2019/01/25LROニュース(6)

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  • 2019.01.28 UP
    2019/01/25LROニュース(6)
    • 【1】 トルコ:船舶からの海洋汚染行為に対する罰金を大幅に引き上げ
      • 【1】2018年12月から、トルコにおける船舶による海洋汚染行為に対する罰金額が従来の3倍から14倍に引き上げられた。汚れたパラスト水・燃料油・スラッジ等の燃油残存物・下水などをトルコ領海内で流出した場合に罰金の支払いが命ぜられるが、罰金の額は流出した燃料油等の量に応じてではなく、環境損害の種類や漏出した船舶のトン数に基づき計算される。高額罰金を回避するためには、トルコ領海内において以下の事項等を遵守する必要がある。①バラスト水を排出前に検査をして、清浄であると確認できない限り排水しないこと。②甲板上の排出バルブを閉鎖・封印すること。③甲板や甲板上の構造物の清掃は控えること。④処理後の下水やシャワー等のグレーウォーターはタンクに貯めて、トルコ領海内では排水しないこと。⑤貨物残渣、貨物室を清掃した水などもトルコ領海内では排水しないこと。
      • 原文 Jan 11, London P&I, (長谷部正道)
    • 【2】 ReCAAP: 2018年年次報告書
      • 【2】2018年にアジアで発生した海賊及び武装強盗事件は、合計76件(既遂62件、未遂14件)で、前年の102件と比較し25%減少した。76件のうち海賊事件は4件で、すべて南シナ海で発生している。2018年はフィリピンのマニラ錨地の事件が最も減少している一方、バングラデシュのチッタゴン港とインドネシアのサマリンダ港では10件以上発生しているほか、マレーシア、ベトナムでの事件が微増している。荷油狙いのハイジャック事件は、2018年は既遂事件は発生していないが、2件の未遂事件が発生しており、いずれもマレーシア当局が賊を逮捕している。スル海・セレベス海及び東サバ州沖での船員誘拐事件は2018年は前年の7件から3件に減少しているが、依然として深刻な脅威として存在している。
      • 原文 Jan, 2019, ReCAAP (武智敬司)
    • 【3】 米中海軍トップが南シナ海における偶発的衝突の回避のため北京で会談
      • 【3】1 月14 日、米海軍制服トップのリチャードソン作戦部長が訪中し、中国海軍トップの沈金竜司令官と会談した。会談では両海軍の偶発的衝突リスクの軽減と国際ルールの遵守について話し合われた。会談の1 週間前には米駆逐艦が南シナ海のパラセル諸島を航行するなど、「航行の自由」作戦を繰り返し実施しており、昨年9 月にはガベン礁付近で米艦と中国艦が45 ヤードまで接近し衝突寸前となる事案が発生している。この会談の1 か月前には、米中海軍のトップが電話会談を行い、両海軍の交流、海上セキュリティ、両海軍の戦略的対話の重要性について話し合われている。
      • 原文 Jan. 14, 2019, USNI (武智敬司)
    • 【4】 ノルウェー最高裁で国連海洋法に基づく沿岸国の大陸棚上の権利が審議
      • 【4】 ノルウェーは1920 年の条約によって北極海のスヴァールバル諸島の主権を獲得したが、欧州委員会からスヴァールバル諸島周辺のズワイガニ漁の漁業許可を得たラトヴィアの漁船がノルウェー政府に拿捕された事件について、ラトヴィアの漁業者がノルウェー政府は同諸島周辺の漁業を許可する権限を持たないとして損害賠償請求を同国の裁判所に提起した。下級審では欧州委員会が漁業許可を発行する権限がないとの同政府の主張が支持されたが、原告が上告し、最高裁での聴聞が開始された。同政府は、国連海洋法条約に基づき、沿岸国がその大陸棚の資源について管理権を有すると主張しているので、最高裁の法的判断は大陸棚の海底上で繁殖しているズワイガニの問題だけではなく、大陸棚上の石油ガス資源の管轄権にも波及するため、最高裁も異例の多人数の判事が参加して聴聞を行っている。聴聞は数週間継続する見込み。
      • 原文 Jan. 15, 2019, Reuters (長谷部正道)
    • 【5】 英国政府が「大気清浄化戦略2019」を発表
      • 【5】1 月14 日、英国政府は「大気清浄化戦略2019 (Clean Air Strategy 2019)」を発表したところ交通分野の概要は以下のとおり。①最も緊急な課題は大気中の窒素酸化物の削減で、地方公共団体と協力しながら、35 億ポンドを投じて、陸上交通から排出される窒素酸化物の削減に取り組んでいる。②2040 年までにガソリンとディーゼルを燃料とする新車の販売を禁止するために「ゼロ排出への道(Road to Zero)」報告書を発表したが、英国を世界でも最先端の排ガスゼロの自動車を開発・製造する国とする。③航空分野に関する削減戦略については昨年12月にすでに「航空2050 (Aviation 2050)」を発表してパブコメを始めているが、海運分野については、昨年3 月に、同分野の排気削減について「科学的な証拠の募集(Call for Evidence)」を開始しており、集まった科学的証拠をもとに、「海運2050 (Maritime 2050)」も近日中にパブコメのため発表される予定。④新法を作成して、運輸大臣に排気管理システムに問題がある自動車・航空機等のリコールを命じ、自動車の排気管理システムの改ざんに対して効果的な行政措置をとれる権限を与える。⑤自動車から発生する排気以外のマイクロプラスチックなどの有害物質を削減するため、タイヤやブレーキの材質等について新たな基準を国際的に連携して作成する。
      • 原文 Jan. 14, 2019, 英国政府(長谷部正道)
    • 【6】 合意なきEU離脱:英トラック事業者は国際(欧州)免許の取得が必要
      • 【6】EU離脱をめぐり英国内の政局の混乱が続く中で、貨物輸送協会(Freight Transport Association: FTA)は英国と大陸間の物流に従事するトラック事業者に対して、合意なきEU離脱に備えて、欧州運輸大臣会合(European Conference of Ministers of Transport: ECMT)が発行する許可書を取得するように奨励している。EUからの離脱が発効する3月29日に間に合わせるためには、1月18日までに許可書の申請をしなくてはならない。仮に1月18日までに申請しても、英国政府がECMT許可書を発行する能力は限定されており、必要数の5%程度しか期限までに発行できないと予想されることから、暫定的な解決策をFTAは英国政府に申し入れている。欧州委員会は、免許の相互認定などを活用して英国のトラックが離脱後も欧州内で一定の運送行為が行えるように検討しているが、これだけではEU加盟国間の輸送(いわゆるカボタージュ)を英国のトラックが行えないなど、多くの制約が残ることが予想される。
      • 原文 Jan. 14, 2019, The Load Star (長谷部正道)
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