2019/05/16LROニュース(6)

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  • 2019.05.17 UP
    2019/05/16LROニュース(6)
    • 【1】USCG長官が2028年までに3隻の氷海巡視船を建造する計画を表明
      • 【1】4月に米国沿岸警備隊(USCG)は、VT Halter社と7億4590万ドルで、40年ぶりに大型砕氷巡視船の建造計画を締結したが、本年10月から始まる2020予算年度においては、USCGは砕氷巡視船建造計画のために3500万ドルのつなぎ予算を要求している。USCG長官は2021予算年度要求においては、砕氷巡視船の2番船と3番船の建造費を含む予算要求を行う予定であると表明した。もしこうした予算要求が認められれば、2028年までにUSCGは3隻の新型砕氷大型巡視船を保有することとなる。VT Halter社を発注先として選んだことは意外な決定であり、当初は現実的に速やかな調達を図るため、カナダ政府向けの砕氷船や、ノルウェー政府向け氷海クラス船舶の建造実績があるWisconsin州に本社を置くイタリアのFincantieri Marinette Marine社が受注し、同社が予算と建造所要時間を節約するために、カナダ向け砕氷船の設計をベースにして、USCGの砕氷船を建造するものと考えられていた。一方で、VT Halter社は船舶建造中にいくつもの重大事故を起こしたことで知られており、Elizabeth Warren上院議員は、同社に対して刑事捜査を行うことを政府に要求している。
      • 原文 May 8, 2019, Arctic Today(長谷部正道)
    • 【2】北極評議会閣僚会合:米国のせいで共同宣言を出せずに閉幕
      • 【2】5月7日、北極評議会閣僚会合は、共同宣言案の中でパリ協定など気候変動対策に触れることを米国が拒否したため、1996年に北極評議会が創設されて以来初めて、北極評議会の活動の優先順位を明示する共同宣言を出すことができずに、気候変動について一切触れない短い共同声明だけを発表して終了した。北極評議会は北極海に面する8か国と先住民の代表から構成され、北極圏の脆弱な環境を保護することを含め様々な北極圏の課題について参加国が協力していくことが使命とされている。2年間議長国を務めたフィンランドの外相は名指しこそしなかったものの、気候変動対策について反対を表明したのは少数意見であったことを明示した。北極評議会にはカナダやデンマークなど米国の信頼できる同盟国が参加する中で、米国だけが孤立したのは象徴的だった。共同声明には、北極海の環境汚染問題や永久凍土の融解に伴う先住民社会に対する支援など様々な事項が盛り込まれた。
      • 原文 May 7, 2019, NY Times(長谷部正道)
    • 【3】中国が建造中の3隻目の空母の写真が公開
      • 【3】ワシントンの戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies)がロイターに提供した衛星写真によれば、上海郊外の江南造船所において過去半年の間に大型船舶が順調に建造中であることが判明した。中国政府は3番目の空母を建設中であることを公式には認めておらず、竣工の時期や空母の仕様については国家秘密となっている。3番目の空母は中国最初の近代的な甲板を持つ最大の空母で、完全な空母打撃群を率いることができ、中国国内で設計された大型空母を持つことは、中国軍の近代化の動きの中でも核心的な目的となっている。衛星写真によれば、船首部分の先端は約30mで、他の船体部分の幅は41mあることから、米国の10万トンクラスの空母よりは小さいが、仏の4万2500トンのシャルルドゴール級の空母よりは大型の空母となることが考えられる。
      • 原文 May 7, 2019, Reuters(長谷部正道)
    • 【4】プラスチックごみ輸出規制強化の動き
      • 【4】国連環境計画(United Nations Environment Programme:UNEP)によれば、2018年において独・米・日はそれぞれ10憶キロ以上のプラスチックごみを他国へ輸出している。現在、世界の海洋には推定1億トンのプラスチックが蓄積し、さらに毎年約800万トン増加している。海洋汚染による世界的な関心が高まる中、5月10日、187カ国が参加するUNEPの国際会議において、廃棄物の国際移動を規制するバーゼル条約を改正して、プラスチックごみの輸出を規制する案が採択された。ノルウェーが提案し、日本、アフリカ諸国等が支持したこの改正案は、リサイクルのために分別されていないプラスチックごみを輸出の規制対象に加え、輸出の際は輸入国の事前承認が義務付けられる。米国はバーゼル条約を批准していないが、この規制はバーゼル条約の非加盟国と加盟国の間の輸送にも適用されるため、米国がバーゼル条約加盟国に未分類のプラスチックを輸出することは困難になる。したがって、米国がこれまでとおり未分類のプラスチックごみを輸出するためには、輸入相手国との間でバーゼル条約と同等以上の環境基準を定めた二国間協定の締結が必要となる。
      • 原文 May 7, 2019, Reuters(田中亜季)
    • 【5】ReCAAP ISC週刊報告書(4月30日から5月6日)
      • 【5】4月30日から5月6日の間、アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)の情報共有センター(Information Sharing Center)に報告された事件は、インドのビシャーカパトナムのSPM錨地で発生した海賊による乗船事案1件のみであったところ、当該事件の概要は以下のとおり。4月13日15時36分にビシャーカパトナムのSPM錨地に錨泊するために航行していたバハマ籍のタンカーに、5隻のボートに分乗した11人の賊が接近した。船長は汽笛を鳴らすとともに、乗組員に警報を発した。船舶の居住区域等は乗組員によって防御された。船長はさらにビシャーカパトナムの港湾管理局とインド沿岸警備隊に対し救援を要請した。賊は主甲板からタンカーに乗船し、乗組員は抵抗しなかったものの、賊を監視し賊の行動範囲を主甲板に制限した。船長から救難要請を受けた港湾管理局は沿岸警備隊を含む関係当局に連絡し、沿岸警備隊の巡視艇が現場に向かった。沿岸警備隊の巡視艇が接近してくるのを確認した賊は、何も取らずに賊のボートに乗って退散した。乗組員は負傷もせず全員無事だった。
      • 原文 May 7, 2019, ReCAAP(長谷部正道)
    • 【6】カナダ下院外交・国際開発委員会が北極政策に関する報告書を発表
      • 【6】カナダ下院(House of Commons)外交・国際開発委員会(Standing Committee on Foreign Affairs and International Development)が北極政策に関する報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①海氷の減少によって、北極海航路の活用可能性について、野心的な中国をはじめ世界の関心が高まっている。②ロシアは北極圏における軍事力を再構築・近代化して国際法に基づく秩序に挑戦しようとしており、NATO加盟国が協力してロシアに対抗する必要がある。③一方で北極は平和的な国際協力の場として、科学的研究を進め、海運の安全性を向上させ、自然環境を保護するために各国が引き続き協力していく必要がある。④カナダの北極政策の課題は安全保障と国防の問題に限らず、カナダ北極圏の経済的な発展を図るためのインフラの整備が必要である。
      • 原文 April, 2019, カナダ下院(長谷部正道)
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