2018/11/15 LROニュース(6)

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  • 2018.11.16 UP
    2018/11/15 LROニュース(6)
    • 【1】 各国の気候変動対策に係る国内法と国内政策の整備状況に関する報告書
      • 【1】10月29日、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)が、英リーズ大学と米シンクタンクWorld Resource Instituteとともに各国の気候変動政策の内容を評価した報告書を公表したところ、その概要は以下のとおり。①数値化した国家目標を定めることは、気候変動政策の信頼性を高める上で重要である。②現在、国別GHG削減目標(Nationally Determined Contributions: NDCs)で経済全体の削減目標を定めている国は、197の締約国中、157ヵ国に上る。③しかし、国内の法律や政策に経済全体の削減目標を盛り込んでいる国はわずか58ヵ国のみで、さらにNDCで掲げた目標と整合性のある法や政策を策定している国はそのうち17ヵ国に過ぎない。④ほとんどのNDCsは2030年までの目標を定めている一方、既存の国内法や国内政策の多くは2020年が目標年次となっている。⑤現在、国内法、国内政策、NDCsとの間の整合性を図るデータが十分でないため、国際目標に対する取組の進捗具合をモニタリングすることが難しく、各国は目標を透明化・詳細化することが必要である。
      • 原文 Oct. 29, 2018, LSE(野口美由紀)
    • 【2】 豪が中国に対抗してパプアニューギニアとの関係を強化
      • 【2】11月17日、18日にパプアニューギニア(PNG)の首都ポートモレスビーで行われるAPEC首脳会合の警備を豪が支援している。豪は強襲揚陸艦アデレードと警備艇2隻を派遣し、各国首脳が宿泊する客船が停泊する港の警備を実施しているほか、2か月にわたって特殊部隊をPNGに派遣し、首脳会合会場周辺の安全確保に備えている。また約1,500名の豪当局者が、戦闘機等に支援された合同治安部隊の主力として投入されているほか、米は税関警備艇を提供、NZとインドネシアは現地の軍、警察の訓練を支援している。これらは基本的にはテロの脅威に備えるものであるが、一方で中国に対し地域の結束を示す意味もある。豪とPNGは先週、マヌス島のPNG海軍基地の再開発とPNG軍の強化について協力に合意したが、類似の申し入れが既に中国からPNGになされていた。PNG海軍基地再開発から中国を締め出すことは米豪にとって重要であり、飛行機1機とヘリ1機しか持たないPNG軍は、すでに具体的な軍装備のショッピングリストを豪に提出したともいわれている。中国はAPECサミットのためバスや車両の提供、道路の改修、会議場の改修を支援したが、PNGの取り込みの意図については否定している。
      • 原文 Nov. 6, 2018, ASIA TIMES(武智敬司)
    • 【3】 ノルウェー:フィヨルドにおける船舶からの汚染物質排出規制強化案を発表
      • 【3】ノルウェー海事局(Norwegian Maritime Authority : NMA)は、世界遺産に登録されている同国5か所のフィヨルドにおいて船舶からの汚染物質の排気・排出規制を強化するため、フィヨルド全域における燃料油中の硫黄含有分規制の強化、NOx排出規制の強化、船舶からの下水排水の禁止、スクラバーの使用制限などを内容とする法案について、6月からパブコメを実施していた。10月31日、寄せられた意見をもとに原案をさらに厳格化し、①船舶燃料油中の硫黄分の上限を0.1%(重量ベース)とすること。②全てのタイプのスクラバーの使用を禁止すること。③船上におけるごみ焼却を禁止することが追加された。これにより、現在スクラバーを利用して重油を燃料油としているクルーズ船は、当該フィヨルドを運航するにあたってはスクラバーを装備していても、舶用ディーゼル油を使わなければならなくなる。
      • 原文 Oct. 31, 2018, ノルウェー海事局(野口美由紀)
    • 【4】 UNEP:サンゴ礁の経済効果と社会的利益に関する報告書
