2018/4/25 LROニュース(5)

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  • 2018.04.26 UP
    2018/4/25 LROニュース(5)
    • 【1】 中欧4か国における一帯一路政策の現状と懸念
      • (論説)ポーランド・チェコ・ハンガリー・スロバキア4か国はビシェグラード4か国(V4)と呼ばれているが、中国にとってV4は裕福な西欧の市場に進出するための窓口として重要なはずであるが、現段階ではV4諸国は一帯一路政策(BRI)に慎重な姿勢を崩していない。中国は温家宝首相時代にV4諸国を含む東欧諸国16か国との協力関係である16+1という協力体制を構築しているが、V4諸国への中国の直接投資は急増しているものの、規模としては依然として小規模で、企業買収に主眼が置かれており、ベルグラードとブダペストの間の336kmの鉄道路線に対する投資を除いてこれといったインフラ投資はない。一方で、V4諸国は英国のEU離脱の影響でEUからの支援が減少するのではないかと懸念しており、EUへの経済的依存を減らして、経済的な関係を多方面に広げる選択肢の一つとして中国に期待している。ハンガリーがギリシャとクロアチアと協力して、2016年に中国の南シナ海進出に反対する共同声明をブロックしたように、中国とV4諸国との連携強化は、人権問題や中国による欧州諸国への直接投資にEUがどのようなチェックを行うかなどの問題について、EU諸国が統一の立場を作ることを困難にしている。
      • 原文 https://www.euractiv.com/section/eu-china/news/the-belt-and-road-initiative-visegrad-fours-chinese-dilemma/
    • 【2】 ポーランド最大の電力事業者が石炭発電から海上風力発電にシフト
      • 欧州内で4番目に最も多いGHGガスを排出しているポーランド最大の電力企業のPGE SA社は海上風力発電のコストの削減と炭素排出権売買価格の上昇を見込んで、従来からの石炭火力発電依存から、コスト的にも有利な海上風力発電施設をバルト海に建設することを決定し、2030年までに2.5ギガワットを海上風力発電で賄うことを計画している。ポーランドでは発電量の80%を石炭火力発電に依存し、同国南西部の炭鉱地帯では多くの労働者が石炭産業に依存しているが、独やスペインなどの他の欧州諸国の電力産業が、再生可能エネルギーを成長戦略の要としていることを踏まえて、同国の右翼政権も石炭依存のエネルギー政策を転換しつつある。欧州では炭素排出権の価格が過去一年で倍増し、排出権取引制度が抜本的に見直され、炭素排出量削減の速度が加速したため、現在トン当たり11.5ユーロの排出権取引価格が、2023年までには32ユーロまで引き上げられる見込み。
      • 原文 Mar. 21, 2018, Bloomberg(長谷部正道)
    • 【3】 マークス・ホナン号火災事件:荷物が荷主に届くまで数か月必要
      • 3月6日に火災が発生した超大コンテナ船(ULCV)のマースク・ホナン(MH)号の火災は鎮火し、船員居住区より後部に積載されているコンテナは無事と思われ、当初、避難港としてムンバイ港に向かって曳船されているとみられたが、現在、オマーン湾に入り、ドバイのジュベル・アリ港に向かっている模様だが、同港に無事着岸し、荷物を撮り下ろすまでさらに収集艦がかかる見込みであり、無事だった荷物が荷主の下に届くのは依然として数か月先になるおそれがある。マースクとアライアンスを組み同船にも多くのコンテナを積載していたMSC社は顧客に対して、共同海損の適用も視野に入れて至急保険会社と連絡を取るように勧奨している。今回の事故に「不可抗力(force majeure)」の法理が適用されれば、荷主はドバイから最終目的地までの輸送コストをさらに支払わなければならないが、同船にコンテナを積載しているマースク・MSC・現代海運・Hamburg Sudの各社は無料で当該コンテナの転送を行う可能性もある。
      • 原文 Mar. 22, 2018, The Loadstar (長谷部正道)
    • 【4】 人類の活動によって海洋に吸収される窒素の量が50%増加
      • 国連の助言機関である「海洋環境保護の科学的側面に関する共同専門家グループ(The Joint Group of Experts on the Scientific Aspects of Marine Environmental Protection: GESAMP)」による海洋に含まれる窒素量の増加が海洋環境に与える影響に関する報告書を、3月22日世界気象機関(WMO)が発表したところその概要は以下のとおり。①大気中の不活性窒素は、海洋に吸収されて活性化され海洋生物の栄養源となる。②しかし、過剰な窒素が海洋に吸収されると藻類が異常発生したり、地球温暖化ガスの一種である窒素酸化物が大気中に放出される。③大気中から海洋に吸収される窒素の量は1850年当時の量に比べて現在では約4倍となっている。④人類の活動によって、大気中に含まれる窒素の量が約50%増加し、この傾向は2050年まで安定して継続すると推測される。⑤現在大気から海洋に取り込まれる窒素の量が多い北西太平洋・北部インド洋などでは、増加した窒素量が海洋環境に与える影響をさらに追加調査する必要がある。
      • 原文 Mar. 22, 2018, GESMAP (長谷部正道)
    • 【5】 中国、海警局を中央軍事委員会傘下に移行
      • 中国国営メディアによれば、先ごろ行われた全国人民代表大会において、同国の沿岸警備隊である中国海警局を、中央軍事委員会の指揮下にある人民武装警察の傘下に移行することが承認された。中央軍事委員会は習近平国家主席が主席を務めている。中国海警局は2013年に文民組織である国土資源部傘下の国家海洋局の部局として、同国の海上法執行機関を集約する形で創設されていた。これに対し日本の政府筋は、中国海警局や中国漁船、中国軍艦が繰り返し尖閣諸島近海に接近する状況の中、警察活動と軍事活動の境界が更に曖昧になり、難しい対応を迫られると懸念している。
      • 原文 Mar. 21, 2018, The Maritime Executive(武智敬司)
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