2019/05/27LROニュース(6)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2019/05/27LROニュース(6)

記事アーカイブ

  • 2019.05.28 UP
    2019/05/27LROニュース(6)
    • 【1】CCC 6: 沸点が低いディーゼル油を舶用に使用する場合の公式安全評価
      • 【1】欧州委員会が第6回貨物運送小委員会(Committee on Carriage of Cargoes and Containers)に提出する予定の沸点の低いディーゼル油(Low-Flashpoint Diesel Fuel: LFDF)を舶用燃料として使用するにあたっての公式安全評価書(Formal Safety Assessment: FSA)(独連邦交通デジタルインフラ省作成)と、同評価書を踏まえた欧州委員会の国際ガス燃料安全コード(International Code of Safety for Ships using Gases or other low-flashpoint Fuels)の改正案を入手したところその概要は以下のとおり。①現在のSOLAS条約の規定によれば、沸点が60℃に満たない自動車用のディーゼル油等は船舶燃料として使用できないが、沸点が52℃から60℃の間にあるLFDFと従来からの舶用ディーゼル油(Conventional Maritime Diesel: CMD)を安全面から比較し、LFDFを舶用燃料として使用することに伴う追加的な危険性を特定し、当該危険性を安全に管理するための手法を見出すために、IMOのFSAガイドラインに従って、有害性の特定(Hazard Identification)が行われた。②発火危険性についてはLFDFとCMDの間で差異はないが、揮発性についてはわずかな差異があったものの、両者の間で、舶用燃料として使用することに伴う全体としての危険性レベルに差異はなかった。
      • 原文 May 21, 2019, 欧州理事会(長谷部正道)
    • 【2】黒海沿岸国の閣僚が「黒海における海事共通課題」を採択
      • 【2】5月21日、黒海沿岸国(ブルガリア・ジョージア・ルーマニア・ロシア・トルコ・ウクライナ)とモルドヴァの海事担当大臣がルーマニアで「黒海における海事共通課題(Common Maritime Agenda)」を採択したところその概要は以下のとおり。①共通課題は、健全な海洋と沿岸生態系、競争力のある革新的で持続可能な黒海の海洋経済、黒海の海洋経済に対する投資の促進の3つの目標に分かれて記述されている。②健全な海洋と沿岸生態系の実現については、海洋生態系の保護と持続可能性の担保、海洋汚染とプラスチックごみ、黒海における持続可能な漁業と養殖業の支援、黒海における革新的な海洋研究インフラの支援、効果的な海洋環境の監視・観測に必要な海洋・沿岸部の環境面のノウハウの醸成・管理・共有が優先事項とされ、③競争力のある革新的で持続可能な黒海の海洋経済の実現については、革新的な事業モデル・刺激的な研究と発明・持続可能な成長・最新のニーズに即した就業環境の促進、黒海における交通とデジタルの接続性の促進、革新と競争力を生み出すための海洋に関する技能と経験の促進が優先事項とされ、④黒海の海洋経済に対する投資の促進については、資金調達手段の改善・持続可能な投資の促進、海洋起業家と海事クラスターの促進が優先事項とされている。
      • 原文 May 21, 2019, EU(長谷部正道)
    • 【3】P&Oフェリーが英国政府とユーロトンネルとの和解の破棄を求めて
      • 【3】合意なきEU離脱後に備えた緊急輸送用フェリーの追加用船契約について、仏海峡におけるフェリー運航の実績あるユーロトンネル社に契約の打診をしていなかったことから、英国運輸省(Department of Transport : DfT)は和解金3300万ポンド支払うことに合意していた。しかし、同じく実績があり契約打診のなかったP&Oフェリーは、この和解は不合理で不適当な目的のもと合意されているので、英国政府にユーロトンネルとの和解を破棄することを要求し、破棄されるまでは英政府に年間1090万ポンドの請求する、と英裁判所に提訴した。この判決の結果によって、英政府とユーロトンネルと和解が再審議される可能性がある。
      • 原文 May 21, 2019, gCaptain(田中亜季)
