2019/06/19LROニュース(6)

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  • 2019.06.20 UP
    2019/06/19LROニュース(6)
    • 【1】硫黄含有分規制強化実施に伴う船主の課題
      • 【1】Nor-Shipping 2019で取り上げられた硫黄含有分規制強化実施に伴い、船主が直面する課題の概要は以下のとおり。①2020年1月1日の規制開始より先行して割高な規制適合燃料油を使用し始める船主は、規制開始直前まで安い規制不適合燃料油を使用する船主と比較すると経済的に不利となる。②規制適合ブレンド燃料を試用した船主は、燃料タンクやパイプに粘土の高いスラッジ(燃料かす)がたまるなどの安全上の問題を経験しており、船舶保険事業者は規制適合ブレンド燃料によって発生した損害に関する保険金請求を既に多く受け付けている。③規制適合燃料油の価格が高騰した場合、大手船社は対応可能だが、家族経営の小規模船社は燃料コスト高騰に伴う追加信用供与を受けることができずに経営継続が難しくなったり、他社との統合も余儀なくされる可能性がある。④燃料コスト節約のために排ガス浄化装置を搭載していなくても重油燃料油を使用し続ける脱法者は、ゴールドマンサックスの調査によれば初年度には2割に達すると見込まれ、また規制適合油給油不能報告書(Fuel Oil Non-Availability Report)を悪用する船主も現れると予想される。⑤このような脱法行為は、沿岸国が適正にPort State Control(PSC)を実施すれば取り締まれるが、現在でも大西洋では航行できない船舶が堂々と太平洋を航行している現実がある。(欧州諸国とアジア諸国等との間のPSC実施能力の相違を示唆)
      • 原文 June 7, 2019, Maritime Executive(長谷部正道、田中亜季)
    • 【2】NOVATEK/COSCO/Sovcomflot等が新たに北極海海運会社を設立
      • 【2】6月7日、露最大の独立系天然ガス事業者のノヴァテク(NOVATEK)、中国遠洋海運(COSCO Shipping)、露の石油・ガス輸送専門海運会社のソブコムフロト(Sovcomflot)、中国のシルクロード基金が北極海海運有限会社(Maritime Arctic Transport: MAT LLC)の設立のための協定に署名した。4社はロシア北極圏で生産される化石燃料をアジア・太平洋地域に通年海上輸送するために必要な措置の共同開発と金融支援、並びに北極海北航路(Northern Sea Route: NSR)経由でアジア・西欧間を輸送される経由貨物の掘り起こしのために長期的に連携していくことで合意した。MATによってNSRを世界的・商業的に効率的な輸送回廊とし、2024年までにNSRを利用する貨物量を8千万トンにするという露大統領の目標の達成を目指す。
      • 原文 June 7, 2019, Novatek(長谷部正道)
    • 【3】仏が毎年1万1200トンのプラスチックごみを地中海に海洋投棄
      • 【3】6月7日に世界自然保護基金(World Wildlife Fund)が発表した新たな報告書によれば、地中海沿岸国22か国合計で毎年60万トンのプラスチックごみが地中海に海洋投棄されている。地中海沿岸諸国の中で最大の経済規模を持ち、人口も3番目の仏は、プラスチック製品の最大の消費国であると同時に最大のプラスチックごみ排出国である。2016年の統計では、仏は国民1人当たり66.6kg、国全体で445万トン、沿岸22か国の総プラスチックごみ量の18.6%を排出した。このごみのうち98%が回収されたが、リサイクル率はわずか22%で、76%は焼却・埋め立て処理され、残りの2%の回収されなかった8万トンのプラスチックごみのうち、1万1200トンが地中海に投棄されているが、その大半は地中海沿岸の観光・レジャー活動によってもたらされ、12%がローヌ川などの河川から流れ込み、9%が漁業・養殖業・海運などの海事関係事業から発生している。
      • 原文 June 7, 2019, Euractiv(長谷部正道)
    • 【4】ギニア湾における海賊撲滅のために海事関係団体等が会合
      • 【4】6月7日、BIMCO、IMCA、ICS、ITF、OCIMFの共催によりIMOで開催されたシンポジウムでは、海運関係者や学術経験者、軍関係者、海事当局者による講演が行われた。海運業界は船員団体とともに、ギニア湾で従事する船員に対する海賊の脅威が継続していることを強調することを目的としてこの会合を開催している。基調講演を行ったナイジェリア海事安全庁(NIMASA)事務局長は、ギニア湾で海上治安上のリスクが存在していることは認識しているとしながら、ナイジェリアの法執行機関と海軍の共同能力向上を図るイニシアチブが進行中で、これにより数か月のうちに海賊による船員誘拐を「歴史」に変えることができると述べるとともに、特に海運業界などとの国際協力の発展に強い関心を有していると明らかにした。会合では、実際に海賊に誘拐された船員へのインタビューも行われ、参加者はギニア湾地域がヤウンデプロセスを通じ、海上犯罪の撲滅に向けた能力向上と協力を開始するとともに、国際社会もまた長期的な能力向上と協力体制を支援していることが強調された。
      • 原文 June 10, 2019, ICS(武智敬司)
    • 【5】フジャイラ港沖の攻撃事件に対する保険業界の対応
      • 【5】5月12日のフジャイラ港沖における4隻の船舶に対する攻撃を受けて、戦争保険関係者で構成される共同戦争委員会(Joint War Committee)は、湾岸海域のリスクを見直して、危険海域(Listed Areas: LA)の海域に、オマーン・東経58℃以西のオマーン湾を含むペルシャ湾とアラビア湾及びその周辺海域・アラブ首長国連邦を加えた。サウジアラビア(通過のみの航行を除く)は既にLAに含まれていたが見直され、通過航行を含む同国の全ての湾岸地域がLAの対象となった。LAに指定された海域を航行する船舶は事前に保険事業者に通告し、各事案ごとに割増保険料の額について保険事業者と交渉しなくてはならない。今回の攻撃が誰によって、どのように、どういう目的で行われたかは依然不明だが、被害額は甚大で相当な額の保険金が請求されることが予想される。戦争リスクに関する規定についてはそれぞれの用船契約で異なるが、船舶やその貨物・乗員に危険が及ぶ可能性があると船長・船主が判断する相当な理由がある海域を航行することを用船者は要求することはできない。
      • 原文 June 3, 2019, Clyde & Co(長谷部正道)
    • 【6】米国防総省が新たな北極戦略を発表
      • 【6】米国防総省が発表した新たな北極戦略では、北極の安全保障環境について、温暖化による物理的環境の変化、露・加による国際法を超えた権利主張、露の軍備強化と中国砕氷船のプレゼンス、域外国である中国による「一帯一路」構想の北極への拡大など経済的・軍事的プレゼンスの拡大などにより、不安定さが増していると評価している。そのうえで米国は、同盟国やパートナー国との連携強化、統合軍の迅速かつ適切な投入による紛争抑止力の維持、USCGなど他の省庁との連携強化や現地コミュニティとの連携の継続を戦略的アプローチとして実施していくとしている。
      • 原文 June 6, 2019, 米国防総省(武智敬司)
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