2018/5/21 LROニュース(6)

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  • 2018.05.22 UP
    2018/5/21 LROニュース(6)
    • 【1】 BOEMが海洋風力発電開発用海域選定基準についてパブコメ
      • 米連連邦海洋エネルギー管理局(US Bureau of Ocean Energy Management: BOEM)は、米国連邦政府が管理する領海外(海岸線から3マイル以遠)大陸棚におけるエネルギー開発を管理しているが、これまでマサチューセッツから北カリフォルニアまでの13海域について、海洋風力発電開発のために海域のリースを認めており、この13海域における風力発電量は合計で15ギガワットにのぼっているが、さらに多くの風力発電のための海域リース申請を受理している。そこで、BOEMは将来的なリース計画を策定するため、リースを認めるための3つの拒否基準と7つの加点評価基準を作成し、4月6日にパブコメ募集を開始したところこれらの基準の概要は以下のとおり。3つの拒否基準は具体的に①領海外大陸棚土地法(Outer Continental Shelf Land Act: OCLSA)に基づき国立海洋保護区として指定されエネルギー開発が禁止されている海域であること。②国防省が定める「戦闘海域」であること。③海上輸送紛争海域(maritime navigation conflict area)であること。加点評価基準としては①過去に検討の対象として外された海域でないこと。②海岸線から10マイル以上離れていないこと。③水深が60m以下であること。④州政府が海洋風力発電のために経済的なインセンティブを与えている州管理の海域に隣接していること。⑤隣接している州政府管理の海域において、当該州政府が海上風力発電のためにさらにリースする海域を探していること。⑥風力発電業界が開発の興味を持った海域であること。⑦風力発電にふさわしい条件と可能性が備わっている海域であること。
      • 原文 Apr. 9, 2018, Winston & Strawn(長谷部正道)
    • 【2】 中国、スプラトリー諸島に電波妨害施設を建設か
      • 米軍のレポートによれば、中国は南シナ海のスプラトリー諸島に無線通信やレーダーを妨害する施設を設置したとのことである。米国防省関係者は、これまで中国は、スプラトリー諸島の施設は海上の安全や航海支援、捜索救助、漁業保護その他の非軍事目的のものと主張してきたが、この電波妨害施設は軍事施設以外の何物でもないと述べている。
      • 原文 Apr. 10, 2018, ASIA TIMES(武智敬司)
    • 【3】 さらなる海上風力発電の開発のためには港湾のスペースが制約要因
      • 海上風力発電の風車は海面上の高さが180mにもなり、海上でこうした高いタワーやタービンを輸送し組み立てるためには十分に広い海域が必要となるので、さらなる海上風力発電施設の開発ため港湾内の十分な海域の確保が課題となっている。マサチューセッツ州では総計で800メガキロワットを発電する海上風力発電事業の公募を開始したが、大西洋岸では、同州の他に、ニューヨーク・ニュージャージー・メリーランドの各州も合計で8ギガワット規模の海上風力発電事業を2030年までに開始することを目標としているが、海上風力発電施設建設のための港湾内の海域の確保のために港湾利用計画の見直しを開始している。
      • 原文 Apr. 9, 2018, Bloomberg(長谷部正道)
    • 【4】 イエメン内戦:サウジ主導連合軍、紅海沿岸の制圧を目指す
      • イランが支援するシーア派武装組織フーシと戦うサウジ主導連合軍にとって、紅海沿岸の全ての港湾の制圧が最重要戦略となっている。中東から欧州へのタンカールートに沿って点在するこの地域の港湾は、イエメンの食糧輸入や人道支援にとって重要な受入地である。国連によれば、内戦によってイエメン国内で少なくとも1万人が死亡、5万3千人が負傷し300万人が避難を余儀なくされており、数百万人が飢餓とコレラなど疫病の危機に直面している。連合軍側は、イエメンの主要港フダイダを使ってイランがフーシに武器を密輸しているとして、フダイダ港の制圧を図っている。
      • 原文 Apr. 9, 2018, Reuters(武智敬司)
    • 【5】 海中グライダーを利用して水中騒音や海上の気象状況を観測
      • 英国のEast Anglia大学は、海中グライダーを利用して、海中のあらゆる音を観測するだけでなく海面の風速等も観測できる技術を開発した。海中グライダーは長さ1.5m・重さ50㎏でハイドロフォンを装備し、海中のあらゆる音を観測できる。海面の風によって海中で音が発生するので、逆に海中の音を観測することによって、海面の気象・海象条件を把握することが可能となり、特に気象観測施設があまりないような地域では有用な観測情報となる。海中グライダーは数か月連続して、海中で音声情報を収集し続けることが可能で、通常の観測船や観測ブイでは観測が難しい台風のような厳しい環境でも観測活動を続けられる。グライダーは推進装置を持っていないが、グライダー自身の浮力を利用して動くことが可能で、グライダーからは一切騒音が発生しないため、完全に正確な海中の音声を観測することが可能である。
      • 原文 Apr. 10, 2018, BBC(長谷部正道)
    • 【6】 LNGも化石燃料と同等のCO2を排出
      • 海運会社で現在使われている燃料とLNGやメタノール、液体水素などの代替燃料について、ライフサイクル全体における環境影響評価をマンチェスター大学が行ったところ、気候変動と大気汚染の両方を対処でき、かつ広く利用できる燃料はないことがわかった。また、環境にやさしいとされるLNGも従来の化石燃料と比較すると、CO2削減量は取るに足らない程度で、GHGの排出が少ない燃料では決してないことも明らかにされた。発表された論文では、今後は、様々な課題はあるが低炭素の可能性のある燃料(例えば、廃棄作物から生産されたバイオLNGはCO2排出量は少ないが原料が限られている)をいかに利用していくか、あるいは他の代替燃料を見つけることに努力の矛先を向ける必要があると述べられている。
      • 原文 The Maritime Executive(野口美由紀)
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