2018/11/19 LROニュース(6)

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  • 2018.11.20 UP
    2018/11/19 LROニュース(6)
    • 【1】 乱立しかねない海運会社を中心としたブロックチェーン連合
      • (論説)11月6日、海運会社5社とターミナル運営会社4社がコンソーシアムを組んで世界海運事業ネットワーク(Global Shipping Business Network: GSBN)というブロックチェーン技術を使用したプラットフォームを創設し、海運業界のデジタル化を促進し、ブロックチェーン技術の標準化を図ることなどが発表された。具体的な参加会社は海運会社からOcean AllianceのメンバーであるCMA CGM、COSCO/OOCL、Evergreenに加えて、The AllianceからもYang Mingが参加し、ターミナル運営会社からDP World、Hutchison Ports、PSA、上海国際港務が参加し、技術面を支えるためにCargoSmart社も参加する。ブロックチェーン技術を利用としたプラットフォームとしては、マースクとIBMが連携して開発したTradeLensが既に発表されているが、排他的でマースクの影響が強すぎると批判されている。今後こうした個別のプラットフォームが互いに整合性をとられずに乱立することも考えられるが、海運・物流業界の健全な発展のためには、誰でもが参加できて、他のシステムとも互いに連結できるような業界共通のプラットフォームが創設されることが望まれる。
      • 原文 Nov. 7, 2018, The Load Star(長谷部正道)
    • 【2】 中国漁船の活動拡大が豪の安全保障上の脅威に
      • 南シナ海での領有権争いでは中国の漁船団がその最前線に立っていたが、南太平洋やインド洋での中国漁船の拡大がやがて豪にとって新たな頭痛の種となるであろう。好漁場へのアクセス競争により、中国漁船が現地の漁民や取締当局等との対立を深めたり、取締を逃れるため故意に取締船に衝突したり、中国海軍などが現地当局の取締りを妨害し強引に中国漁船を保護するなど、容易に地域の新たな火種になる可能性がある。また、中国漁船に武装民間警備員が乗船したり、漁船を擬して中国海軍が情報収集を行っている例もある。最も深刻なのは漁業資源の枯渇である。国連の推計では、調査対象の90%の魚種が、これ以上漁獲量を増やせないあるいは漁獲過剰の状態にあり、水産物需要の増加と貧弱な取締りにより、この問題は悪化する一方とみられる。ソマリアの漁民が海賊に転向する主な原因が、違法操業による漁場荒廃に伴う貧困にあったことに鑑みれば、漁場の喪失は安全保障上の脅威を原因となり沿岸国に深刻な影響を与えるのである。これらは豪にとっても他人事ではなく、環境問題としてのみならず、安全保障問題として東南アジアや南太平洋、インド洋での効果的・多面的な漁業管理体制の構築に注力する必要がある。また、豪は南太平洋地域の沿岸警備隊の法執行能力向上支援に重要な役割を負っているが、東南アジアやインド洋の周辺国に対する支援にも真剣に注目する必要がある。
      • 原文 Nov. 7, 2018, LOWY INSTITUTE(武智敬司)
    • 【3】 なぜ米国とノルウェーの北極戦略が違うのか?
