2019/01/30LROニュース(6)

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  • 2019.01.31 UP
    2019/01/30LROニュース(6)
    • 【1】仏政府機関が地中海排出規制海域(ECAMED)の可能性調査を発表
      • 【1】重油を船舶燃料として使用する船舶から排出される黒色炭素・重金属・微小物質・硫黄酸化物等の汚染物質は、地中海沿岸の都市の大気汚染物質全体の4割を占め、欧州で年間5万人を早死させ、EU全体で年間600億ユーロの医療費の増加要因となっている。このため仏産業環境リスク国立研究院(INERIS)は2017年から「地中海において排出規制海域(ECAMED)を設定した場合の技術的可能性調査」を実施していたが、1月11日報告書を発表した。調査の結果、硫黄排出規制と窒素排出規制を同時に実施した場合には、二酸化硫黄の排出を77%、二酸化窒素の排出を76%それぞれ削減することが可能で、約6000人を早死のリスクから救い、年間140億ユーロの医療費を節約することが可能であることが判明した。報告書本文は以下のリンクを参照。
      • 原文 Jan. 11, 2019, INERIS(長谷部正道)
    • 【2】ラゴス錨地でタンカーに賊が侵入
      • 【2】1月4日、ナイジェリアのラゴス治安錨地で船舶間貨物油積替(STS)を実施していたタンカーに、カヌーに乗った賊2名が侵入したが、警備員に発見されたため海に飛び込んで逃走した。本件によるケガ人等は報告されておらず、盗難被害もない。事件は付近のナイジェリア海軍警備艇等に通報され、直ちに警備艇が現場に臨場した。
      • 原文 Jan. 21, 2019, World Maritime News(武智敬司)
    • 【3】英国のEU離脱が英国の裁判・仲裁管轄権に及ぼす影響
      • 【3】国際的な民事紛争の管轄地としてロンドンは頭抜けており、2017年における英国内での法務サービスに関する年間収入は350憶ポンドを超え、外国企業(個人)を対象にするものだけでも40憶ポンド以上の収入を上げている。もし、合意なきEU離脱となった場合、裁判所の判決を執行するためのEU規則は、3月29日以降英国に適用されなくなるので、同日以降英国内の裁判所で出される判決をEU加盟国内で執行することは難しくなる。したがって、ロイターの調査では、既に35%の企業が契約上の裁判管轄権に関する規定を改正して、紛争解決のための裁判管轄権を英国から独・仏等に変更している。この結果、英国内で行われる争訟の件数が減るばかりでなく、英国法に準拠してドラフトされる契約自体の数が減少することが予想される。仲裁についてもロンドンは管轄地として突出しているが、国際的な仲裁はニューヨーク条約に基づいて管轄権と執行権が定められており、EU離脱によって影響は受けない。したがって、海上運送に関する契約は英国法に基づき作成されているものの、EU離脱の影響を受けない仲裁事項があるので、EU離脱にかかわらず、契約上の紛争処理については実質的な影響はない。
      • 原文 Jan. 16, 2019, Reed Smith(長谷部正道)
    • 【4】デンマーク政府と有力な風力発電事業者が連携のための覚書を締結
      • 【4】デンマーク政府の財務大臣とエネルギー大臣は、世界の主要風力発電企業と連携のための覚書を締結し、デンマーク政府が風力発電企業に研究開発・実用試験のための最先端の環境と熟練した労働力を提供することにより、世界の主要な風力発電企業にとってデンマークを重要な活動拠点にすることで合意した。
      • 原文 Jan. 18, 2019, Offshore Wind Biz(長谷部正道)
    • 【5】米国とノルウェーが海上危機対応に関する包括的な二国間連携協定を締結
      • 【5】米とノルウェーは、海上危機対応に関する包括的な二国間連携協定を締結した。この協定により、両国の運用・調整センター同士が繋がり、両国に影響を生じる可能性のある海上の脅威に対する調整が可能となり、海上テロや海賊、薬物・人身売買、海上サイバー攻撃、公衆衛生、海洋汚染のほか、ノルウェー国防省曰く「広範な北極問題に関連する事項」への対応が迅速になる。
      • 原文 Jan. 14, 2019, Maritime Digitalization & Communications (武智敬司)
    • 【6】中国政府が海事産業のさらなる統合を模索
      • 【6】中国では、2016年に中国海運業界第1位の中国遠洋運輸総公司(COSCO)と第2位の中国海運総公司(China Shipping)が合併して、中国遠洋海運集団有限公司(China COSCO Shipping Corporation Ltd.)が発足し、2017年には 中国招商局有限公司(China Merchants)が総合物流企業の中国外運長航集団有限公司(Sinotrans CSC)を吸収合併し子会社化した。また、造船の分野では、中国船舶重工集団(China shipbuilding Industry Corporation: CSIC)と中国船舶工業集団(China State Shipbuilding Corporation: CSSC)の合併の噂が流れて久しいが、中国国務院国有資産監督管理委員会(State-owned Assets Supervision and Administration Commission: SASAC)は海運・造船・電力・製鉄・オフショア施設の分野で、地域的な国有財産を最適化し同業種内での競争を抑制するために更なる統合を進めることを計画している。中国国営企業全体で2018年には対前年比10%増の29.1兆元を売り上げ、史上最大の1.7兆元の収益を上げている。
      • 原文 Jan. 21, 2019, Seatrade Maritime News(長谷部正道)
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