2018/5/30 LROニュース(4)

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  • 2018.05.31 UP
    2018/5/30 LROニュース(4)
    • 【1】 中国の北極政策
      • EUのシンクタンクであるEUアジアセンターが「中国の北極政策」と題する報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①中国の北極政策は特に科学研究分野では環境問題に重点を置くなど西側諸国の政策方針と基本的に同じものと好意的に受け止められている。②北極海北西航路については、中国は国際海峡と見做しているが、カナダ政府はカナダの管轄下にある領海・EEZと主張している点で緊張関係がある。③中国の北極政策の成否は中ロ関係に大きく依存する。ロシア政府としては、北極海北航路の開発に必要なインフラの整備のために中国の一帯一路政策の貢献を期待している半面で、北極評議会非加盟国が北極に関するガバナンスに影響力を行使することに否定的で、中国がインフラの整備を通じてより大きな発言力を持つことを懸念している。④中国とEUは北極海における研究活動や漁業・天然資源の保全で協力関係を進めていく必要がある。
      • 原文 Apr.13, 2018, EU-Asia Centre(長谷部正道)
    • 【2】 英連邦、使い捨てプラスチック廃止に向け連携
      • 4月15日、英首相は海洋プラスチック汚染の解決に向けた「英連邦クリーンオーシャン連合(Commonwealth Clean Oceans Alliance: CCOA)」を英政府とバヌアツ政府が共同で立ち上げ、NZ・スリランカ・ガーナが参加を表明したことを発表し、他の英連邦諸国にも参加を呼び掛けた。CCOA参加国は、マイクロビーズの使用禁止や使い捨てレジ袋の削減、プラスチックごみの削減で協力し合うほか、世界を代表する企業やNGOらとパートナーシップを組み、専門的な知見を活かしながら廃棄物管理システムの改善などにも取り組む。また、根本の問題としてプラスチックごみが海洋へ流出するのを防ぐため、研究費や連邦国への支援に英政府は総額£6140万を拠出することも併せて発表した。その主な内訳は、①科学・技術・経済・社会的観点から問題解決を図るための研究費として£2500万、②発展途上国で製造業から発生するプラスチックごみや環境汚染物質削減のために£2000万、③国や都市レベルで廃棄物管理を改善するために£1640万が充てられる。
      • 原文 Apr. 15, 2018, 英政府(野口美由紀)
    • 【3】 豪海事安全庁が2017年PSC報告書を発表
      • 4月6日、豪海事安全庁(AMSA)が2017年PSC報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①2017年中に5873隻の外国籍船舶が28502回豪の港湾に入港し、AMSAは54の港湾で3128回PSCを実施し、この結果165隻に出港禁止命令を出した。②出港禁止命令を出した比率は、5.3%と2006年以来の最低水準となり、またPSC1回あたりに発見された問題個所の数も2.3件と2004年以来の最低水準となった。③航海法(Navigation Act)第246条に基づき、3隻の外国籍船に対し、3か月から1年間の豪港湾への入港禁止命令を発出したが、このうち2隻は2013年8月13日に発効した2006年海事労働条約(MLC)違反に関係するものであった。④MLCへの理解が進み、MLC違反事案の件数は減少傾向にあるが、船員福祉の向上のためAMSAとしては引き続きMLC順守に力点を置いてPSCを進めていく。
      • 原文 Apr. 6, 2018, AMSA(長谷部正道)
    • 【4】 大西洋の海流の変化が地球全体の気候変動に影響
      • グリーンランド周辺のラブラドル海の冷たく密度と塩分濃度が高い海水が北大西洋海底まで沈んで大西洋南方に還流する現象を南方逆転循環(Atlantic Meridional Overturning Circulation: AMOC)と呼ばれているが、AMOCにより、地球の高緯度地帯と赤道周辺地域の熱交換が行われ、地球のサーモスタットの役割を果たしているとして、長い間研究者によって観測調査の対象となってきている。グリーンランドの氷河を調査すると、AMOCの流れの強さの突然の変化により、地球全体の気温が大幅に低下して、氷河期に入ったことが確認されているが、多くの地理学者や海洋学者の研究により、AMOCのような大きな海流の変化が気候変動をもたらしているという科学的な証拠が1950年以降積み重なってきている。人類による地球温暖化によって、AMOCが弱まってきているという研究が2005年に発表されたが、サイエンス誌の4月号に発表された論文によれば小氷河期時代の末から北極海の氷河が溶ける量が増え、北大西洋に流れ込む真水の量が増加したため、1850年ごろから既にAMOCの流れの鈍化が始まっている。
      • 原文 Apr. 12, 2018, Nature Vol. 556(長谷部正道)
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