2019/05/29LROニュース(6)

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  • 2019.05.30 UP
    2019/05/29LROニュース(6)
    • 【1】米国の北極海における存在感の拡大は2025年以降か?
      • 【1】USCG長官は5月21の議会証言で、1隻目の新型砕氷船(PSC)は当面は南極での科学調査業務に従事し、2隻目ないし3隻目のPSCが就役するまでは北極海に振り向ける余裕はないと明らかにした。2隻目、3隻目のPSCの就役は2025年あるいは2027年に予定されている。一方その翌日にボルトン大統領補佐官はUSCGアカデミーで、PSCが就役すれば米国は北極での主導権争いをリードし、年間を通じてUSCGは北極における米国のプレゼンスを示すことが可能になると、対照的なスピーチを行った。北極におけるプレゼンスは砕氷船に限られないとする専門家は、航空機や水上艦艇、潜水艦、無人航空機を含む海軍力も考慮に入れるべきと主張している。米海軍は昨年10月に約30年ぶりに北極圏に空母打撃群を派遣して訓練に参加したが、現状ではアイスクラスの艦船を運用しておらず、今後導入する計画もない。無人航空機に関しても、極寒で厳しい気候環境下での運用はロシアに立ち遅れている。USCG長官は、プレゼンスの象徴としての砕氷船の重要性は無視できず、北極においてプレゼンスは即ち影響力であり、USCGは北極で米国の権利を守り主権を反映する唯一の水上勢力であると強調している。
      • 原文 May 23, 2019, High North News(武智敬司)
    • 【2】硫黄含有分規制適合燃料の供給に船主は依然として不安
      • 【2】舶用燃料供給事業は年間3億トンの燃料油を現在価格に換算して約2000憶ドルで供給する大規模事業であり、2020年から規制適合油の供給に切り替える作業は容易ではない。石油メジャーのBPやシェルはすでに規制適合燃料油の供給を開始したが、規制適合ブレンド油の成分やどの港湾で供給するのかもまだ明らかになっていない。特に小規模港湾における燃料油供給事業者は規制適合燃料油を供給する体制がまだできていない。規制適合ブレンド油の統一した規格の欠如に伴う安全リスクを回避するために、2020年の第1・第2四半期は規制適合ブレンド油より割高にはなるが、品質が安定した舶用ガスオイルを使用して、その間の規制適合ブレンド油の市況や、同ブレンド油を使用した船舶の運航が安全に行われるか確認したうえで、規制適合ブレンド油を使用するという慎重な船主もいる。代替的な規制遵守手段としてのスクラバーの使用についても一部の港湾で開放型スクラバーの使用が禁止されるなど、スクラバー排水に対する規制の今後の動向にも船主は関心を持っている。
      • 原文 May 23, 2019, Reuters(田中亜季)
    • 【3】欧州議会選挙:気候変動対策が有権者の大きな関心に
      • 【3】5月23日から26日にかけて、欧州各国で欧州議会選挙の投票が行われたが、気候変動対策が有権者の大きな関心事項となっており、先行して行われた8か国有権者に対する調査では、気候変動対策に対する関心は移民問題に次いで2番目に重要な課題で、独では有権者の最大の関心事項であった。学生団体は街頭に繰り出してより野心的な気候変動対策を求めた半面、いくつかの極右政党は気候変動対策を移民問題から目をそらせる課題として敵視している。米国が気候変動対策において指導的な地位を退き、欧州が世界の気候変動対策を先導する中で、欧州議会選挙の結果は、欧州内だけではなく、世界レベルでの今後の気候変動対策の動向に影響を与えることとなる。
      • 原文 May 23, 2019, Energypost.eu(長谷部正道)
    • 【4】豪総選挙で気候変動問題に冷淡な与党保守連合が予想に反して勝利
      • 【4】今回の豪総選挙は事前の予想では気候変動問題に積極的な野党労働党が、同問題に消極的な与党保守連合に勝利するという予想がもっぱらで、首相として長い間気候変動問題に消極的だったアボット前首相等の何人かの保守政治家は、気候変動問題を争点とした対立候補に予想とおり敗れたが、全体として豪の選挙民はグレートバリアーリーフを死滅させつつある海洋の温暖化や農民を苦しめる極端な干ばつの問題を黙殺し、炭素の排出と石炭の生産の削減に長い間抵抗してきた与党保守連合を再選した。今回の豪の選挙結果によって、カナダのトルドー首相のような全世界の左寄りの政治家は、気候変動問題を政治的争点にすることを回避するようになるだろう。とはいえ豪州内の気候変動懐疑派にとっても、史上最高気温を記録した今夏の異常気温や嵐の発生、これまで熱帯性のデング熱の感染地域でなかった豪南部へデング熱感染が広がったことなどの事実を否定することは困難で、与党政権は気候変動対策をより強く求める野党と、気候変動問題をめぐる国民の分断に直面することになろう。
      • 原文 May 19, 2019, NY Times(長谷部正道)
    • 【5】日本の首相と米大統領が日本のヘリ護衛艦を一緒に訪問する意味
      • 【5】トランプ大統領の訪日においては、同型艦の「いずも」とともにステルス戦闘機F35の運用に向けた調査が行われているヘリ護衛艦「かが」の視察が予定されている。海上自衛隊はイージス艦を含む強力な駆逐艦隊を配備しており、新たに運用が開始された日本版海兵隊と470億ドルもの巨額の2019年年度防衛予算は日本の防衛力拡大を示している。同盟国に対し、費用負担や義務負担が少ないと非難することがトランプ大統領周辺者の好む論調であるが、日本の海軍力の再起はトランプ大統領周辺者に支持され、安倍総理の憲法改正に向けた試みに力を与えるとともに、南シナ海の軍事拠点化や空母艦隊の整備を進める中国に対する明確なメッセージとなる。韓国や東南アジア諸国が中国との対立を好まないため、南シナ海で航行の自由作戦を最近実施したのは豪、仏、英と南シナ海から遠く離れた国ばかりで、日本が唯一の例外となっている。装備の充実を進める日本は米国にとって東アジアの同盟国をリードすることが見込まれ、その意味で「かが」の視察は象徴を超えた意味合いを持っている。
      • 原文 May 24, 2019, Asia Times(武智敬司)
    • 【6】INTERTANKOとBIMCOがスクラバー搭載船の用船契約についてQ&Aを作成
      • 【6】国際独立タンカー船主協会(International Association of Independent Tanker Owners: INTERTANKO)とボルチック国際海運協議会(Baltic and International Maritime Council)は、North of England P&I Clubの協力を得て、スクラバーを搭載した船舶の用船契約を締結するにあたり、契約両当事者が留意すべき契約上の事項を質疑集の形で取りまとめて、5月23日発表した。本質疑集はスクラバーを設置することによる技術的・船舶運航上の影響については触れておらず、一般的な契約上の問題に加えて、定期用船と航海用船について個別の問題を取り上げている。両協会は当用船契約中に、新たな「標準スクラバー条項」を設けることも当初検討したが、スクラバーを取り付けるか否かの決定は、取り付けのため費用と取り付け後の経済的な便益を、船主と用船者の間でどのように分担するかという純粋に経済的な交渉事項なので、当面標準条項を設けないこととしたが、今後とも当該標準条項の要否については定期的に見直していく。
      • 原文 May 23, 2019, BIMCO(長谷部正道)
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