2019/05/14LROニュース(6)

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  • 2019.05.15 UP
    2019/05/14LROニュース(6)
    • 【1】英国政府が合意なきEU離脱のための臨時フェリー用船契約をすべて解約
      • 【1】英国運輸省(Department of Transport : DfT)は合意なきEU離脱後に備えた緊急輸送用の追加用船契約を解約することを決めた。解約に伴う違約金は5,000万ポンド以上になると推測されている。DfTはフェリー運航会社2社と合わせて8,900万ポンドの追加的用船契約を締結しており、EU離脱が延期されたにも関わらず追加運航は予定通り開始されていた。英政府はまた、英仏海峡におけるフェリー運航の実績あるユーロトンネル社に追加用船運航の契約を打診しなかったことから和解金として3,300万ポンド支払うことを合意していたが、現在P&Oフェリーから、ユーロトンネル社に対する和解金の支払いは競争上の不利益になると、同様の請求を受けている。10月のEU離脱の期限までに再度、追加のフェリー運航が必要になる場合は、英政府はもう一度新しく契約を交渉しなくてはならない可能性がある。
      • 原文 May 1, 2019, BBC(田中亜季)
    • 【2】InterManagerが閉鎖空間における事故についてアンケート調査を実施
      • 【2】船舶・船員管理者の国際団体であるInterManagerが約250隻の船舶の5千人を超える船員・船舶運航者・船舶管理者等を対象に閉鎖空間における死亡事故に関するアンケート調査を実施したところその結果の概要は以下のとおり。①閉鎖空間への侵入区域やそこで働く船員等について配慮した船舶設計がなされておらず、閉鎖空間に到達するのが難しいうえ、適正な換気をすることや内部の空気の状態を確認することが困難な場合がいまだに多い。②荷物の荷役時間やタンクの清掃時間が、現実離れした短い時間に設定され、船員にしわ寄せが及んでいる。③船舶管理者が主導して安全重視の考えに基づく訓練を実施し、閉鎖空間で働くことの危険性を徹底するため「閉鎖空間」ではなく「危険区域」といった名称に変更する必要がある。④事故原因調査にあたっては、事故の原因となった犯人捜しのレベルで終わり、なぜ事故が起こり、死亡者がどうしてそうした行動をとったかなどの本質的なレベルまで事故調査が行われていない。
      • 原文 May 2, 2019, Inter Manager(長谷部正道)
    • 【3】英野党がHuawei情報漏洩で解任された前防衛大臣に対する刑事捜査を求める
      • 【3】英国政府が米国政府からの要請にもかかわらず中国のHuaweiに対し、次世代5Gネットワークの一部について参加を認めることを重要閣僚により構成される国家安全保障会議で決定したという情報をこの決定に強く反対した防衛大臣がマスコミに対しリークしたというDaily Telegraph紙の報道を受けて、5月1日、英首相は防衛大臣が情報を漏洩したという確実な証拠を得たとして同大臣を解任した。内閣の主要閣僚がこうした機密情報を漏洩したとして解任されるのは極めて異例なことで、この疑惑に対して、前防衛大臣は強く自身の関与を否定している。野党労働党の副党首は、本件について刑事捜査することを求めているが、内閣官房長官は本件を警察沙汰にするつもりはないとし、首都警察長官も告発を受けない限り警察は本件に関し刑事捜査は行わないとしている。前防衛大臣とその支持者は、情報漏洩が前大臣によるものだとする証拠を開示することを政府に求めている。
      • 原文 May 2, 2019, Defense News(長谷部正道)
    • 【4】ロシアと中国が北極海における米国に対する戦略的な脅威
      • 【4】米国沿岸警備隊(United States Coast Guard : USCG)が4月22日に公表した「北極海戦略見通し(Arctic Strategic Outlook:ASO)」は、2013年の安全と海洋環境に配慮したASOとは異なり、北極海の地政学および戦略的役割に重点を置いている。4月に発表された新ASOでは、「2013年以来、北極海の物理的環境の大幅な変化と同時に国家間競争が再燃し、北極海が戦略的な競争の場として重要性を増している」との記述があり、中国とロシアによる北極圏における投資や活動を見て、米国にとって両国が主要な競争国であるとみなしている。特に中国は、「北極海に近接する国(near-Arctic state)」と自称し、砕氷船・調査船・北極圏のインフラへの投資を続けており、米国は「南シナ海において米国の航行の自由を阻害しているのと同様に、北極海における米国による航行の自由を脅かす可能性がある」と警戒している。
      • 原文 May 2, 2019, High North News(田中亜季)
    • 【5】米国安全環境執行局が海洋油田掘削の安全・環境基準の規制緩和を発表
      • 【5】5月2日、米国内務省安全環境執行局(Bureau of Safety and Environmental Enforcement: BSEE)は海洋油田掘削に使用される噴出防止装置(Blowout Preventer Systems)と油井管理規制(Well Control Rule: WCR)に関する基準を緩和する規制を発表したところその概要は以下のとおり。①安全を確保しつつ、規制緩和により米国の産業界の国際競争力を強化し、エネルギー安全保障を改善し、経済的繁栄を確保するというトランプ政権の方針を踏まえ、本規制緩和は、安全・環境保護を維持しつつ、責任ある海洋石油開発に対する不必要な負担を排除することを目的とする。②オバマ政権下で強化されたWCRの342の規制のうち、約8割の274の規制についてはそのままとするが、68の規制が撤廃されるとともに、連邦政府が管理する大陸棚(Outer Continental Shelf)における海洋石油掘削を改善するために新たに33の規制が追加された。③BSEEはDeepwater Horizon事故後に14の機関から出された26の報告書によって提言された424項目の安全改善勧告を吟味したうえで、今回の規制緩和はこれらの勧告に反しないと判断した。
      • 原文 May 2, 2019, 米国内務省(長谷部正道)
    • 【6】フジャイラ港周辺で4隻の船舶が正体不明の攻撃を受ける
      • 【6】米国の国務長官が欧州諸国とイランとの緊張関係について協議を行っている中、サウジアラビア政府は同国籍の2隻の石油タンカーが、5月5日ペルシャ湾で正体不明の攻撃を受けたと発表した。UAE政府もホルムズ海峡に近いフジャイラ沖で4隻の船舶が攻撃を受けたと5月12日発表したが、攻撃を受けた船舶の国籍や船舶の被害の状況については公表していないが、サウジアラビア隻の2隻のタンカーに加えて、他の2隻はそれぞれノルウェーとUAEの船舶であることが分かっている。イランと米国およびその同盟国であるサウジアラビアとUAEとの間の緊張は高まっており、米国務省は国務長官のブラッセル訪問は、今回の攻撃とイラン政府の声明について欧州諸国と話し合う良い機会だととらえている。今回の正体不明の攻撃について、誰も犯行声明を出していないが、イラン政府も今回の攻撃についての調査を要求し、攻撃は湾岸情勢を混乱させることを意図した外国勢力による無謀な行為であると非難している。サウジアラビア政府は攻撃を受けたとされるサウジ籍タンカーの被害の証拠となる写真を公表していない。
      • 原文 May 13, 2019, The Guardian(長谷部正道)
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