2019/04/05LROニュース(6)

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  • 2019.04.08 UP
    2019/04/05LROニュース(6)
    • 【1】欧州司法裁判所、独の再生可能エネルギー課徴金制度を国家補助ではないと認定
      • 【1】2012年に独は再生可能エネルギー法(EEG 2012)を策定し、再生可能エネルギーから電力を発電する事業者(EEG事業者)を支援するための制度作った。同法はEEG課徴金制度を策定し、EEG事業者が電力の最終消費者から課徴金(surcharge)を徴収できることとした。但し、電力を大量に消費する特定の製造業(Electricity- Intensive Undertakings: EIUs)については、これらの製造業の国際競争力を維持するために、支払う課徴金の額について上限(cap)を設けることができる。EEG事業者によって徴収された課徴金はEEG電力を販売することが義務付けられている地域間の(超)高電圧送電事業者(operators of high and very-high-voltage Transmission Systems: TSOs)に支払われる。欧州委員会は独のこの新制度の大部分を承認しつつも一部が国家補助にあたると2014年11月25日に認定した。この認定を不服として独政府は一般裁判所(General Court: GC)に提訴したが、GCは2016年5月10日に独政府の訴えを却下した。3月28日、欧州司法裁判所(Court of justice of the European Union)は、EEG課徴金は国家補助にあたらないとして、GCの判決を破棄するとともに、欧州委員会の認定も無効とした。
      • 原文 Mar. 28, 2019, CURIA(長谷部正道)
    • 【2】カナダ海事商業会議所が連邦予算省の水先近代化法を支持
      • 【2】カナダの東西沿岸地域や五大湖やセントローレンス運河の大部分は強制水先区域に指定されているが、カナダの水先制度は連邦が運営する4社が独占的に運用し、それぞれが独自の規制・運用手続・慣行を定めており、水先人の数もカナダ全体でわずか400人程度しかいない。また内航船の船長や船員は水先人と同様に地域ごとの経験・知識を保有し、運航管制制度などに通暁しているにもかかわらず、水先人会が古臭く煩瑣な規則を保持しているため、自分の船舶の運航について水先業務を行うことができなかった。こうした状況を改善するため、船社・海運会社・荷主等は内航船員等が自分の船舶の運航に関し水先業務を行うための標準化され改善された認証制度を立ち上げるよう政府に働きかけた結果、五大湖とセントローレンス運河ではこれが可能となって、水先人を使用したのと同等程度以上の安全運航の実績を上げている。このような状況を背景に、連邦予算省が水先制度の近代化のための法案を議会に提出することを約束したことを、カナダ海事商業会議所(Chamber of Maritime Commerce)としては高く評価する。
      • 原文 Mar. 19, 2019, カナダ海事商業会議所(長谷部正道)
    • 【3】パリ協定の目標実現のためには今後15年間に100兆ドルの投資が必要
      • 【3】気候変動政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change: IPCC)によれば、パリ協定の目標実現のためには今後15年間に100兆ドルの投資が必要であり、持続可能なエネルギーの供給に必要なインフラ投資だけでも、現在の実績の7倍にあたる年間2.4兆円の投資が必要であることがわかった。G20の持続可能な金融検討グループでは、こうした投資を賄うために持続可能なローン担保証券(Collateralized Loan Obligation: CLO)市場の創設を提案している。投資規模が大きいので、銀行だけでは融資できず、資金量の豊富な機関投資家がCLO市場の発展と成長の面で中心的な役割を果たすことが期待される。現状では債券市場はインフラ投資に必要な資金の約15%程度を供給しているにすぎないが、同グループによれば、持続可能なエネルギー・交通等のインフラ投資に対して、債券市場から追加的に年間1兆から1.5兆ドル程度の資金供給が期待される。
      • 原文 Mar. 27, 2019, White & Case LLP(長谷部正道)
    • 【4】全米第2位の石油精製事業者が低品質バンカー売却の件で訴えられる
      • 【4】サウジアラビアの国営船社(National Shipping Co)は全米第2位の石油精製事業者であるValero社に対し、同社から購入した低品質のバンカーによって、同社の運航する船舶の燃料供給ポンプや給油ユニットが故障したため、故障した機器の修理費と燃料の交換のための費用等合計110万ドルの支払いを求めて、テキサス州南部地域連邦地方裁判所ヒューストン支部に提訴した。同様に、メキシコの石油化学企業であるIndepro SA社もValero社から供給を受けた低品質のバンカーを2018年5月に使用した同社が用船した船舶のエンジンが破損したため、エンジンの修理費と燃料タンク・燃料パイプの清掃費用として7万5千ドルの支払いを求めて、同裁判所ガルベストン支部に提訴した。Indepro社によれば、2018年1月から3月までの間に被告が供給した低品質バンカーのせいで150隻以上の船舶が被害を被ったことを被告は認識しながら低品質バンカーの供給を継続した一方で、被告自体が用船した船舶には低均質バンカーを給油しなかったと主張している。
      • 原文 Mar. 29, 2019, Reuters(長谷部正道)
    • 【5】USCG: 新砕氷船建造契約今月中にも締結か?
      • 【5】USCG長官が上院の委員会で明らかにしたところによれば、USCGが進める新型砕氷船建造について、4月ないし5月には1番船の契約が締結される見通しである。長官は新型砕氷船の建造費について、1番船は9.25~9.40億ドル、2番船以降は約7億ドルとの見積もりをあきらかにした。また長官は、現在米国で唯一稼働している大型砕氷船である船齢43年のPolar Starが実施した105日間の南極での行動中、船内の火災や電源の喪失、機関室への浸水などのトラブルを克服して任務を遂行したことを「奇跡的」と表現し、一刻も早い新型砕氷船の取得が必要と強調した。
      • 原文 Apr. 1, 2019, Military. Com(武智敬司)
    • 【6】世界経済フォーラムがエネルギー転換に関する報告書を発表
      • 【6】3月25日、世界経済フォーラムが「効率的なエネルギー転換の促進」報告書(2019年版)を発表したところその概要は以下のとおり。①気候変動政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)によれば、地球の温度上昇を1.5℃以下に抑え込むためには、2050年までに人類による地球温暖化ガス(GHG)の排出を中立化しなくてはいけないが、目標実現のためには、世界のGHG排出量の2/3を占めるエネルギー産業において速やかな再生可能エネルギーへの転換が行われることが不可欠。②しかし現実には2018年中の全世界のCO₂の排出量増加率は2%と近年では最高となることが予測され、石炭の消費量は過去3年間減少が継続したものの2018年には増加に転じ、アジア地域の石炭発電所の築年数は平均11年でこれらの発電所の操業が停止されるまでにはまだ長い期間が予想される。③エネルギーの非炭素化のために重要な電化はいまだ全世界で19%で、エネルギー産業全体の投資に占める化石燃料への投資比率が2018年には2014年以来始めて上昇に転じ、過去30年間におけるエネルギー供給全体に占める化石燃料の比率は81%と高止まりしており、持続可能なエネルギーに転換するための努力の有効性が問われる事態となっている。
      • 原文 Mar. 25, 2019, 世界経済フォーラム(長谷部正道)
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