2018/9/18 LROニュース(6)

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  • 2018.09.19 UP
    2018/9/18 LROニュース(6)
    • 【1】 アムステルダム港:ESI認証を持つLNG船に対して入港税減免を拡大
      • アムステルダム港は環境負荷の少ない船舶の入港を促すため、以前から国際港湾協会主導の認証制度「環境船舶指数(Environmental Ship Index: ESI)」でESI値が20ポイント以上の評価を得た船舶に対して入港税の減免を行ってきたが、8月1日からはESI認定証を保有し、かつ主要エンジンか補助エンジンにLNGを利用している船舶には、減免額を倍増すると発表した。同港はLNGを極めて重要な代替燃料として位置付けており、減免措置の拡大により、同港を利用する5万隻の船舶に対し、LNGの更なる利用を促していく狙いがある。また、同港は2018年末までにポンツーン式LNGバンカリング施設の整備も目指している。
      • 原文 Aug. 1, 2018, Port of Amsterdam (Julie Harper)
    • 【2】 欧州委員会:英国脱退後のアイルランドとの物流窓口港を蘭・ベルギーに限定
      • 8月1日、欧州委員会は英国がEUから脱退した後の、アイルランドとEU間の物流窓口港をベルギーのZeebrugge港・アントワープ港、オランダのロッテルダム港に絞り込み、現在英国経由でアイルランドの貨物を取り扱っている仏の港湾を除外する提案を承認した。この結果、仏の諸港は重要な国際物流ルートから外されるだけでなく、EUが2021年から2017年の間に港湾施設の機能向上のため306億の支援を予定している主要インフラ基金(Connecting Europe Facility)からの補助金の対象から外される可能性もあり、カレー港をはじめとする仏の諸港は大きく反発している。欧州委員会は仏の諸港を除外した理由を明らかにしていないが、英国の離脱に伴う英仏国境の通関に関する激変緩和措置について何の合意も出来ない場合、仏北部の諸港では大規模な物流の停滞が発生することなどが考慮されたものと考えられる。
      • 原文 Aug. 3, 2018, Politico(長谷部正道)
    • 【3】 リベリアが電子証書の信頼性と効率性の向上のためQRコードを導入
      • リベリアは2016年後半に、リベリア船籍の船舶の船主と運航船社が当該船舶に関する種々の情報に安全かつリアルタイムにアクセスし、国際条約に基づく証書の発給申請を容易にするためWayPointというオンラインシステムを導入したが、船主や運航船社が当該船舶が種々の規制要件に合致しているかをより効果的に管理できるように大幅な機能改善を2017年に実施した。さらに、8月7日からPSC検査官やその他の関係者がスマホで電子証書のQRコードを読み込むことによって、簡単に証書の確認を行えるページにオンラインで到達できるようにQRコードを電子証書に導入した。これと同時に、様々なサイバーセキュリティ対策も併せて導入した。
      • 原文 Aug. 7, 2018, Liscr(長谷部正道)
    • 【4】 露北方艦隊が今年も北極海航海訓練を実施
      • 2012年から開始されているロシア北方艦隊の北極海における航海訓練が、今年も8月8日から開始され、バレンツ海に面するロシア北方艦隊の本拠地であるセヴェロモルスク海軍基地から、対潜水艦船・大型の水陸両用強襲艦・砕氷船・タンカー・救難タグ・クレーン船から構成すされる船団が、現在ほとんど海氷がない状況になっている北極海北航路経由で北極海東部に向けて出港した。航海中、遭難した船舶の捜索救難化訓練も実施する予定で、このため旗艦には2機のヘリコプターも搭載している。
      • 原文 Aug. 8, 2018, Tass(長谷部正道)
    • 【5】 マースクとIBMが共同で新たなブロックチェーンを開発
      • 8月9日、マースクとIBMは、海運を核とした世界物流の効率化と情報の共有かを企図するTradeLensという新たなブロックチェーン技術を共同で開発したと発表した。この新たなブロックチェーンには既に全世界で94の組織が参加することを表明しており、具体的にはPSAシンガポールなど20社以上の港湾ターミナル運営会社、蘭・星・豪等の税関当局、大手荷主(BCOs)、貨物フォワーダーなどが参加する。荷主・船社・貨物フォワーダー・港湾ターミナル運営会社・陸上運送会社・税関当局などの物流に関係する当事者は。このブロックチェーンに参加することにより、コンテナの温度管理やコンテナの重量を管理するセンサーの情報や関係書類にリアルタイムでアクセスすることができる。
      • 原文 Aug. 9, 2018, IBM(長谷部正道)
    • 【6】 南シナ海で活発化する中国国有企業の活動
      • シンガポールの研究機関である東南アジア研究所(ISEAS)の研究によれば、南シナ海で中国の国有企業が資源開発やインフラ整備、観光開発に事業を拡大している。中国交通建設(CCCC)は、ベトナムと領有権を争うパラセル諸島に建設事業のほか観光、運輸、漁業への事業拡大を視野に入れた事業部門を新設し各部門に150億ドルを投資し、旅行会社と協力してパラセル諸島へのクルーズ事業を開発した結果、2013年4月以降7万人以上がクルーズ船を利用したほか、2017年には年間680便の航空便がウッディ島の滑走路に着陸している。また中国海洋石油集団(CNOOC)は2014年に320億ドルを投資してベトナム沖に石油掘削リグを設置し、ベトナム政府の反発を招いたが、CNOOC傘下の資源開発企業における石油・ガス生産の南シナ海の割合は45%に上り、中国北部の渤海油田に次ぐ規模である。専門家は、中国政府がこのような企業活動を後押ししており、南シナ海問題をより複雑化し解決には程遠いと指摘している。
      • 原文 Aug. 9, 2018, Reuters (武智敬司)
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