2018/10/4 LROニュース(7)

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  • 2018.10.05 UP
    2018/10/4 LROニュース(7)
    • 【1】 海事ビックデータと自律運航船
      • (論説)海事法律事務所のReed Smithが2018年上半期に実施した海事関係者に対するアンケート調査によれば、海事ビックデータの活用と自律運航船技術が、今後5年間で海事社会を最も大きく変える要因になるであろうという結果が出た。航海のパフォーマンス・船舶の構造・船舶の機関・燃料の消費・海上交通・積荷・天候といった様々な異なる情報からなるいわゆるビックデータを収集・分析・管理することにより、船舶の理想的な運航方法や今まで認識されていなかったパターンや市場動向まで把握できるようになり、さらに、航海の結果が事前に予測可能となり、コストの削減を通じ、海事事業の効率化やリスクの削減を通じた海上安全の向上をもたらすことが予測される。こうしたビックデータの解析は海上自律運航船(Maritime Autonomous Surface Ship: MASS)の開発も促進することが予測されるが、多くの回答者は既存の国際的な法的枠組みが、こうした迅速な技術革新に追いつけず技術革新を阻害しないか懸念を持っている。現在、IMOは万国海法会(CMI)の協力を得て、MASSの実現のために、IMOの既存条約をどの程度見直す必要があるかの検討作業中で2020年までには結論が出る予定だが、こうした既存の条約・法令の改正に加えて、MASSの実現によって職を失うこととなる船員組合等の既得権益集団からの反発も予測されるところ、必要な国際的な枠組みができるまでは、こうした技術革新は(国際的な規制に従う必要がない)国内的運航として当面小規模に行われることになろう。
      • 原文 Sep.3, 2018, Lexology(長谷部正道)
    • 【2】 EU海軍、ソマリア沖で海上自衛隊と合同訓練を実施
      • 海洋安全保障における各国間の協力が従前に増して重要となる中、EU海軍は能力向上と海賊の抑止、根絶、鎮圧にむけて日本と協働している。8月29日、EU海軍の旗艦Castillaは、海上自衛隊の「あけぼの」とアデン湾において、ヘリコプターを使った訓練や通信、操艦に関する合同訓練を実施した。この訓練は相互の通信・調整をテストする貴重な機会となったほか、互いの艦船の能力、活動、行動手続について相互に理解を深めることができた。
      • 原文 Sep. 5, 2018 EU NAVFOR(武智敬司)
    • 【3】 Connecting Europe Facility II提案に対する欧州港湾協会の要望
      • 6月6日、欧州委員会は”Connecting Europe Facility 2021-2027 (CEF II)”を採択したが、これに対して、欧州港湾協会(ESPO)が欧州理事会と欧州議会に対する要望を取りまとめたところその概要は以下のとおり。①港湾が欧州の交通ネットワークに果たす基本的な役割を認識してCEF予算の中の港湾関係予算のシェアを拡大すること。②CEFにおいて国境間(cross-border)の事業に重点を置くのは理解できるが、港湾は国境地帯に位置しなくても、基本的に他の海運国と接続するcross-border的な性格を持つので国境間事業と同様の優先的な配慮がされるべきこと。③現在重点事業とされている港湾関係や海の高速道路(Motorways of the Sea: MoS)関連事業が、委員会の新たな重点事業リストからすっぽり落ちているので、重点事業に再度組み込むこと。④脱炭素化対策としてLNGバンカーに関する施設整備のみならず、より一般的に脱炭素化に資する施設整備の支援に重点を置くこと等
      • 原文 Sep.5, 2018, 欧州港湾協会(長谷部正道)
    • 【4】 設置済みのバラスト水処理装置の約半数に依然として問題を抱える
      • 米国船級協会(ABS)が欧州の37の船主を行った調査によれば、261隻の船舶に設置済みのバラスト水処理装置(BWTS)のうち、5%が稼働不能状況に、44%が稼働に問題がある状況と判明した。どの船にも万能なBWTSなどはなく、各船舶の運航状況に応じ、型式認定を得たそれぞれのBWTSの性能を慎重に吟味して、各船舶に最も適したBWTSを選択することが必要であるが、BWTSの補修部品などが不足しており、部品を舶用のものではないもので代替した場合などに問題が生じやすいとABSは指摘している。現在米国沿岸警備隊から型式認証を得ているシステムは10種類にとどまっている。
      • 原文 Sep. 5, 2018, Seatrade Maritime News (長谷部正道)
    • 【5】 ロシアが北極海で新たな北方艦隊防空基地の建設を開始
      • 2017年11月に、ロシア北方艦隊司令長官は2018年中に、北方艦隊の中に防空部隊を設け、ノバヤ・ゼムリヤ諸島やディクソン市・チクシ市に配置すると表明したが、8月27日チクシ駐屯地を訪れた司令長官は防空基地の起工式に参加した。向こう6か月以内に、部隊の兵士のための宿泊施設・事務棟・ディーゼル発電施設など11の構造物からなる基地を完成させる。
      • 原文 Aug. 27, 2018, The Arctic(長谷部正道)
    • 【6】 再度の関係改善に向かう米比関係
      • 武器の供与などで存在感を増す中国に対抗するため、東南アジア地域への関与を強める米トランプ政権が、同盟国フィリピンに対し新たに強力な支援を提案している。親中的な発言で迷走した比ドゥテルテ大統領も、国内の反中国的世論や南シナ海での脅威、ミンダナオ島のイスラム組織の脅威を受けて米国との安保協力の再構築に抗わなくなっている。米国は比に対し、F16戦闘機や攻撃ヘリコプターなどを含む武器売却や、総額600億ドルのBUILT計画のもとインフラ整備資金の提供を提案している。また、米植民地時代初期に米国が戦利品として比から持ち帰った「バランギガの鐘」の返却も申し出ている。この他、米国は東南アジア諸国に対し3億ドルの安保協力や、雇用創出のための1.17億ドルの基金創出などを公表している。比に対するこれらの外交的働きかけは米国防総省が主導しており、トランプ政権は南シナ海における中国との対立において比を支援する姿勢を明確にしている。
      • 原文 Sep. 6, 2018 ASIA TIMES(武智敬司)
    • 【7】 バルチラが世界の主要20港湾を結ぶSEA20構想を提案
      • 海運は経済的に最も優れた物流手段であるにもかかわらず、船舶運航の効率化という観点からはまだまだ改善の余地があり、港湾間の燃料効率の向上・港湾や船舶交通輻輳海域における混雑の緩和・海上運送にかかわるすべての関係者間における情報のリアルタイムの共有などを進めるため、バルチラは世界の主要港湾20港と海運関係者が参加して、最新のデジタル技術を駆使して、すべての参加者にとってメリットがある情報共有プラットフォームであるSEA20を2020年までに構築することを、9月5日、ハンブルグで開催中のSMMで発表した。すでに第一陣として、ロッテルダム港・ハンブルグ港・ヘルシンキ港が参加を表明している。SEA20設立のための第1回目の準備会合は、NY・シンガポール・ハンブルグ・ヘルシンキ・ロッテルダムから18人の専門家が参加して、8月にすでにハンブルグで開催された。
      • 原文 Sep. 5, 2018, バルチラ(長谷部正道)
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