な原則であり、船員は安全に船舶を運航することを認められなくてはならず、紛争解決のための取引材料として扱われることは許容できない。③ホルムズ海峡はペルシャ湾に出入りする唯一のルートで、アジア諸国にとって極めて重要な航路である。(アジア船協)④EU加盟国は、同航路の安全を確保するため、イラン政府と協力して、緊張の緩和に努めるべき。(欧州船協)
      • 原文 August 2, 2019, ICS(若林健一)
    • 【2】湾岸における海上輸送の現状と今後の見通し
      • 【2】7月の米国議会調査局(The US Congressional Research Service:CRS)による発表では、米国の対イラン制裁による石油の輸出制限により、イランの一日当たりの石油輸出量は6月末時点35万バレルとなっており、これは制裁が課される以前の250万バレルや、インド、中国及び日本への輸出が許された2014年のオバマ政権による制裁時の110万バレルと比較して大きく減少しており、経済への影響は2017年と比較して500億ドルの赤字が見込まれている。North P&Iは、イランによる英国籍タンカーの拿捕などが発生しているものの、現在のところ海運業にとって大きな影響は出ていないが、追い込まれたイランが全面的な衝突は避けつつも様々な手段で米国による制裁措置に対抗することが考えられ、その一つとして米国やその同盟国が手出しできないホルムズ海峡の不安定化を利用する可能性があるとの見解を示している。
      • 原文 August 2, 2019, Seatrade Maritime News(若林健一)
    • 【3】米新国防長官が近日中に米主導の有志連合構想を発表すると言明
      • 【3】8月3日米国国防長官は、フロリダの米国中央軍本部で先週行われたイランから航行船舶を保護するための有志連合の結成について話し合うための会議に、30か国以上の国が参加したと述べ、具体的な国名やアジア諸国からの参加の有無については明言を避けつつも、複数の国が参加の意思を示すだろうと自信を見せた。米国国務長官は、ホルムズ海峡における航行の自由を確保し、不測の事態に繋がりかねない挑発的行為を防ぐためには、有志連合は国際的な枠組みとする必要があると主張する。一方で、ニューヨークタイムズ紙は、米国の有志連合結成の呼びかけに対し同盟国の態度は冷ややかだと報じている。ドイツ外相は7月31日、同国はフランスと緊密に調整しているとし、軍事的緊張を高める米国の対イラン政策は誤りであり外交的手段を重視していくと述べて米国主導の有志連合への参加を否定しており、フランス、イタリア及びスウェーデンは英国が提案する船舶保護体制に対しても好意的な反応を示しておらず、また、米国主導の有志連合に対してスペインは参加する意思がないとの報道もある。毎日新聞は、日本は艦船を派遣しないことを既に決定しており、自衛隊を危険な状況に置きイランで生活する日本人の身を危険に晒すこととなる自衛隊の派遣は、国内世論が反対するであろうと伝えている。
      • 原文 August 4, 2019, Press TV(若林健一)
    • 【4】英国海運労使がホルムズ海峡を高危険海域に暫定的に指定することで合意
      • 【4】英国政府が英国海軍による護衛なしでのホルムズ海峡における商船の運航を控えるべしという勧告を同国海運業界に出したのを受けて、Nautilus Internationalと英国全運輸労連(National Union of Rail, Maritime and transport Workers)と英国船主協会(UK Chamber of Shipping)から構成される準戦闘地域委員会(Warlike Operations Area Committee)は、7月29日緊急会合を開催し、8月2日より、ホルムズ海峡を高危険海域(High-Risk Area)に指定することで暫定合意した。暫定合意は英国船主協会会員が運航する全ての船舶に適用され、英国籍船舶が英国海軍の護衛を拒否した場合や、船舶がOCIMF/INTERTANKO/BIMCO/ICSなどの業界団体が定めたガイダンスに従わない場合に、当該船舶がホルムズ海峡を通過する前の港で船員が下船することを含め船員が乗船拒否することを認めている。また、同海峡を通航する船舶に乗り組む船員は、高い危険にかんがみ、通常の賃金の倍額を受け取ることができることも規定されている。
      • 原文 August 2, 2019, Nautilus International(長谷部正道)
    • 【5】英国政府が米主導有志連合への参加を表明
      • 【5】8月5日、英国政府は米主導の有志連合に参加することを公式に表明したところその概要は以下のとおり。①英海軍は米海軍と連携して、ホルムズ海峡における商船の航行の自由を確保し、新たな国際的な海上保安作戦を主導することを再確認する。②ホルムズ海峡は世界の原油輸送の2割を担う重要な国際航路であるが、過去4か月間、UAE沖合での4隻のタンカーに対する攻撃や、英国籍タンカーの拿捕により、海運活動に対する脅威が高まっている。③7月31日にバーレーンで開催された国際会議を経て、英国は国際的な作戦に参加することに合意し、作戦の一部となるMaritime Task Groupの一つを主導することを申し出ている。④英国と米国は共に、この国際的な問題に対処するため他の同盟国等とともに戦い、同盟国等にこの作戦に参加することを奨励する。⑤同時に英国政府は緊張緩和のために引き続きイラン政府と交渉を続け、イランの核武装化を防ぐため現在のイランとの取り決めが最も良い手段であることを確認する。
      • 原文 August 5, 2019, 英国政府(長谷部正道)
    • 【6】ホルムズ海峡を通航する船舶の自衛策と船舶戦争保険の高騰
      • 【6】ブルームバークによれば、7月にホルムズ海峡を通航した船舶のうち、少なくとも20隻の船舶が自衛策としてAISのトランスポンダーを切っており、8月に入っても攻撃を受けるリスクを減らすためAISを切っている船舶が多いと思われる。またペルシャ湾内の航路も従前はイランの沿岸付近を航行する船舶が多かったが、湾内の緊張が高まってからは、サウジアラビアに近い航路を利用してクウェートやイラクに向かう船舶が増えている。同海域を航行する船舶に対する戦争保険料も引き続き高騰しており、例えばSwedish Clubはペルシャ湾を航行する船舶の戦争保険料率を1航海当たり船舶の保険価値の0.25%から0.5%に倍増すると発表した。
      • 原文 August 2, 2019, Safety4Sea(長谷部正道)
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