2019/06/03LROニュース(6)

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  • 2019.06.04 UP
    2019/06/03LROニュース(6)
    • 【1】英国籍船として登録できる船主の国籍要件が緩和
      • 【1】現在は英国に船舶登録するためには船主は英国または欧州経済圏(European Economic Area: EEA)の国民または会社等に限られていたが、英国船舶登録事務所(UK Ship Register: UKSR)は5月16日、英国に船舶を登録できる船主の国籍要件を英連邦国と日中韓米を含む新たな20か国に拡大した。また国籍要件の拡大に併せて、世界各国の船主のニーズに合わせるため、新たに「強化承認制度(Enhanced Authorization Scheme)」を導入し、全ての検査・監査をUKSRが承認した認定代行機関(Recognized Organization)に代行させることを可能とし、登録・検査・承認などについて船主の要望に合わせた柔軟な料金制度を選択できるようにする。さらに裸用船制度に併せて、裸用船期間中だけ、他国籍に便宜的に転籍することも可能な新制度も導入する。
      • 原文 May 16, 2019, UK Ship Register(長谷部正道)
    • 【2】BIMCO: 海賊撲滅のためには国際協力が重要
      • 【2】IMBのレポートによれば、ギニア湾での海賊の発生件数は増加傾向にあり、船員誘拐事件に至っては2018年第3四半期にはナイジェリア沖だけで40名が被害に遭っており、更に40%程度の報告されていない事件もあると推計されている。海賊を減少させるには、国際的な海軍による支援と、現地当局との緊密な協力がなければならない。現地海軍等に対するキャパシティビルディングが行われてはいるが、これは長期的な取り組みであり、喫緊の課題を解決するものではない。現地取締当局の強化には、キャパシティビルディングと、より多くの海上・航空勢力の派遣とを組み合わせて行う必要がある。ギニア湾では補給船や漁船など多くの小型船が活動しており、これが誤射などのリスクを高め海賊対策を難しくしているともいわれるが、これは誇張である。現地の海軍は反政府組織やテロ組織その他の犯罪組織への対応で忙殺され、海賊にまで勢力が足りていない。BIMCOは改めて国際社会に対し、西アフリカへの国際的海軍の優先的派遣と、現地当局と緊密に連携した海賊取締りを求めるものである。
      • 原文 May 27, 2019, BIMCO(武智敬司)
    • 【3】東シナ海・南シナ海制裁法案が米上院に提出
      • 【3】米共和党と民主党の上院議員は共同で、南シナ海・東シナ海を念頭にした中国制裁法案を改めて提出した。この法案では中国を「違法な活動」で「侵略的に主権拡張を主張する」と極めて強い言葉で言及しており、中国の反発は必至である。法案は、米国は南・東シナ海とその上空の自由な利用を妨げるあらゆる国の政府の活動に反対するとして、米政府に対して「航行の自由」作戦や飛行作戦の拡充を求めている。この法案は2017年にも提案されている。また、南シナ海の人工島の埋立てや開発に関与したり、南シナ海の平和と安定を阻害する活動に関与した中国人に入国制限や米国内の資産凍結などの制裁を大統領が課すこととなっており、制裁対象となり得る25の中国企業を列挙した初期リストとして、国営企業の中国交通建設(CCCC)の関連会社で人工島の埋立てを実施したCCCC Dredging Groupや、中国石油化工集団(Sinopec)、中国海洋石油集団(CNOOC)、中国移動通信、中国電信、中国航天科工集団(CASIC)などが含まれている。
      • 原文 May 28, 2019, Asia Times(武智敬司)
    • 【4】フィンランドが北極圏における黒煙等の環境汚染防止に100万ユーロを支援
      • 【4】2019年5月にフィンランドのロヴァニエミで開催された北極評議会閣僚協議で、フィンランドは黒煙・メタノール・CO₂の削減などの北極圏における環境対策のための事業に対する金融支援を行うためノルディック環境金融会社(Nordic Environment Finance Corporation: NEFCO)が運営する北極評議会事業支援手段(Project Support Instrument: PSI)に対して、新たに100万ユーロの出資を行うと発表した。フィンランドは2017年から2019年にかけて北極評議会の議長国を務めてきたが、この間、黒煙の排気を削減する重要性について積極的に取り組み、地域的・世界的な黒鉛削減の取り組みに資金・人材を投じてきた。フィンランドは今回追加投資する100万ユーロを活用して、黒煙削減の問題等に北極評議会の作業グループと連携して取り組んでいく。PSIによる金融支援は、黒煙・メタン・CO₂など気温上昇に寄与する物質の排出の削減、水銀・オゾン破壊物質・残留性の高い有機汚染物質などの有害物質の管理、環境汚染による生物多様性の減少の防止等のために北極評議会作業グループが取り組む中小規模の事業を対象にして行われる。
      • 原文 May 27, 2019, NEFCO(長谷部正道)
    • 【5】CMA CGMとMSCがマースクの作ったデジタルプラットフォームに参加
      • 【5】マースクとIBMは共同で、ブロックチェーン技術を活用したデジタルプラットフォームであるTradeLensを開発・運営しているが、5月28日、大手コンテナ会社のCMA CGMとMediterranean Shipping Company の両社もTradeLensに参加することを表明し、この結果、世界で輸送されるコンテナ貨物の約半数に関する情報がTradeLensで処理されることとなった。TradeLensは技術標準を開放し(open standards)、管理方法も開放(open governance)しており、デジタルプラットフォームの共有化はコンテナ海運業界のさらなる発展のための核心となる。TradeLensの参加企業は、各社の情報をTradeLensプラットフォームに接続することにより、海運に関するサプライチェーン全体の情報を共有することにより、透明性が高く・安全で・不正に変更できない取引の記録を残すことができ、情報にアクセスすることが承認されている参加者はリアルタイムで信頼できる情報を得ることができる。現在TradeLensの参加企業数は100社を超え、1週間当たり1000万件以上の海上輸送に係る個別情報と何千件もの文書を処理している。
      • 原文 May 28, 2019, TradeLens(長谷部正道)
    • 【6】IBIA事務局長が規制不適合燃料油の陸揚げ施設がない場合について懸念を表明
      • 【6】寄港地で規制適合燃料油の給油を受けることができず規制不適合燃料油を余儀なく給油した船舶が、次の寄港地で規制不適合燃料油の陸揚げができない場合に、現実的な対応策として当該規制不適合油を次の寄港地まで航海する間に、公海上で使用すること認めるべきであることを豪・米・印等がIMO第74回海上環境保護委員会(MEPC 74)で提案したが、合意が得られなかった。この結論に対し、国際バンカー産業協会(International Bunker Industry Association: IBIA)の事務局長は、一度船舶に給油された船舶燃料油を陸揚げすることは現状ではあまり行われておらず、次の寄港地に陸揚げ施設がない場合に、規制不適合油を積載している船舶の出港を認めないのは不当であるとコメントした。MEPC 74では、本件のような場合も含め規制不適合燃料油の取り扱いについて、今後一般的な回章(circular)を出すことになったが、本件のような場合の規制不適合燃料油の取り扱いの最終判断を下すのは各国のPort State Control当局であり、当局においては船主の不可抗力によって船主が被る運航上の損害に十分配慮したうえで、均衡のとれた規制の実施を期待すると同事務局長はコメントしている。
      • 原文 May 29, 2019, Ship & Bunker(田中亜季)
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