2019/02/28LROニュース(6)

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  • 2019.03.01 UP
    2019/02/28LROニュース(6)
    • 【1】PPR 6: 日本代表がスクラバー使用の正当性を主張
      • 【1】第6回汚染防止・対応委員会(PPR6: Sub-Committee on Pollution and Response)中のプレゼンテーションにおいて日本代表団は、重質燃料油(HFO:Heavy Fuel Oil)と開放型スクラバーを使用した方が、単に2020年規制に適合する低硫黄燃料のみを使用するよりも粒子状物質(PM:Particulate Matter)と多環芳香族炭化水素(PAH:Polycyclic Aromatic Hydrocarbons)の両方の排出を大幅に緩和でき、人体にも海洋生態系にも優しいと発表し、IMOの排水基準に合致しているスクラバーの使用を禁止することに何ら科学的根拠がないと主張した。日本の調査研究の概要は以下のとおり。①瀬戸内海、伊勢湾、東京湾の3つのエリアにおいて、21種のPAHとバナジウム、ニッケル、銅を含む8種の重金属の濃度レベルの調査を行った。②10年間すべての船舶が開放型スクラバーを使用し洗浄液を海洋放出したと仮定した環境下で、累積するPAHと重金属の累積値を計算し、2015年の計測値と比較。③この結果、短期・長期的に見ても、開放型スクラバーは海洋生態系汚染の原因にはならないと結論付けた。また、スクラバー洗浄水中の重金属濃度は、国の陸上の排水基準値の100倍以下の汚染濃度だったとしている。
      • 原文 Feb. 22, 2019, Ship & Bunker(長谷部正道)
    • 【2】MSC 101: 欧州委員会等によるLSAコード見直し提案文書
      • 【2】第101回海上安全委員会(MSC 101)において、現在の国際救命器具(International Life-Saving Appliance: LSA)コードとSOLAS救命胴衣の水中における性能に関する決議(Resolution MSC.81(70))の再検討を求める欧州委員会等の提案文書案を入手したところ概要は以下のとおり。①現行のIMOの救命胴衣のデザインと審査方法に関する基準は、水中における救命胴衣が常に正常に機能することを担保していない。②遭難した人間が意識を失ったり、けがによって自分では体を反転できないような場合でも、救命胴衣は遭難者の体を反転させ、呼吸ができるように確保することが求められている。③しかし、現在の救命胴衣の機能審査方法においては、遭難者の体重や着衣の重量が考慮に入れられていない。④したがって、救命胴衣のデザインと審査方法の最高を新たなMSCの議題として採択するよう提案する。
      • 原文 Feb. 21, 2019, 欧州理事会(長谷部正道)
    • 【3】USCG士官学校が極圏偵察衛星事業に参加
      • 【3】米国土安全保障省は極圏偵察衛星事業であるPolar Scout計画として2018年12月に2基のCubeSat衛星を打ち上げたが、この計画に参加する地上局がUSCG士官学校(USCGA)に設置された。今後は士官候補生の教育にも広範に活用される見込みである。USCGAに設置された地上局はオハイオ州デイトン、カリフォルニア州モントレー、ユタ州ローガンの各地上局とともにCubeSat衛星の運用指令ネットワークを構成しており、直径18フィートのレドーム内には自動的に衛星を追尾するパラボラアンテナのほか、無線機や増幅器などが収納されている。USCGAの地上局は当面はPolar Scout計画に多くの時間を割くことになるが、この地上局がUSCGAに設置された本来の目的は、士官候補生の学術的な宇宙研究に資することにある。USCGAの物理学教官によれば、宇宙はUSCGにとって不可欠な新領域として重要度が増しており、このような協力関係はUSCGの監視能力等の強化につながるとしている。
      • 原文 Feb. 8, 2019 USCG (武智敬司)
    • 【4】ロシア国内でパリ協定批准推進の動き
      • 【4】ロシアはパリ協定に署名をしたが、まだ批准をしていない12か国の中で最大のGHG排出国で、世界全体のGHGの5%を排出しており、COP24では気温の上昇を1.5℃以内に抑制すべきという国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の報告書の評価をブロックした気候変動対策に否定的な少数国グループの一員である。しかし、欧州委員会が自由貿易協定の締結に当たっては、パリ協定の順守に肯定的な国を優先するとして以来、ロシア産業起業家組合(Russian Union of Industrialists and Entrepreneurs: RSPP)など産業界の一部から、政府が気候変動対策に後ろ向きのままでは、外国にロシア企業の経済活動を制約する口実を与え、ロシア企業の国際競争力を失わせ不必要なコストを払わされることとなると表明している。そこで政府の気候変動問題のアドバイザーは、作業部会を作ってパリ協定批准のメリデメをまとめた報告書を2月の下旬までにまとめ、3月には大統領に報告書の結果を諮問することとしている。大統領の承認が得らえれば、政府が批准に必要な法制を議会に提出こととなるが、もちろん反対派の強い抵抗が予想される。
      • 原文 Feb. 20, 2019, Energy Post(長谷部正道)
    • 【5】ビンタン島周辺で違法錨泊による検挙が増加
      • 【5】North P&Iの調査によれば、ビンタン島付近で錨泊する船舶が違法な錨泊としてインドネシア当局に検挙される事例が増加している。当該海域はシンガポール海峡の航路に近いことから、船社からの指示待ちをする錨地として広く知られるとともに、シンガポール港のOPL(船員交代や緊急の備品補給等のための待機錨地)であると認識されているためであるが、2014年にシンガポールとインドネシアが批准した境界画定により、当該海域はインドネシアの領海としてインドネシアの国内法が適用されるのである。インドネシア国内法では、乗員交代や荷役、補給などを伴わない単なる錨泊であっても入港手続きが必要で、代理店を設定する必要があるが、従来は厳格に運用されていなかった。しかしながら、インドネシア海軍が最近取締り方針を変更し、あらゆる違反は船舶の勾留による遅延や罰金につながる可能性がある。錨泊、乗員交代、STSなど無害通航でない航行をインドネシア領海内で行う場合は許可を取らなければならず、また、インドネシア領海内での船員交代や荷役等は、インドネシア人船員が配乗されたインドネシア籍船を運航するインドネシアの船社を使う必要がある。インドネシア海軍はこれらの法令を厳格に適用しており、取締りにおいて発砲の事例も報告されている。
      • 原文 Feb. 22, 2019, Safety4Sea(武智敬司)
    • 【6】北極海で直径1.5kmの島が消滅
      • 【6】北極海のロシア領フランツ・ヨシフ諸島の内のグレエムベル島のそばに直径1.5km、標高22mで氷河におおわれたPerlamutrovy島が20世紀初頭からあったが、2017年に突如として消滅した。島が無くなった理由を解明することは困難だが、ロシア北極海国立公園の園長は島が消滅したのは急速に進む気候温暖化のせいだと考える。海流の流れが変化したり、海底が変動することによりフランツ・ヨシフ諸島では様々な地理的な変動が起こっており、例えばロシア北方艦隊が遠征公海でたまたま通過した海域だけでも、海氷・氷河の減少により、過去数年の範囲で、12の島、1つの海峡、14の岬、6つの湾が新たに発見されている。ロシア気象庁によれば、近隣のカラ海では過去30年間に4.95℃気温が上昇し、それに伴い海水温が上昇し、バレンツ海北部が北極海型の気候から大西洋型の気候にシフトしようとしている。
      • 原文 Feb. 22, 2019, The Barents Observer(長谷部正道)
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