2019/06/12LROニュース(6)

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  • 2019.06.13 UP
    2019/06/12LROニュース(6)
    • 【1】気候温暖化対策:米撤退後の中・露等BRICSの役割
      • 【1】(論説)1997年の京都議定書や、2009年のコペンハーゲン協定等、過去の気候変動交渉においては、米・中両国は自国が競争上不利になるのを避けるため、自国だけが踏み込んだ気候変動対策を約束することを拒否してきた。しかし、2017年6月にトランプ米大統領が米国をパリ気候協定から撤退させると発表しても中国はパリ協定離脱を表明せず、中国の気候変動対策担当特別代表はEUとカナダと首脳会合を行い、中国の気候変動対策への取り組みが変わらないことを再確認し、国内的にはGHG排出量の制限と排出権取引制度の導入を進める一方、国際的には従来からの途上国代表としての強硬な立場から、責任ある大国として柔軟な交渉姿勢を示すようになっている。もう一つの排出大国であるロシアも米の離脱には続かず、今後35年間GHG排出量を同レベルに保つ制限目標を設定し、国内で火力発電の削減とエネルギーの効率化に引き続き取り組んでいる。EUも気候変動担当コミッショナーが中心になって中露以外のBRICS諸国であるインド・ブラジル・南アにパリ協定の順守を求め、ブラジルの新大統領は選挙期間中にパリ協定からの離脱を選挙公約に掲げていたが、当選後は離脱の動きを見せていない。
      • 原文 June 4, 2019, Euractiv(田中亜季)
    • 【2】北極海の海氷面積の減少により米国南部において夏季の熱波が頻発する可能性
      • 【2】米地球物理学会(American Geophysical Union)の学会誌(Journal of Geophysical Research)に発表された新たな研究では、1979年から2016年までの40年間における衛星写真による北極海の海氷の面積と同時期に米国で発生した熱波の頻度を比較した。この結果、ハドソン湾における夏季の海氷の範囲と米国南部の平野部と米国南東部における熱波の頻度の間に強い統計的な関連性が見られた。従って、このまま北極海の海氷の減少が続けば、米国南部における熱波の頻度が将来的に増加することも予測される。この研究を行ったイリノイ州立大学の気候学者によれば、この研究結果により、北極海の海氷の減少が、今回検証された米国南部の熱波だけでなく、北半球全体の異常気象の増加にも影響を与えている可能性があるとしている。
      • 原文 June 4, 2019, Phys.org(長谷部正道)
    • 【3】WWFが他の環境団体と協力して北極海におけるプラスチック汚染の現状を調査
      • 【3】世界自然保護基金(World Wildlife Fund)ノルウェー支部は、北極海におけるクジラの生態を科学的に調査するArctic Whale (AW)と協力して北極海におけるプラスチック汚染の実態を調査・広報していくと発表した。AWは2019年5月から7月にかけて、北極海で調査航海を行う予定で、海洋プラスチックごみが人里離れたきれいな北極海に住む海洋哺乳類の生物学的ライフサイクルにどのような影響を及ぼしているか調査を行う。WWFはこれまでのプラスチックごみ問題や北極海に関する知見を提供し、AWは調査航海の結果得られたビジュアル情報を含む研究成果をWWFと共有する。AWの調査チームには世界的に有名なドキュメンタリー映画作成者や写真家も参加する。WWFの責任者は、最も重要なのは新たに海洋に投棄されるプラスチックごみを無くすことで、このためには多くに人々にいかにプラスチックごみの問題が深刻になっているかを伝える必要があると語っている。
      • 原文 June 3, 2019, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【4】米政府:全交通モードを対象にしたサイバーセキュリティ対策を強化
      • 【4】5月15日、米大統領府は、情報通信技術(Information and Communications Technology: ICT)とサービスサプライチェーンに焦点を当てた新たな国家安全保障に関する大統領令(Executive Order)を発出し、米国に敵対する外国勢力によって所有・管理・監督されているいかなる企業も米国内で事業を行うことを禁じた。この禁止は単にHuaweiに対するものだけでなく、航空・鉄道・海運・自動車輸送・自動運転車・ドローン等あらゆるモードの交通分野にも適用される。米国土安全保障省(Department of Homeland Security)は、さらにサイバー攻撃によって機能がマヒすると米国の安全保障や経済安全保障等に重大な影響を与える「国家重要機能(National Critical Functions: NCF)」を特定したリストを最近確定したが、通勤等に使われる公共交通機関、貨物鉄道、航空旅客・貨物輸送、トラック・バス・自動運転車を含む高速道路を利用した旅客・貨物輸送、海上旅客・貨物輸送を含むすべての交通分野がNCFに指定された。
      • 原文 June 3, 2019, Holland & Knight LLP(長谷部正道)
    • 【5】ノルウェーの金融機関が人権侵害の恐れがある造船所をブラックリスト
      • 【5】ノルウェーの国営金融機関であるノルウェー輸出信用保証庁(Norwegian Export Credit Guarantee Agency: GIEK)は、ノルウェーの船主が船舶を建造する造船所の条件として、①現地の労働関係法規を遵守していること②未成年者を就労させていないこと③強制的な労働を労働者に強いていないこと④労働者の健康や安全にかかわる違反を犯していないことを定め、この条件に該当しない外国の造船所をブラックリストして、当該造船所で建造される船舶については、融資を行わないと発表し、名指しこそしないものの既に2つの造船所がブラックリストに載せられていると表明した。GIEKは船主とともに、船舶の建造を発注する予定の造船所を訪問して、労働条件と労働者の人権に関する監査を実施している。GIEKは他の金融機関に対しても、歩調を合わせて、融資にあたり造船所の労働環境や人権に配慮することを求めているが、ノルウェーの多くの金融機関が既にこの要請に同調し、現在ノルウェー以外の金融機関にも同様の要請を行っている。
      • 原文 June 5, 2019, Splash247(長谷部正道)
    • 【6】Allianz:Safety and Shipping Review 2019を発表
      • 【6】保険会社のAllianz社がSafety and Shipping Review 2019を発表したところその概要は以下のとおり。①2018年における100GT以上の船舶の全損数は46隻と2000年の207隻、2017年の98隻と比較しても急減し、今世紀最低となった。②地域的にみると、中国南方海域・インドシナ・インドネシア・フィリッピンが引き続き全世界の中で最も全損事故が多い海域で、12隻と世界全体の1/4を超えているが、前年の29隻と比べると大幅に減少している。③2018年の海難件数全体は2698件とほぼ横ばいで、地中海東部と黒海が最大の海難多発海域となった。③船舶の大型化に伴う損害額の拡大が懸念されていたが、大型コンテナ船の火災事故などを通じてこうした懸念が現実化している。④コンテナ船の規模は過去10年間でほぼ倍となったが、これに伴い2018年には174件の火災事故が多発し、この傾向は2019年も継続している。⑤燃料油中の硫黄含有分規制の強化に伴って、規制適合燃料油の品質不良に伴う機関部の故障が増えることが懸念されるし、燃料油コストの上昇分を補填するために。船員の訓練費や保守管理費が削減されることも懸念される。
      • 原文 June 4, 2019, Allianz(長谷部正道)
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