2019/05/10LROニュース(6)

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  • 2019.05.13 UP
    2019/05/10LROニュース(6)
    • 【1】国際運輸労連:船舶の閉鎖空間における船員等の死亡事故増加に警笛
      • 【1】国際運輸労連(International Transport Federation: ITF)によれば、2018年1月から16人の港湾荷役作業員と12人の船員が船舶の閉鎖空間において、酸素不足により窒息あるいは失神した際に転落し、或いは爆発により死亡している。過去20年間に同様の原因で145人が死亡しているが、最近の16か月に28人も死亡者を出していることに注意を払う必要がある。ITFは事故原因を船社等が閉鎖空間において安全に作業するための訓練を作業員等に対して十分行わず、閉鎖空間の換気を作業前に時間をとって十分に行う安全重視の企業風土を軽視し、作業時間の短縮化といった目先のコスト削減を重視しているせいだと非難している。作業員等は閉鎖空間における作業の危険性を一般的には認識し、作業前30分間はハッチを開けるなどの対策をとっているが、木材の燻蒸剤や石炭・鉄鉱石・穀物等の様々な貨物によって生じる多様な危険性について作業前に十分に認識していないことも多い。IMOの国際海上固体ばら積み貨物(International Maritime Solid Bulk Cargoes: IMSB)コードは貨物の危険性を明らかにし、安全な貨物取扱作業のためのガイドラインを定めているが、ITFは船主団体とともに、IMOにおいて同コードが船舶の閉鎖空間における作業員の事故の防止に十分対応できるよう努めていく。
      • 原文 Apr. 26, 2019, ITF(長谷部正道)
    • 【2】米上院議員が米政府にIMO2020年規制の円滑な実施を妨げないよう要請
      • 【2】SOx規制が予定通り2020年1月から実施されると、トランプ大統領の再選挙運動中にガソリンとディーゼル油の価格が高騰する可能性があることから、米国代表団は昨年10月に開催されたIMOのMEPCにおいて、規制開始時期を遅らせるよう働きかけた。これについて共和党の上院議員14名は連名でホワイトハウスに書簡を送り、5月に再度開催されるMEPCにおいて規制時期延期を画策することは市場の混乱を招き、米国のエネルギー産業に損害を与えるだけでなく消費者のためにもならないとして、自粛を求めた。市場関係者によれば、IMO規制の実施は石油精製業界にとって数十年に一度の波乱要因となり、世界の船舶燃料市場構造が激変し、1日当たり約300万バレル需要のある重油が不必要となるが、市場への影響としては中間的な蒸留油の価格は上昇する一方で、ガソリン価格は安定すると予測している。仮に大統領が懸念するように、再選時にガソリン等の価格が高騰したとしても、大統領権限で国家備蓄の石油を取り崩し、価格上昇を抑えることも可能である。
      • 原文 Apr. 29, 2019, S&P Global(田中亜季)
    • 【3】世界の主要中央銀行が気候変動に関する金融リスクについて提言
      • 【3】2017年に、世界の主要中央銀行34行が集まって結成した「環境にやさしい金融制度を作るネットワーク(Network for Greening the Financial System)」が4月17日提言を発表したところその概要は以下のとおり。①気候変動に伴う金融リスクの監視を、日常的な監督業務・金融安定監視・危機管理措置に組み込む。具体的には、気候変動政策に対し、監督の対象となる金融・保険機関がどのような戦略的な対応策を講じているかを評価することを含め、金融機関等が気候変動に伴う金融リスクに適切に対応できているか確認する。②各中央銀行はポートフォリオの管理にあたって、持続可能性の観点を取り入れる。③政府機関は気候変動リスクに関する情報を共有し、可能なものは公表し、気候変動リスクを正しく評価できるよう協力する。④気候変動リスクに関する専門家を行内に育て、関係機関と気候変動リスクに関する識見を共有するため、銀行内だけでなく外部機関との協力関係を強化する。
      • 原文 Apr. 17, 2019, Bank of England(長谷部正道)
    • 【4】英国海事沿岸警備庁などが沿岸域の捜索救難活動にドローンを試用
      • 【4】英国海事沿岸警備庁(MCA)と王立救命艇協会(RNLI)、サセックス州警察は共同で、沿岸での捜索救助にドローンを活用する試みを開始した。ドローンはサセックス州警察の専門部隊が操縦し、遭難者の捜索や、救助艇派遣に先立つリスク評価に活用される。1年間の試用ののち、MCAやRNLIにおける将来的な無人航空機の導入への影響評価が行われることとなっている。
      • 原文 Apr. 29, 2019, gCaptain(武智敬司)
    • 【5】中・露が黄海で大規模軍事演習を実施
      • 【5】4月29日、露太平洋艦隊所属のミサイル巡洋艦を旗艦とする艦隊が黄海での中国との合同演習のため青島に入港した。露艦隊には潜水艦やコルベット、補給艦、救難艦、揚陸艦などで構成され、中国からは潜水艦やミサイル駆逐艦、フリゲート艦、潜水艦救難艦が演習に参加するほか、艦載機やヘリコプター、特殊部隊による訓練も行われる予定である。演習では中露合同司令部の指揮の下、ミサイルや砲撃の海上実弾演習、対潜運動及び共同防空、模擬潜水艦救難訓練が実施される。この演習には中露の副参謀長級が出席して訓練を視閲するほか、意見交換が行われる予定である。
      • 原文 Apr. 30, 2019, Asia Times(武智敬司)
    • 【6】バルト海硫黄排出規制海域の検証結果と2020年規制
      • 【6】EU(欧州地域開発基金:European Regional development Fund)の支援を受けて、フィンランドのトゥルク大学が中心となって北欧諸国の政府・学術機関が共同で、バルト海硫黄排出規制海域(Baltic Sulfur Emission Control Area: SECA)について、規制の技術的な効率性と社会経済学的な影響について研究を行ってきたEnviSum事業が4月30日最終報告書を発表したところ結論部分の概要は以下のとおり。①世界的な硫黄排出規制は沿岸部から離れたところを航行する外航船舶が主たる対象となるので、バルト海においてSECA設定によって得られた環境・健康改善効果に比べれば、効果が間接的にはなるが、硫黄排出規制によって人類の健康や陸上の生態系に良い影響を及ぼすことは間違いない。②SECAによってバルト海で船舶を運航する海運業界の技術革新が進み、高い環境対応技術を得た先進的な海事産業として、世界的な硫黄排出規制が実施された暁には、規制遵守方法などの経験を活用することができる。③バルト海における船舶からの硫黄排出を規制することは海運業界にとってこれまでにない最大の試練で、膨大なコストもかかったが、環境規制に対する海運産業の姿勢を変え、大きなパラダイムシフトとなった。④規制導入時には、世界的な規制で取り組むべき硫黄排出規制について、地域的な規制を導入することは公正さにかけ、リスキーな行いだという批判があったが、結果として規制が大過なく実施されただけでなく、地域の海運業界がむしろ繁栄する結果となった。
      • 原文 Apr. 30, 2019, トゥルク大学(長谷部正道)
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