2018/4/26 LROニュース(5)

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  • 2018.05.01 UP
    2018/4/26 LROニュース(5)
    • 【1】 ロールスロイス等が既存の衝突予防規則を遵守して自律運航するシステムを検証
      • 3月21日、ロールスロイス社は、ロイズ船級協会・Warsash海事アカデミー(WMA)・ベルファスト大学・Atlas Elekyronik(AEUK)と共同で、130万ポンドをかけて、既存の衝突予防規則(COLREG)を順守することが可能な自律運航船のためのアルゴリズムについて成功裏に実証試験を終えたと発表した。人工知能(AI)を活用した運航システムを搭載した無人運航船が、優先関係を無視して接近してくる有人運航船を含め、COLREGに従い、効率的に衝突回避行動がとれることが実証された。本実証事業はMAXCMAS(Machine eXecutable Collision regulations for Marine Autonomous System)と呼ばれ、実証試験は、WMAの所有する船員訓練用のシミュレーターにおける様々なシナリオに基づく試験と、AEUKが保有する無人海上船(USV)を利用して行われた。
      • 原文 Mar. 21, 2018, Rolls-Royce (長谷部正道)
    • 【2】 船舶から排出される廃棄物の港湾受け入れに関するEU諸国の課題
      • 【2】欧州委員会は、2018年1月16日に、船舶から排出される廃棄物を受け入れるための港湾施設に関する既存の命令(Directive 2000/59/EC)の改正案を提案しているが、改正案が実施された際の影響評価(IA)報告書(SWD(2018)21)も公表され、このほど欧州議会用にIAの概要について説明資料が作成されたところ、指摘されている現状の問題点の概要は以下のとおり。①実際に船舶から発生した廃棄物量から港湾処理施設で受け入れた廃棄物の量を引いた量が、海洋に不法投棄された廃棄物の量と推定され、当該船舶起源の海洋廃棄物の清掃コストはEU域内だけで年間3億5700万から5億9700万ユーロかかっていると推定される。②改正命令案を実施するために追加的に発生する行政経費は約1億2700万ユーロと想定される。③EU内の多くの港湾では、船舶からの廃棄物を分別収集・リサイクルしていない。また、スクラバーから排出される汚泥については、港湾の受け入れ施設に引き渡す義務や当該施設を整備する義務についても現在は規定されていない。④廃棄物引き取り費用の算定については、実際に排出する廃棄物の量にかかわらず100%定額になっている場合と、港湾引き受け施設に引き受けられた廃棄物の量に応じて課金される場合とばらばらである。漁船やプレジャーボート、定員12人以下の旅客船についてはそもそも船上で発生した廃棄物を港湾受け入れ施設に出す義務がないので、定額料金がない場合、廃棄物を適切に港湾受け入れ施設で処理するインセンティブが働かない。
      • 原文 March, 2018, 欧州議会(長谷部正道)
    • 【3】 最近の海難事故にみる海上貨物保険の重要性
      • (論説)3月に入ってからマースクの2隻のコンテナ船の火災事故やカラチ港におけるコンテナ船の衝突事故など重大海難が続いた。特に3月9日にアラビア海で発生したマースク・ホナンの火災事故では、マースクが共同海損を宣言したため、火災による損害を免れた荷主は、船舶の損傷・船舶の曳航料金・環境除染費用・法的紛争解決費用などすべての費用を共同で分担しなくてはいけなくなる。船社は法的に最低限の保険に入っているが、荷主は以上のような最悪の事態に備えて、必要な貨物保険を事前に購入する必要がある。マースク・ホナンの引き受け港はまだ決まっていないが、入港許可を得る前に、港湾当局が全ての火災が鎮火していることを確認する必要があり、荷物の引き渡しまでにはまだまだ時間がかかることが想定される。入港後も、荷主が必要な保険を購入していれば、荷物の引き渡しがスムースに行われるが、保険を購入していなければ、荷主は共同海損の責任を果たすまで、貨物の引き取りができない恐れがある。
      • 原文 Mar. 22, 2018, Maritime Logistics Professional (長谷部正道)
    • 【4】 太平洋ゴミベルト海域でプラスチックゴミが急増
      • カリフォルニアとハワイの間に位置し、“太平洋ゴミベルト”と呼ばれる北太平洋上の160万㎢の海域には、 潮流と風の影響で5大洋で最もゴミが蓄積している。この海域を蘭のNPO「The Ocean Cleanup」が船と飛行機により2015年から3年かけて調査を行い、その結果が3月22日にScientific Reportsに公表された。その主な内容は以下のとおり。①この海域に集積していたゴミの99.9%がプラスチックで、その量は推計1.8兆個、重さにして8万トンであった。これは以前に報告されていた数値より最大16倍も高い。②プラスチックゴミのうち4分の3以上は5cm以上の硬質プラスチックやビニルシート、プラスチックフィルムなどで、少なくとも46%は漁網であった。③収集したサンプルのうち、50のアイテムは製造日を判読でき、1977年が1個、1980年代が7個、1990年代が17個、2000年代が24個、2010年が1個だった。④近年流れてきたプラスチックゴミのうち、20%弱は2011年の東日本大震災とその津波により流出したものと見られる。
      • 原文 Mar. 22, 2018, BBC (野口美由紀)
    • 【5】 中国が一帯一路事業に関する紛争解決専門の裁判所を設立
      • 中国政府は一帯一路事業に関する紛争を解決するための裁判所を新たに設立したと発表した。裁判所は3つの支所を持ち、深圳支所は、海のシルクロードに関する紛争を、西安支所は陸のシルクロードに関する紛争を、北京支所は裁判所全体の管理をそれぞれ担当する。裁判所は仲裁・調停も取り扱う。中国にはすでにいくつもの仲裁機関が存在するが、基本的に一方当事者が中国企業である場合に用いられ、ロンドン・シンガポール・香港の仲裁裁判所に比べて国際的に評価が確立された裁判所を持っていないので、一帯一路事業についての(仲裁)裁判管轄権を主張するために、今回新たな裁判所を創設したものと考えられる。新裁判所はシンガポール国際商事裁判所(SICC)をまねて、国際商事裁判所と命名されるが、SICCはシンガポール高等裁判所の一部門ではあるが、当事者にシンガポール企業が含まれず、シンガポール法が適用されないような国際紛争も所掌するが、人民最高裁によって設立される中国の「国際商事裁判所」がどのように運営されるのかは定かではない。
      • 原文 Mar.22, 2018, BCLP (長谷部正道)
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