2019/01/24LROニュース(6)

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  • 2019.01.25 UP
    2019/01/24LROニュース(6)
    • 【1】 欧州投資銀行が最初の海運環境改善融資を実施
      • 【1】欧州投資銀行(European Investment bank: EIB)はオランダの大手投資銀行であるABN Amro銀行とGreen Shipping Guarantee Programme (GSGP)という海運優遇融資制度を創設して、欧州において環境性能の高い船舶の普及を促進することに2017年に合意したが、欧州でセメント運搬船を運航するEureka海運がエネルギー効率に優れ, バルト海や北海の硫黄排出規制海域(Sulphur Emission Control Area: SECA)の規制に適合した新たなEU籍のセメント運搬船を3隻建造するにあたり、GSGP適用第1号として、ABN Amro銀行と協力して、1010万ユーロ(EIB分のみ)を融資することを決定した。EIBは環境性能に優れた船舶を建造するだけでなく、従来トラックで輸送されていたセメント輸送をGHG排出の少ない海運へのモーダルシフトを促すことにより、二重に環境問題改善に貢献することになると強調している。
      • 原文 Jan. 14, 2019, World Maritime News (長谷部正道)
    • 【2】 ロッテルダム港:人工知能を活用して船舶の到着時間を予測
      • 【2】ロッテルダム港湾当局は人工知能を活用した情報交換システムであるプロントを開発運用中だが、同港で業務を行うほぼ半数の船社・代理店・ターミナル管理会社・その他の関連サービス事業者が既にプロントに加入し、船舶の運航に関連したそれぞれの業務の計画作成・計画実施・作業の監視などに活用している。船舶の到着時刻を予測するためには、船舶・貨物の種類、船舶の位置・航路・速度、付近の船舶の動向など多くの要因を考慮する必要があり、これまでプロントに考えさせる要因の取捨選択を行ってきた。港湾管理者のデータベースには、約12000件の過去からのデータが収められているが、プロントはこうした過去の船舶の運航のパターンを学習したうえで、最新の情報を学習し続けるので、現在は20分以内の誤差で船舶が岸壁に到着する時間を予測することが可能となっている。今後は、何日前からこうした到着予想ができるかを改善していき、入港1週間前から最終的には1か月前までに、到着時間を予測できるように能力を改善していく。
      • 原文 Jan. 11, 2019, ロッテルダム港(長谷部正道)
    • 【3】 マイクロプラスチックが人間の健康や環境を脅かす科学的根拠なし
      • 【3】EU加盟国の主席科学顧問により結成されている欧州委員会のGroup of Chief Scientific Advisors (GCSA)と連携し、GCSAに助言するために設立された欧州の科学者によって構成される独立科学政策助言機関(Science Advice for Policy by European Academics: SAPEA)が、欧州域内の科学者にマイクロプラスチックとナノプラスチックが人間の健康と環境に与える影響について科学的な裏付けを検証することを委託したが、1月10日この報告書が公表されたところ概要は以下のとおり。なお、SAPEAは今後この報告書をGCSAに報告し、GCSAは報告書を検討したうえで、欧州委員会の担当コミッショナーの政策立案に資するため本件について意見を提出する予定。①大きさが5ミリ以下のマイクロプラスチックは、大気・土壌・河川・海洋・動植物・人間の食物の中にすでに広く存在する。②マイクロプラスチックは、プラスチック製品、繊維、漁業・農業・工業・一般廃棄物などを原料としてできる。③実験室的な環境で、高濃度のマイクロプラスチックにさらされた場合、炎症やストレスを誘発するなど、人間や環境に物理的な有害な影響を及ぼす。④現在可能な測定方法で実際の環境下でマイクロプラスチックの濃度を測定したところ、そのレベルは上記危険なレベルを大きく下回っていた。⑤従って、現段階では、他の環境面での影響も含め、マイクロプラスチックが人間の健康や環境に悪影響を及ぼしていると証明する信頼できる科学的証拠はない。計測や評価することがさらに困難なナノプラスチックについても同様である。
      • 原文 Jan 10, 2019, SAPEA (長谷部正道)
    • 【4】 米政府機関の閉鎖が船員・船社に与える影響
      • 【4】米政府機関の閉鎖に伴い、米国沿岸警備隊(USCG)が運営している船員資格証明事務所(Merchant Mariner Licensing Office: MMLO)も現在閉鎖中であるが、USCGの国家海事センター(National Maritime Centre: NMC)は昨年12月と本年1月に失効する船員資格証明書(国内的使用のみ)と健康証明書については、3月末までの延長を認めた。しかし、この延長措置はSTCW条約に基づく証明書については適用されないので、政府機関閉鎖中にこれらの証書が失効した船舶職員は乗務できない。また、1990年米国油濁法に基づき必要とされる支払い能力証明書(Certificate Of Financial Responsibility: COFR)の発行・更新業務も中止されているため、政府機関閉鎖中に米国の港湾に入港する船舶はCOFRが失効していないことを確認する必要がある。なお、COFRの取得には政府機関閉鎖前でも申請から数週間を必要としていたため、政府機関閉鎖が解除となったとしても、COFRの取得は数週間以上の時間がかかることを覚悟する必要がある。
      • 原文 Jan 10, 2019, Insurance Marine News (長谷部正道)
    • 【5】 ノルウェー:露が開発する北極海の石油ガス資源の分け前を要求する準備を開始
      • 【5】ノルウェーとロシアは、2010年に40年間にわたって係争を続けてきたバレンツ海における海洋境界線を確定したが、国境付近で開発される石油ガス資源については共有することで合意した。その後、ロシアは北極海を含むノルウェーとの全ての国境海域について、露国営石油会社のロスネフチやイタリアのEniに探査・開発権限を与えている。ノルウェーは現在、バレンツ海南部の国境海域にしか探査・開発権限を与えていないが、もし、現在ロシアのみが探査・開発権限を与えているバレンツ海北部で石油ガス資源が発見された場合は、2010年の合意に従い、応分の取り分を請求する準備を進めていると、1月10日ノルウェー石油省(Norwegian Petroleum Directorate: NPD)は表明した。この準備として、本年中に北極海の国境地海域で3Dの地震波調査を実施し、資源埋蔵部分の地理学的構造を調査する予定。
      • 原文 Jan 10, 2019, Reuters (長谷部正道)
    • 【6】 歴史的に大量の熱を海洋が吸収
      • 【6】 オックスフォード大学の研究者が発表した研究によれば、人間活動によって発生した熱の9割は海洋に吸収され、この結果、海面上昇やハリケーン等の強大化をもたらしている。1871年からの150年間に海洋にため込まれた熱の量は平均で、広島に投下された原爆の1.5倍の熱が毎秒吸収され、近年は海洋の温暖化が加速されているので、広島原爆の3個から6個分の熱が毎秒海洋に吸収されている。150年間に海洋にため込まれた熱量の合計は、人類が1年間に使用するエネルギー量の約1000倍にも及ぶ。海水面の上昇は気候温暖化の中で最も危険な現象だが、温暖化によるグリーランド等の氷河の解凍よりは、海洋の温暖化による海水の体積膨張の方が主たる原因となっている。海洋の温暖化は全世界で同時に均一に起こるのではなく、例えば大西洋の海水の上昇の半分は1971年以降、他の地域で暖められた海流が流れ込んで発生したものであり、こうした海流による熱の運搬システムを解析できれば、地域レベルでの海面上昇や洪水のリスクを正確に予測することが可能となる。
      • 原文 Jan. 7, 2019, The Guardian (長谷部正道)
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