      • 【4】サンゴ礁がもたらす経済利益について、国連環境計画(UNEP)などが報告書「The Coral Reef Economy」を発表したところ、その概要は以下のとおり。①現在、サンゴ礁が観光業・商業漁業・沿岸開発部門にもたらす年間の経済価値の合計は、メキシコ及び中央アメリカ周辺のメソアメリカで62億米ドル、インドネシア周辺のコーラル・トライアングルで139億米ドルに上るが、このままサンゴ礁が衰退すれば、その価値は2030年までにそれぞれ年間31億米ドルと22億米ドル減少する可能性がある。②一方、2030年までにサンゴ礁を健全な状態に回復できた場合、上記3部門には年間、メソアメリカで25億米ドル、コーラル・トライアングルで26億米ドルの経済利益がもたらされ得る。③その上、汚水排出の削減や土壌侵食の抑制、海洋保護区域の拡大などによる生態系回復の社会的利益は、民間部門の経済利益をも上回る。④現在、サンゴ礁の生態系管理は主に公共部門からの資金によって賄われているが、サンゴの健全性を維持していくには十分でない。⑤サンゴ礁の健全性改善のためには、民間部門が資金面でより積極的な役割を果たし、革新的かつ持続可能な資金メカニズムを築いていくことが不可欠である。
      • 原文 Oct. 2018, UNEP (Julie Harper)
    • 【5】 ICS会長がSTCW条約の抜本的な見直しを提唱
      • 【5】国際海運会議所(ICS)の会長が、STCW条約の抜本的な見直しの必要性を提唱したところその概要は以下のとおり。①STCW条約は2010年に「マニラ改正」を行ったが、IMOにおける抜本的な見直しは25年以上行われていない。②STCW条約に基づく船員証書を持った船員を雇用しても、実際に乗務させる前に、船社が追加的な訓練を行うことが常態化してきており、同条約に基づく訓練・資格要件が21世紀の海運実務に対応していない。③次々と新技術が導入される結果、船上で船員に求められる役割・技能・訓練が既に大きく変貌しており、同条約の抜本的な見直しにより、自動化の推進など新たな技術的進展に効率的に対処する必要がある。④同条約に従って自国内できちんと船員の訓練を行っていることをIMOに報告している優良国(whitelist of nation)のリストに今やほとんどすべての国が含まれており、リストが有名無実化し、各締約国で条約に従って教育・訓練が実施されているか否か監視する制度もなく不透明であり、同条約の抜本的な見直しによって、各締約国が条約に従ってちゃんとやるよう透明性を向上させ、監視体制を強化すべきである。
      • 原文 Nov. 6, 2018, ICS(長谷部正道)
    • 【6】 北極評議会高級事務レベル(SAO)会合が開催
      • "【6】11月1日から、北極評議会加盟国8か国とオブザーバー30か国以上等が参加して、北極評議会高級事務レベル(Senior Arctic Official: SAO)会合が開催された。SAOは半年に1回、大臣会合の間に開催され、今回がフィンランドが議長国となってから3回目の会合となる。
        フィンランドは議長国として「共通の解決策の模索(Exploring Common Solutions)」をテーマとして、環境保護・接続性・気象予測面での連携・教育を重点分野として取り組んでいる。北極評議会は北極の動植物を保護(Conservation of Arctic Flora and Fauna: CAFF)するための作業部会の下で、2013年に北極圏における生物多様性を評価(Arctic Biodiversity Assessment: ABA)するための8年間の行動計画を策定し実施中であるが、今回のSAOでは生物多様性に焦点を当てて議論が行われた。CAFFWGは環境汚染と過剰漁獲がいくつかの動植物に影響を与えているものの、北極圏における生物多様性を損なう最も大きな原因は温暖化であるとしたうえで、漁獲制限を行うことにより、過剰漁獲の影響で激減していた魚の数が回復するなど、適切な政策的介入が行われれば、現在北極圏で進んでいる生物多様性の減少傾向を緩和することができると報告した。
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      • 原文 Nov. 6, 2018, High North News(長谷部正道)
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