      • 北極に対する考え方は北極圏8か国の間でも様々である。ノルウェーは北極に国土の3分の1が含まれ、人口の10%にあたる50万人が居住し、北部海域の石油、ガス、水産物等の資源は何世紀にもわたってその国民生活を支え、今後も重要な役割を果たすのである。これらの資源が眠るEEZはノルウェー経済にとって非常に重要であり、ノルウェーの政策と北極におけるプレゼンスに影響を与えている。他方米国は、アラスカ北部の人口は限られており、現在のところ石油やガスの開発は行われておらず、北米の北極圏は欧州と比べインフラや資源開発の面で遅れている。北米の北極圏はメキシコ湾流の影響を受けるノルウェーや北西ロシアと比べ気象条件が過酷であり、これらの地理的要因が、経済的・戦略的計算として政治的注目度に作用しているのである。また安全保障面では、米国と国境を接するカナダは米国にとって重要な貿易相手国であり、かつNATOを通じた同盟国であるため、安全保障上の問題が殆どない一方、ノルウェーの安全保障政策はロシアの動向に影響を受けている。ノルウェー北部はロシア北海艦隊の拠点であるコラ半島で国境を接しており、今後もロシアの動向がノルウェーの外交政策に影響を与えるのである。
      • 原文 Nov. 1, 2018, HIGH NORTH NEWS(武智敬司)
    • 【4】 独造船業協会が日本の韓国に対するWTO提訴を支持
      • 日本政府は韓国政府が近年不況にあえぐ自国の造船業界に対して不当な国家支援を与えているとして、WTOの紛争解決手続きに従い、二国間協議を韓国政府に申し入れているが、11月7日、独造船業協会(VSM)の理事長は、「韓国の海運業界は韓国の造船所に新たなコンテナ船を発注するため最近50億ドルに上る国家助成を受けたが、コンテナ船については依然として船腹の供給過剰状態が続き、運賃も十分な水準でないにもかかわらず、このような助成を韓国政府が行うことは、市場原則を大きく混乱させ更なる船舶過剰状況を生み出している。」として日本政府の立場を支持すると表明した。さらにVSMは大宇造船海洋(DSME)をはじめとする韓国の造船業界は、操業を維持するため近年原価割れの受注を継続しているとも指摘している。韓国政府は、11月7日、日本政府の批判を退けるコメントを発表した。
      • 原文 Nov. 8, 2018, Splash24/7(長谷部正道)
    • 【5】 中国での違法なフロン生産に関する報告書
      • オゾン層破壊物質として生産や使用が禁止されているフロン類の一種トリクロロフルオロメタン(CFC-11)を中国の工場が違法に生産している事実を突き止め、7月に報告書を公表した環境保護団体Environmental Investigation Agency(EIA)が、11月4日、報告書の更新版を発表したところ、その概要は以下のとおり。①CFC-11の違法取引を招いている要因は、断熱材である発泡ウレタンの急激な需要の拡大、発泡剤として安価で質の高いCFC-11の特徴、効果的な規制の欠如と考えられる。②5月に科学者らがCFC-11の排出増加に関する調査結果を公表して以降、半年で様々な措置が講じられ、中国では全国規模の対策により違法生産をしている工場が少なくとも一つ閉鎖された他、7月に開催されたモントリオール議定書第40回公開作業部会(OEWG-40)では、締約国が満場一致で本問題に関する協議を行った。③更なる対策として、中国は罰則と取締りについて市場に広く周知するとともに、発泡製品等の検査や輸出入時の調査も行うべきである。また、CFC-11の排出量や蓄積量については不確かな部分が多いにもかかわらず、締約国会合においてはこの10年注目されておらず、正確で最新の科学的研究を行う必要がある他、禁止物質の生産・使用における監視の強化も必須である。
      • 原文 Nov. 4, 2018, EIA(野口美由紀)
    • 【6】 豪首相が南太平洋における軍事的・外交的なプレゼンスの大幅強化を表明
      • 11月8日、豪首相は、近年の中国による南太平洋進出に対抗して、同政府が南太平洋諸国における電気通信・エネルギー・水道事業を支援するために、数十億ドル規模のインフラ銀行を立ち上げると表明した。さらに、パラオ、マーシャル諸島、仏領ポリネシア、ニウエ、クック諸島に新たに外務公館を開設し、同地域における防衛協力も強化する予定。豪はこれまで南太平洋諸国に対する最大の開発援助国であったが、中国による支援の急増に懸念を強めており、11月中旬にパブアニューギニア(PNG)で開催されるAPEC首脳会合には、習近平国家主席も出席し、APEC会合とは別に、太平洋島嶼国の首脳と会合を開催することが予定されており神経をとがらせている。
      • 原文 Nov. 8, 2018, VOA(長谷部正道)
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