2018/8/9 LROニュース(6)

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    2018.08.10 UP
    2018/8/9 LROニュース(6)
    • 【1】 リビアで原油取引を行う際のタンカー船主と乗組員のリスク
      • カダフィ政権崩壊後、国連によって承認された政権ができたものの、混乱に乗じて一部の勢力が政府が管理する原油を裏市場で売りさばいている。こうした動きを阻止するために、現政権は違法取引にかかわっているとみなされる船舶とその船員に対し厳しい取り締まり体制で臨んでおり、リビア海軍に拿捕されたうえに首都のトリポリに曳航され、さらなる取り調べと司法手続きを受けることになるが、リビアではこうした刑事手続きに多くの時間がかかり、取り調べだけでも2年間以上かかるうえに、いつ釈放されるかわからないままタンカーも乗組員もリビアに拘束されることになる。このようなリスクを回避するためには、①リビアからの原油輸送のために、傭船契約を持ちかけられた時は輸送する原油がリビア国営石油会社から購入された正当なものであることを確認し、それを証明する書類を保持すること。②リビアに石油製品を輸送する場合には、製品を陸揚げして出港許可が出たら直ちにリビア領海から最短経路で脱出し、間違っても沿岸を航海して怪しい船舶と見做されないこと。
      • 原文 May, 2018, Steamship Mutual(長谷部正道)
    • 【2】 トルコ籍ばら積み船がイエメン沖でミサイル攻撃を受ける
      • トルコの複合企業であるInce Shipping Groupは、前週にイエメンのSaleef港沖で同社のばら積み船が爆発した件について、ミサイル攻撃によるものと主張している。このばら積み船はジブチで国連職員による検査を受けた後、Saleef港で積荷のロシア産小麦を荷揚げするため、同港沖で錨泊待機していたところ、5月10日の真夜中にミサイル攻撃を受け、船体に損傷を受けたということである。イエメンの反政府組織フーシは、この攻撃はサウジ連合軍によるものと主張している。
      • 原文 May. 18, 2018, Insurance Marine News(武智敬司)
    • 【3】 エルベ川の吃水制限がハンブルグ港の競争力を制限
      • ハンブルク港のエルベ川を浚渫して、大型コンテナ船の寄港を可能とするための事業に反対すルための法廷闘争は、2017年11月に、法廷で訴えが却下されて、浚渫事業を進めるための法的な制約はなくなったが、実際の工事がいつ開始されるか未定な状況にある。このためコンテナ船社は単位当たりのコストを節減するために折角コンテナ船の大型化を図っても、ハンブルク港においては十分な吃水が確保できないため、コンテナの積載制限をしなくてはいけないので単位コストの増大要因となっている。このため、2018年第一四半期における北部欧州の主要コンテナ港の取り扱い実績を見ると、対前年同期比で、アントワープ港が10.7%増、ロッテルダム港が6.1%増と順調に取扱実績を伸ばしている一方で、ハンブルク港は0.7%とほぼ横ばいにとどまっている。ハンブルク港の主要仕向け地である中国は、欧州向けのコンテナ量を年率4.5%伸ばしていることからも、ハンブルク港の相対的な不調が明らかとなっている。
      • 原文 May. 21, 2018, The Load Star(長谷部正道)
    • 【4】 英港湾でプラスチックゴミをリサイクルする新たな取組が始まる
      • 英国港湾協会(Associated British Ports: ABP)は、同協会が管轄する英中東部のHull港とGoole港で回収したプラスチックゴミをシャンプーボトルにリサイクルする試みを開始したと発表した。通常はリサイクルが難しいとされるものをリサイクルすることで廃棄物の削減を目指しており、ABPが所管する残り19港でも同様の取組を行いたいとしている。Hull港とGoole港はイギリスで最も交通量の多いハンバー水系に面しており、同水系で回収されたプラスチックゴミは数週間で2.5トンにも上ったという。この廃棄物から生まれ変わったシャンプーボトルは、今年中に英大手小売店で販売される見込み。
      • 原文 May. 17, 2018, 英国港湾協会(野口美由紀)
    • 【5】 MSCがデンマーク・スウェーデン間の2海峡の新たな航路を承認
      • デンマークとスウェーデンの間のカテガット海峡とスカゲラク海峡をバルト海に出入りする船舶が年間7万隻以上通航するが、船舶の大型化のために深い吃水が必要な船舶も増えたため、現在の航路を拡幅し、航行船舶の安全な分離通航を確保するために、両国政府からIMOの海上安全委員会に提出されていた新たな航路の案が承認され、2020年7月1日から新たな航路が供用開始となることになった。
      • 原文 May 21, 2018, デンマーク海事庁(長谷部正道)
    • 【6】 ロシア最初の浮体式原子力発電所がムルマンスク港に入港
      • ロシア最初の浮体式原子力発電所は、建造されたサンクトペテルスベルクの造船所から、4月28日に曳航されて、ムルマンスクの国営原子力砕氷船運航会社のアトムフロートの基地に向かっていたが、5月19日に基地に到着した。同基地で原子力燃料を補給したうえで、チュクチ共和国のペヴェク港までさらに曳航され、現在の石炭火力発電所や旧式の陸上原子力発電所に代わって、2019年から約5万人の住民に電力を供給することができ併せて、地球温暖化ガスの排出量削減にも貢献することとなる。一方、グリーンピースのような環境団体は同船を「原子力タイタニック」と呼び、同浮体式発電所を管理するロシア国営原子力企業のロスアトムに安全基準の厳格な適用を求めている。
      • 原文 May 21, 2018, Reuters(長谷部正道)