    • 【4】世界海洋評議会が日本財団のSeabed 2030事業との連携を発表
      • 【4】2017年に日本財団の笹川会長が国連海洋会議で2030年までに全世界の海底地形図を作成すると表明したのを受けて、日本財団とGEBCO(General Bathymetric Chart of the Oceans)はSeabed 2030事業を開始し、世界の海洋地図作成者・ハイドログラフ(流入量時刻歴)作成者・科学者・産業界・一般市民を巻き込んで、既存の海洋の深度に関する情報を発見し発表するとともに、既存の水深に関する情報がない海域を割り出し(map the gaps)、世界全体の海底地形図を完成するために、欠落海域の海底地形図を作成するための調査を実施することを促している。世界的な海洋経済に関する事業者の団体である世界海洋評議会(World Ocean Council: WOC)は、世界の海底地形図を作成するために、Seabed 2030と連携すると5月22日発表した。WOCは海事関係企業に対し、Seabed 2030事業について周知し、必要な水深情報の収集について、会員事業者がどのように貢献できるか検討を行う。Seabed 2030は11月20日から22日にかけてパリで開催されるWOC主催の第7回年次持続可能な海洋サミット(Sustainable Ocean Summit)に参加し、参加企業に水深情報の収集と共有について周知するためのワークショップをWOCと共催する。
      • 原文 May 22, 2019, 世界海洋評議会(長谷部正道)
    • 【5】MEPC 74: ギリシャ船主協会が結果を評価
      • 【5】5月20日、ギリシャ船主協会が、5月13日から開催された第74回IMO海洋環境保護委員会(MEPC 74)の審議結果を評価するコメントを発表したところ、燃料油中の硫黄含有分規制強化に関する評価点は以下のとおり。①2020年から実施される燃料油中の硫黄含有分規制の強化については、規制適合油の品質と供給の可否に関する情報の収集・フィードバック制度の確立に向けて進展が見られた。②規制適合油給油不能報告書(Fuel Oil Non-Availability Report: FONAR)については、船舶の運航上・安全上の観点から、また船社の不可抗力により船舶が規制適合油を給油できなかった場合の寄港地政府・船舶登録国の現実的な対処方法について十分配慮したうえで、「船舶燃料中の0.5%硫黄含有分制限の統一的な実施のための2019年のガイドライン(2019 Guidelines for consistent implementation of the 0.5% Sulphur cap on marine fuels)」の中で規定されているFONARのテンプレートが改正された。③排ガス浄化装置(Exhaust Gas Cleaning System: EGCSs)の排水を海洋に排出することに関する規則やガイダンスの評価と整合化、EGCSsの包括的な同等性(equivalency)について、今後MEPCで検討していくことが合意された。
      • 原文 May 20, 2019, ギリシャ船主協会(長谷部正道)
    • 【6】英国政府による使い捨てプラスチックに対する規制の具体的な運用
      • 【6】2020年からイングランドにおいて、プラスチックストロー・プラスチックのマドラー・プラスチック製の柄が付いた綿棒に対する規制が強化される。プラスチックのマドラーは年間3億1600万本製造されているが、完全に供給が禁止される。プラスチックストローについては、スーパー等においては販売が禁止されるが、身体障碍者のために登録された薬品店で購入することが許される。レストラン等の飲食店においても、自動的にプラスチックストローを顧客に提供できないが、身障者対策として身障者手帳の提示等が無くても顧客から要求があればプラスチックストローを提供することができる。イングランドでは年間18億本のプラスチック製の柄のついた綿棒が使用されており、同綿棒の販売は原則として禁止されるが、薬品等の研究や刑事捜査のための法医学的検査のためには引き続き使用が許可される。スコットランド政府も同様の禁止措置をとる予定で、ウェールズ政府も禁止措置を検討中である。
      • 原文 May 22, 2019, BBC(長谷部正道)
  • 資料閲覧 その他